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不良債権とは?銀行の分類と会社の売掛金の確認表

不良債権とは、約束どおりに回収することが難しくなった債権を指す言葉です。銀行の開示では定められた区分で整理しますが、一般企業の売掛金は、入金状況や契約の確認と、貸倒損失の税務判断を分けて扱います。

会社の経理担当者向けに、銀行の分類を読む表と、未回収の売掛金について資料をそろえる確認表を掲載します。「不良債権だから全額を損金にできる」とは判断できません。

銀行の不良債権の分類

金融再生法に基づく開示では、破産更生債権等・危険債権・要管理債権を不良債権として整理します。正常債権はそれらとは別の区分です。これは一般企業の売掛金をそのまま振り分けるための表ではありません。

次の表は、金融再生法施行規則第4条の対象金融機関・対象勘定等の債権についての分類です。労働金庫・労働金庫連合会を除きます。表の「破産更生債権等」は「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」の略記です。

区分主な意味
破産更生債権等破産・更生・再生手続開始の申立て等により経営破綻した債務者への債権と、これらに準ずる債権
危険債権経営破綻前だが財政・業績が悪化し、契約に従う元本回収・利息受取ができない可能性が高い債権
要管理債権三月以上延滞債権と貸出条件緩和債権。定義と除外区分は次の表を参照
正常債権債務者の財政・業績に特に問題がなく、上記の区分に当たらない債権

「不良」という呼び方でも、全額を回収できない状態に限りません。金融庁の不良債権の解説も、要管理債権には支援によって全額返済が可能と見込まれるものがあると説明しています。

要管理債権の条件を読む

要管理債権には、延滞による区分と、貸出条件の緩和による区分があります。支払期限を過ぎたかだけでなく、条件を変更した目的や内容も区別して読みます。

次の表も、金融再生法施行規則第4条第4項の対象となる貸出債権についての定義です。破産更生債権等・危険債権は除き、貸出条件緩和債権からは三月以上延滞債権も除きます。

要管理債権の内訳定義の要点
三月以上延滞債権元金又は利息が、約定支払日の翌日を起算日として3か月以上延滞している貸出債権
貸出条件緩和債権経済的困難にある債務者の再建・支援、回収促進等のため、債務者に有利な一定の譲歩を伴う条件改定等をした貸出債権

条件を変更したという事実だけで、貸出条件緩和債権に当たるとは限りません。上の定義にある目的と譲歩の内容、除外区分を合わせて確認します。

会社の売掛金の確認表

一般企業の売掛金では、まず請求と入金の記録を突き合わせます。中小企業基盤整備機構「会計・経理の基本」も、請求書と入金記録を突き合わせて抜け漏れを確認する手順を紹介しています。

以下は、未回収の売掛金を社内で整理するための確認表の例です。法定様式や貸倒損失の判定表ではありません。確認先は社内の分担に合わせて読み替えてください。

確認することそろえる資料の例確認先の例
何の代金か契約書、注文書、納品・検収の記録営業担当・契約担当
いつ支払う約束か契約の支払条件、請求書、合意した変更内容営業担当・経理担当
実際の入金はあるか口座の入金明細、消込記録、取引先別の残高経理担当
未入金の理由は何か先方の回答、担当者との連絡記録、請求内容の争いの有無営業担当・先方窓口
支払条件を変えたか変更前後の条件、合意書、支払予定の連絡契約担当・決裁者
担保・保証等はあるか契約書、保証・担保に関する書類契約担当・法務担当
取引先の状況に変化があるか先方の通知、手続に関する書類、取引停止・弁済の記録営業担当・法務担当

確認結果には、確認した日、資料の置き場所、未確認の事項も残す形にすると、社内の引継ぎに使えます。回収見込みの評価と、その評価の根拠になる資料は、欄を分けて整理する例が考えられます。

未入金が見つかったときの整理例

たとえば、月末の残高確認で、取引先からの入金が請求書と結び付いていないことが分かったとします。ここでは回収不能と結論を出す前に、次のように記録を分けます。以下は架空の社内整理例です。

見つかった状況記録・確認することの例
入金はあるが請求に割り当てていない入金日・振込名義・対象の請求を照合し、未回収一覧との重複を確認する
先方が請求内容に異議を述べている契約・検収の記録と先方の主張を分けて記載し、営業・契約担当へ確認する
支払予定の変更連絡がある当初の条件、変更の合意の有無、先方の説明を保存する
取引先から手続に関する通知が届いた通知を保管し、債権の内容・残高と対応担当者を社内で共有する

この整理例は、回収・債権放棄・償却のどれを選ぶかを決めるものではありません。個別の権利関係や対応方針は、資料をそろえて法務担当者・弁護士等に確認してください。

請求と入金を照合契約・明細・残高 確認事項を記録理由・変更・未確認点 担当者へ引継ぎ回収対応・決算の確認 社内整理例:この流れだけで貸倒損失になるとは判断しない
確認資料をそろえるための社内整理例。税務の判定とは分けます。

回収の管理と貸倒損失は別に確認する

法人の金銭債権は、不良債権と呼んで管理しているだけでは、貸倒損失として損金に算入できません。国税庁「貸倒損失として処理できる場合」では、認められる事実・対象金額・損金算入時期を分けて説明しています。

税務を確認するときは、債権の種類や取引先の状況、担保などの資料も引き継ぎます。具体的な要件と計上時期は貸倒損失の解説、引当金との違いは貸倒引当金の解説を参照してください。

請求額の税込・税抜の内訳を確認する用途には、消費税計算機を使えます。貸倒れの可否や貸倒れに係る税額控除を判定する道具ではありません。

消費税計算機で税込・税抜の内訳を確認する

確認を終える前のまとめ

銀行の開示分類と、会社の未回収売掛金の管理を分けて読みます。経理では請求・入金・契約の資料を突き合わせ、未確認の事項を残して担当者へ引き継ぎます。法人税の貸倒損失は、呼び名とは別に要件を確認します。

よくある質問

不良債権は全額を回収できない債権ですか?

全額回収不能に限りません。銀行の金融再生法に基づく分類で不良債権に含める要管理債権には、貸出条件の緩和等の支援により全額返済が可能と見込まれるものもあります。

一般企業の売掛金も銀行と同じ区分にするのですか?

銀行の開示分類を、そのまま会社の売掛金の判定表には使いません。本記事の銀行分類表は、金融再生法施行規則の対象金融機関・対象債権の説明です。会社の未回収売掛金は、契約や入金の記録を整理して管理します。

不良債権として管理すれば損金にできますか?

その呼び方だけではできません。法人の金銭債権について貸倒損失を認める事実・対象金額・損金算入時期を別に確認します。具体的な条件は貸倒損失の解説にまとめています。

売掛金の確認表は法定様式ですか?

法定様式ではありません。本記事の確認表は、請求・入金・契約等の資料をそろえ、未確認の事項を社内で引き継ぐための整理例です。個別の回収方法や貸倒損失の可否を判定するものではありません。

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出典

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。実際の税務処理は税務署・税理士へ、個別の権利関係や回収対応は弁護士等へご確認ください。

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