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公務員の退職金|国家公務員の支給額・税金・手取額を比較

国家公務員の退職金は、退職理由・俸給・勤続期間・適用される特例で支給額が変わり、そこから税金を引いて税引後の手取額を求めます。税金を引いた手取額と、給与等の住民税の一括徴収・その他控除も反映した振込額を分けて確認します。平均支給額をそのまま自分の見込額にはできません。

以下では、常勤の一般職を想定し、同じ俸給・在職履歴で自己都合と整理退職を比較します。整理退職には定年等の支給率が使われますが、早期退職の割増しや俸給減額の特例がある人は別計算です。地方公務員の額は勤務先の条例等によります。

支給額と手取額の比較

比較するのは、自己都合で退職する人と、官職の廃止・過員による整理退職をする人です。後者は国家公務員退職手当法第5条第1項第2号に当たるものとします。退職理由以外の仮定をそろえています。

比較設例は令和8年分、国内居住・住民税課税対象で、引上げ前の定年が60歳の常勤一般職です。比較設例の退職時44歳、2001年11月1日採用・2026年10月28日退職、俸給月額400,000円、支給用・税控除用とも勤続25年とします。比較設例の区分履歴は第11号180月→第9号60月→第8号60月です。通算前歴・休職等の除算・俸給減額歴・支給制限はなく、障害退職や他の退職一時金もなく、受給申告書は提出済みです。早期割増は同法施行令附則4項の年齢条件に達しない設例です。手取は退職所得の税金を引いた額で、給与等の住民税の一括徴収・その他控除・確定申告の精算を含めません。

設例の自己都合・整理退職の支給額と手取額
項目自己都合整理退職(定年等の支給率)
支給割合(調整率適用済み)28.039533.27075
基本額11,215,800円13,308,300円
調整額1,950,000円1,950,000円
退職手当の支給総額13,165,800円15,258,300円
退職所得控除額11,500,000円11,500,000円
課税退職所得金額832,000円1,879,000円
所得税・復興特別所得税の合計42,473円95,922円
市町村民税49,900円112,700円
道府県民税33,200円75,100円
税引後の手取額13,040,227円14,974,578円
支給総額の差(整理−自己都合)2,092,500円
手取額の差(整理−自己都合)1,934,351円

比較表は、職員区分の履歴から調整額を計算しています。役職名だけでなく、対象月と区分をそろえる必要があります。

比較表の差額は、退職理由以外の仮定をそろえた差です。退職理由による額の違いを示したもので、退職する時期や方法を薦める比較ではありません。

基本額に使う俸給と支給率

計算に入れるのは給与の総支給額ではなく、退職手当の算定基礎となる俸給月額です。一般職給与法の適用職員では、俸給表の額と俸給の調整額を合わせ、地域手当・扶養手当・俸給の特別調整額などは含めません。

退職日に休職や減給などで俸給の一部が支払われていない場合は、その理由がなかったと仮定した俸給月額を使います。過去に俸給月額の減額があれば、後述のピーク時特例も確認します。

支給率は、法定の退職事由と勤続期間に対応する欄を使います。日常の呼び方が「自分から辞めた」でも、傷病や応募認定などに当たれば別区分になり得ます。辞職願の有無だけでは選べません。

表の支給割合には、官民の給付水準を調整する調整率が適用済みです。人事院の支給率表は調整率を乗じた後の表なので、さらに同じ調整率を掛けないようにします。

国家公務員の退職手当から手取額を求める流れ 基本額俸給月額・退職事由・勤続期間を確認 +調整額適用される算定方法を確認 支給総額 − 税金 = 手取額給与等の住民税の一括徴収・その他控除は別
この図は、最低保障等の額の特例・支給制限がない場合の計算順序です。

調整額の算定方法と職員区分の履歴

調整額は、退職時の役職に一つの月数を掛ける計算ではありません。職員区分の履歴から調整額を計算する場合は、算定対象月の区分を確認し、調整月額が高い順に選びます。退職直前の連続した期間に限りません。

短期勤続等の別計算を除く調整額は、平成8年4月1日以後の基礎在職期間から除外月を除き、調整月額の高い順に60月分を合計します(60月未満は対象月全部)。月の除外や短期勤続等の扱いは同法第6条の4によります。

以下は制度基準日2026年10月28日現在の国家公務員退職手当法の調整月額のうち、比較設例に使う職員区分です。合計の調整額ではなく、対象となる月ごとの額です。

比較設例に使う調整月額
職員区分調整月額
第8号区分32,500円
第9号区分27,100円
第11号区分0円

比較設例は号区分を直接仮定しています。実際の区分は、適用俸給表・職務の級・その区分に在職した期間などで確認します。「係長だった」といった役職名だけでは、調整額は確定できません。

税引後までの計算と端数処理

受給申告書を提出済みの一般退職手当等は、退職所得控除後の課税退職所得金額から所得税等の源泉徴収額を求めます。ここでは比較設例のように、一般退職手当等として計算できる場合を説明します。

  1. 退職所得控除を求めます。比較設例では、他の一時金の控除調整や障害退職の加算を適用せず、税控除用の勤続年数に応じた控除額を使います。
  2. 令和8年分の居住者の国家公務員が一般退職手当等を単独で受け、支給総額が退職所得控除額を上回る場合は、控除後の額を半分にし、課税退職所得金額の1,000円未満を切り捨てます。
  3. 令和8年分の受給申告書提出済みの比較設例は、課税退職所得金額が195万円以下なので所得税率5%とし、復興特別所得税を加えた合計の1円未満を切り捨てます。
  4. 比較設例の住民税は、同じ課税退職所得金額に市町村民税6%・道府県民税4%をそれぞれ掛け、各税額の100円未満を別々に切り捨てます。

障害退職や他の退職一時金による控除調整がない比較設例の退職所得控除は、税控除用の勤続25年を800万円+70万円×(25−20)に当てはめて求めます。源泉徴収税額の算式は国税庁の退職所得の源泉徴収税額の速算表で確認できます。

比較設例の住民税は、退職手当の支払を受けるべき日の属する年の初日に国内の住所があり、退職所得の分離課税を受ける仮定です。転居している場合も、その年初の住所地を確認します。給与からの住民税の一括徴収とは分けて扱います。

支給総額が分かる場合は、退職金の税金・手取額を計算する →

この計算機は退職手当の支給総額自体を求めるものではありません。国家公務員の勤務期間は税法上の役員等に含まれるため、入力時は該当する勤務区分を選びます。控除や確定申告の説明は退職金の税金の解説にまとめています。

同じ計算を使えない場合

前の比較表は、特例を外した設例です。特に、次のような場合はそのまま当てはめず、支給額の通知や担当部署の試算で該当する計算を確認します。

支給額用と税控除用の年数が違う

支給額用の勤続期間は、採用月から退職月までの在職月数を基に、休職等の除算や前歴の通算を反映して計算します。年未満の端数は切捨てですが、短期在職には別扱いがあるため、同法第7条第6項・第7項も確認します。

退職所得控除用の勤続年数は、年未満の端数を切り上げます。比較設例ではたまたま支給額用と一致していますが、同じ年数を無条件に転記することはできません。

短期勤続では調整額や課税方法が違う

一般職の調整額には、自己都合等かそれ以外かと勤続期間により、不支給・半額の区分があります。同法第6条の4第4項を確認します。特別職幹部等の別算式も、比較設例には含めていません。

国家公務員の役員等勤務期間について、1年未満の端数を切り上げた役員等勤続年数が5年以下に対応する特定役員退職手当等には、所得計算を半分にする扱いがありません。会社の役員だけの規定ではないことに注意が必要です。

定年延長や早期退職の特例がある

退職手当の見込額に特例が適用されている場合は、その根拠と算定内訳を担当部署へ確認します。

また、俸給月額の減額歴があればピーク時特例、応募認定等なら定年前早期退職の特例に該当することがあります。人事院「第3章 定年後の収入と支出」の退職手当の計算例は、減額前の俸給も使う公表例です。退職日の低い俸給だけで全期間を計算する例ではありません。

他の退職一時金や障害退職がある

同じ年や過去年の退職金、確定拠出年金の一時金などがある場合には、退職所得控除の調整が必要になることがあります。障害者になったことが直接の原因の退職には控除の加算があります。比較設例はこれらに当たらない仮定です。

死亡退職、支給制限、短時間勤務、特別職、複数の税区分が混在する退職手当等も、この記事の比較額の対象外です。地方公務員は、同じ俸給・在職期間でも勤務先の条例等で支給条件を確認します。

見込額を確認するための資料

区分履歴で調整額を計算する場合は、給与明細のほか、人事の履歴と通算・除算の記録も確認します。担当部署の試算を読むときは、次の資料と突き合わせると、違いが生じた箇所を確認できます。

退職所得となる退職手当の「退職所得の受給に関する申告書」は、支払を受ける時までに、退職手当の支払者へ提出します。退職所得となる退職手当で受給申告書を提出しない場合は、比較表とは異なる所得税等の源泉徴収となり、確定申告で精算します。書き方は退職所得の受給に関する申告書で確認できます。

まとめ

退職手当の見込額は、算定内訳と適用された特例を確認してから、退職所得控除・税区分・税引後の手取額へと追います。

支給額用と税控除用の勤続年数、給与総額と俸給月額、支給総額と実際の振込額をそれぞれ分けることが、見込額を読み違えないための要点です。

よくある質問

地方公務員にもこの支給額を使えますか?

そのまま使うことはできません。地方公務員の退職手当は勤務先の条例等によります。この記事の比較額は国家公務員の一般職を仮定した設例で、全国共通の支給額ではありません。

退職時の役職から調整額が決まりますか?

役職名だけでは決まりません。職員区分の履歴から計算する方法のほか、幹部等の別算式や短期勤続等の扱いがあります。担当部署の算定内訳で、どの方法が適用されているかを確認します。

公務員の退職金も所得計算を半分にできますか?

一般退職手当等として計算できる場合は半分にします。ただし、国家公務員は税法上の役員等に含まれ、年未満を切り上げた役員等勤続年数が5年以下に対応する特定役員退職手当等には、その扱いがありません。

次に読む

出典

制度基準日: 2026年10月28日。国家公務員退職手当法、人事院の退職手当資料、国税庁・総務省の公表資料を参照しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は勤務先の人事・給与担当部署、税務署・税理士にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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