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教育訓練休暇給付金|会社の手続きと必要書類

教育訓練休暇給付金の会社側の主な仕事は、休暇制度の整備、本人との取得の合意、賃金証明です。ハローワークから交付された本人用の書類は、本人の支給申請につながるよう速やかに渡します。

会社の証明だけでは手続きは終わりません。本人が住居所を管轄するハローワークへ申請し、その後も休暇取得の認定を受けます。受講料への補助である教育訓練給付金とは別の制度です。

会社と本人の手続き早見表

会社が賃金証明を行い、本人が支給申請を行います。提出先は、会社が事業所の所在地、本人が住所または居所を管轄するハローワークです。

段階会社が行うこと本人が行うこと
休暇開始前休暇制度を規定・周知し、取得を合意する受講内容と休暇期間を申し出る。取得確認票は必要事項を満たす独自様式でも代替可
休暇開始後休暇開始日の翌日起算10日以内に賃金月額証明書を提出(期限が休日なら翌開庁日。添付省略の例外は後述)会社経由で交付される申請書類を受け取る
受給資格の決定交付された賃金月額証明票・申請書を速やかに本人へ渡す会社から受け取った書類に必要事項を記入して支給申請する
休暇取得の認定期間や内容を変更する場合は、改めて合意する認定申告書と必要な添付書類を提出する(書類・提出日の例外は後述)
会社の制度整備・賃金証明と本人の申請・認定の流れ 会社と本人:制度に基づいて休暇取得を合意対象となる教育訓練・期間・無給の扱いを確認会社:事業所管轄へ賃金証明交付された申請書類を本人に渡す本人:住居所管轄へ支給申請受給資格の決定 → 休暇取得の認定 → 支給
会社の提出後に本人の申請が続きます。給付は審査を経て支給されます。

休暇と被保険者期間の要件

一般被保険者が対象で、休暇制度・本人の加入歴・受ける教育訓練の要件を確認します。高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は対象外です。

以下は教育訓練休暇給付金の一般被保険者について、休暇開始時に確認する要件です。直近の期間の行は、疾病等による算定対象期間の延長がない場合です。通算の加入期間には、過去の給付歴・離職空白による通算除外を反映した後の期間を用います。主な例外は表の下で確認してください。

確認項目要件
休暇日数の最低条件一般被保険者の教育訓練休暇給付金では、連続30日以上の無給休暇が必要。休暇の長さだけで支給は決まらない
直近の期間(延長なし)休暇開始前2年間のみなし被保険者期間が通算12か月以上
通算の加入期間(除外後)休暇開始前の算定基礎期間に相当する期間が5年以上。ハローワークで通算除外後の期間を確認

主な例外:疾病・負傷等で賃金を受けられなかった場合は、直近の期間要件の対象期間が延びることがあります。離職の空白や基本手当・休暇給付等の受給歴により、通算できない加入期間もあります。暦上の勤続年数だけでは判定しません。

みなし被保険者期間は、賃金支払基礎日数等に基づいて数えます。加入歴に空白や過去の給付がある人は、休暇を始める前にハローワークで確認できます。

受講できる教育訓練の範囲

休暇給付の対象は、受講費の教育訓練給付金の指定講座だけに限られません。一方、仕事に関係する講座であれば何でも対象になるわけでもありません。具体的な講座名・訓練機関・受講方法を示して事前確認します。

休暇制度を整備し、本人と合意する

会社は、教育訓練に使える休暇制度を就業規則や労働協約等に定め、従業員に周知します。制度の名称は「教育訓練休暇」でなくても、前節の要件に合うサバティカル休暇等を利用できます。

規程を整える際は、対象者、取得できる期間、給与の扱い、申請・承認の手順を確認します。厚労省のパンフレット付録の規程例は参考になります。ただし、例にある社内申請時期や対象者の限定が、そのまま給付金の共通要件になるわけではありません。

本人の申出と会社の承認を記録します。休暇の期間、教育訓練の目標、施設・講座名、受講開始・修了予定、対面・通信等の実施方法を確認します。

期間や訓練内容が変わる場合は、会社の再承認を記録し、本人が住居所管轄のハローワークへ変更を届け出ます。休暇の延長と、給付を受けられる期間の延長は別に確認します。

賃金証明と本人申請の必要書類

会社が賃金証明を提出した後、本人の受給資格を決定する支給申請が続きます。会社の提出期限は、上の早見表のとおりです。休暇開始日を伝えて手続きの時期を管轄窓口と確認し、社内の給与締日まで待たずに準備します。

手続き・提出先揃える書類
会社の賃金証明
事業所所在地の管轄
賃金月額証明書、就業規則等・勤怠資料・賃金台帳等の写し。職業安定局長が定める場合は添付省略可
本人の支給申請
住所・居所の管轄
会社経由の申請書・賃金月額証明票、本人の申出と休暇開始前の会社承認を証明する資料、本人確認・口座資料。延長通知書が交付済みなら同通知書も提出
本人の認定申告
住所・居所の管轄
取得認定申告書、受給資格決定通知、受講証明等、本人確認書類。受講証明は次回以降の疎明書で代替可

無給の教育訓練休暇の取得認定は休暇開始日から30日に1回行われます。初回の提出日は、受給資格決定の際の案内に従います。

やむを得ない理由で認定日の提出が困難な場合は、認定申告書等の提出時期に例外があります。自己判断で遅らせず、速やかにハローワークへ確認してください。

賃金月額証明書は「退職した人」の書類ではない

教育訓練休暇開始時賃金月額証明書には、休暇開始日、所定労働時間、被保険者期間算定対象期間、賃金支払対象期間・基礎日数・賃金額等を記載します。被保険者期間の欄は、休暇開始日の前日に離職したとみなす形で設けられています。

これは給付の計算に用いる期間の区切り方です。実際に退職したという意味ではありません。給与担当者は、休暇開始日と給与の締日を混同せず、勤怠・賃金資料と欄ごとに突き合わせます。

証明書の支給要件確認欄では、制度の周知、本人の自発的な希望、訓練内容の確認、解雇・雇止め・休業を予定していないこと等も届け出ます。賃金額を転記するだけで済ませず、本人・人事・給与担当で確認します。

会社は教育訓練休暇開始時賃金月額証明書の事業主控えを4年間保管し、関係職員の要求時に提示します。

給付日額・日数と受給期間

日額は、休暇開始日の前日を離職日とみなして算定する基本手当の日額相当額です。賃金日額と年齢によって変わるため、現在の月給に固定の率を掛けるだけでは決まりません。

金額の目安は厚労省の教育訓練休暇給付金のシミュレーター掲載ページで確認できます。基本手当の日額計算の考え方は、次の計算機でも確認できます。

基本手当日額の目安を計算する

基本手当計算機は失業給付用です。表示される待期・給付制限・受給資格・総額を、教育訓練休暇給付金の判定や支給予定として使わないでください。

次は教育訓練休暇給付金の所定給付日数の上限です。休暇開始前の算定基礎期間に相当する加入期間で分け、過去の給付歴・離職空白による通算除外があります。支給は受給期間内で認定された休暇の日に限り、就労日・他の休暇休業日等を除きます。

加入期間所定給付日数
5年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

受給期間は、初回の休暇開始日から起算して原則1年間です。休暇を分けて取る場合も起算日は変わらず、日数が残っていても受給期間を過ぎた日は支給されません。

受給期間中に妊娠・出産・育児等で教育訓練を受けられなくなった場合は、ハローワークへ受給期間延長の条件と手続きを確認します。単に休暇を長くした場合に、自動的に受給期間が延びる制度ではありません。

受給期間内に休暇を再開して給付を受ける場合は、保管していた受給資格決定通知を添え、本人が支給申請書を提出します。休暇を分けるときは、再開時の手続きも予定に入れます。

無給・就労・他の給付との関係

就労の対価でない受講費等の一部補助は、それだけを理由に不支給となるものではありません。一方、収入を伴う就労日等は支給対象にならず、受給後の他の給付にも影響があります。

受講費の補助と、働いた対価を分ける

会社から支払う金銭があれば、何でも不支給になるわけではありません。就労の対価でない受講費や資格試験の受験料の一部補助等は、その支給だけを理由に休暇給付が不支給となるものではありません。

一方、収入を伴う就労日や、教育訓練休暇とは異なる有給休暇・育児休業等の日は、支給対象になりません。予定した定期出勤を組み込む休暇は認められず、予期しない理由で結果的に働いた日の不支給と区別します。

会社の業務命令による研修には使えない

業務命令で資格取得や研修のために休暇を取らせる制度としては利用できません。会社や上司からの案内がきっかけでも、本人が自発的に取得を希望する場合は対象になり得ます。

休暇取得を承認する時点で解雇・雇止め等を予定している人に、給付対象の休暇を取得させることは認められません。予定を偽って賃金月額証明書を届け出ると、罰則の対象となる場合があります。

受給すると、失業給付等の期間計算に影響する

受給後の基本手当の取扱いは、厚生労働省の案内の「労働者に対する注意事項」とハローワークで確認してください。

育児休業等給付・介護休業給付のみなし被保険者期間と、受講費の教育訓練給付金の支給要件期間には影響しません。そのため、退職後の給付を一律に受けられないとは判断しません。特例の概要は教育訓練給付金の記事の休暇給付の節で確認できます。

大学院への進学を申し出た社員の例

社員が大学院で学ぶためにまとまった無給休暇を希望した場合、会社は講座内容と休暇制度を確認します。本人の希望と会社の承認を記録し、対象訓練・加入歴の事前確認をハローワークへ相談します。

給与担当者は、承認された休暇開始日に合わせて賃金証明の資料を揃え、会社側の提出を進めます。ハローワークから書類が届いたら本人に渡し、本人が申請する流れまで共有します。会社の証明書が提出済みでも、本人の支給申請は別に残ります。

会社が受講料の一部を補助するなら、休暇中に働いた対価とは区別して内容を確認します。休暇中の定期出勤を予定する場合は、そのまま給付対象の休暇として進めず、取得方法を管轄窓口に相談します。

よくある質問

会社に教育訓練休暇制度がなくても申請できますか?

就業規則や労働協約等に基づく休暇制度と、本人・会社の合意が必要です。既存の休暇制度が要件を満たすかを確認し、制度がなければ整備から進めます。

会社がまとめて支給申請する制度ですか?

会社の賃金証明と本人の支給申請に分かれます。会社は事業所所在地の管轄、本人は住所・居所の管轄のハローワークで手続きします。

受講費の教育訓練給付金と併用できますか?

教育訓練給付金の指定講座を受講し、それぞれの要件を満たす場合は併用できます。休暇給付の対象訓練だからといって、受講費給付も自動的に対象になるわけではありません。

会社が受験料を補助すると無給の要件に反しますか?

就労の対価でない受験料や受講費の一部補助等は、その支給だけで不支給になるものではありません。給与や就労の対価を、名称だけ補助手当として扱うこととは分けて確認します。

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出典

制度の要件と手続きは厚生労働省の案内、給付の算定は雇用保険法の教育訓練休暇給付金の規定を参照しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断はハローワーク(公共職業安定所)・社会保険労務士にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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