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未支給年金とは:請求順位・生計同一・対象月と死亡届・税の確認表

未支給年金とは、故人の死亡月分までの年金のうち、未受領分や死亡後に振り込まれた分を請求するものです。死亡後に故人の口座へ振り込まれた年金も、死亡月分までなら未支給年金に含まれます。

確認する順は、請求できる遺族、年金の対象月、死亡届と請求書、添付書類、入金後の税の記録です。故人のマイナンバーが日本年金機構に収録されて死亡届を省略できても、未支給年金の請求は別に必要です。

この記事は日本年金機構の公的年金の手続きを扱います。企業年金・個人年金の死亡時の給付は対象外です。請求者ごとの受給可否は年金事務所等で確認します。

亡くなった後の確認順

まず、故人の年金証書や振込通知書を手元に置き、請求する人と対象月を整理します。通帳の最終入金だけでは、未支給年金の有無は決まりません。

未支給年金の手続きの確認表
時点確認するもの次の作業
死亡が分かったとき死亡当時の続柄・生計同一・先順位者の有無未支給年金を請求できる遺族を確認する
年金の入金記録を集めたとき死亡月と、振込が何月分か死亡月分までの未受領分と死亡後振込分を分ける
請求書を用意するとき死亡届の省略可否と、未支給年金の有無未支給年金があれば、受給できる遺族が兼用の請求書を用意する
添付書類を集めるとき同住所・別住所・事実婚の区分と添付省略の条件自分の請求区分に対応する資料を揃える
請求後・入金後決定通知、入金額、受取人、受け取った年過払いの確認と、受取人の税の記録を行う
未支給年金の確認の流れ死亡当時の請求者を確認し、死亡月分までの年金を照合して、請求書と書類を提出する。請求後は決定通知と入金を照合する。 請求者を確認続柄・生計同一・順位 対象月を照合死亡月分までの年金 請求書と資料を提出死亡届の省略とは別 請求後は決定通知・入金・税の記録を確認
請求者の要件と、死亡月分までの対象月の確認を分けて進めます。

未支給年金を請求できる遺族と順位

JR・JT・NTT・農林共済の共済年金を除き、死亡当時に故人と生計を同じくしていた次の遺族が未支給年金の対象です。請求順位は表の上から順で、受給できる先順位者がいれば後順位者は対象外です。同順位の遺族が複数いるときは代表者が請求します。

未支給年金を受け取れる遺族の順位
順位故人との続柄
最初配偶者(事実婚関係にあった配偶者を含む)
配偶者に続く子
子に続く父母
父母に続く孫
孫に続く祖父母
祖父母に続く兄弟姉妹
最後上記以外の3親等内の親族

法定相続人かどうかだけで、この順位を決めることはできません。請求書では、請求者より先順位で死亡当時に生計を同じくしていた人がいたかを確認します。

共済年金の請求者の範囲・順位は、年金の支払元に確認します。上の表は共済年金の個別要件を示すものではありません。

遺族年金の受給要件は別です。未支給年金を請求できることだけで遺族年金の受給が決まるわけではなく、遺族年金の受給要件で、亡くなった人と遺族それぞれの条件を確認します。

別居でも生計同一を確認する

別住所でも、生計同一が認められる場合があります。未支給年金の対象遺族について、死亡日の住まいと家計の実態を確認します。

次の表は、共済年金を除く未支給年金について、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹又はその他の三親等内の親族の生計同一を、死亡日の状況で確認するものです。住民票上の別住所は、請求者の続柄と生活の実態により確認事項が異なります。

生計同一を確認する住民票と生活の状況
住民票の状況確認する関係
同じ世帯故人と住民票上の同一世帯に属していた
同じ住所・別世帯世帯は別でも、住民票上の住所は同じだった
別住所・日常生活と家計が一体住民票上の住所は異なるが、日常生活を共にし、生活上の家計を一つにしていた
別住所・配偶者または子の援助関係やむを得ない別居で経済的援助と定期的な音信訪問があり、事情解消時に日常生活を共にし家計を一つにする予定だった
別住所・配偶者と子以外の対象親族の援助関係生活費・療養費等について、生活の基盤となる金銭又は現物による経済的援助があった

別住所の請求では、申立書と事実確認書類又は第三者証明で生計同一を確認します。第三者には、故人・請求者の三親等内親族は含まれません。法人・個人商店の証明には、所在地・名称・証明者の役職・氏名・電話番号が必要です。事実確認書類を提出する場合も、申立書への記入は必要です。

援助の資料には、定期的な送金を確認できる通帳等が挙げられています。何を添えるかは、日本年金機構の申立書・証明書類の案内で確認できます。

事実婚の配偶者を除く別住所の未支給年金請求では、配偶者または子が請求するなら様式3、配偶者・子以外なら様式4です。事実婚の配偶者による未支給年金の請求は、同住所でも様式7を使います。

同住所・別世帯の配偶者または子は、兼用請求書の「別世帯の理由書」欄も確認します。住所が同じことを理由に、記入欄の確認まで省くものではありません。

死亡月と振込月を分けて照合する

年金は死亡月分までが対象であり、振り込まれた月が対象月とは限りません。死亡後の入金を全額過払いと決めたり、口座に入ったので未支給年金はないと決めたりせず、年金事務所で内訳を確認します。

以下は、厚生労働省の未支給年金お手続きガイドにある死亡月の例をもとにした確認例です。2026年8月20日に死亡し、8月の定期支払までの分は支払済みで、8月分が未入金としています。遺族の請求要件を満たすものとし、振込日や支給額を確約するものではありません。

死亡月・支払状況・未支給の対象を照合する例
時点・対象月支払状況の仮定確認結果
8月の定期支払6月分・7月分を受取済みこの例では、その分の未受領はない
8月20日に死亡死亡月の年金が未入金8月分が未支給年金の対象
9月分以後死亡月の翌月以後に当たるこの例の未支給年金の対象外
死亡後に故人の口座へ振込があったとき対象月をまだ確認していない死亡月分までの年金か、翌月以後の過払いかを確認する

定期支払の対象月は、練馬区「年金の振込日について」の支払対象月と支払月の表でも確認できます。

実際の未支給額は、故人の年金額や死亡時期、支払状況によって異なります。以前の未受領分があるときは、この例の対象月だけで額を決めないようにします。

未支給年金を請求しても、故人の口座を解約していないと入金される場合があります。口座の解約等は金融機関に相談し、年金の過払い分の有無は年金事務所に確認します。

死亡届と必要書類・添付省略の確認表

未支給年金の請求には、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を使います。死亡の手続きと未支給年金の請求を兼ねた様式です。

故人のマイナンバーが日本年金機構に収録されていると、死亡届は通常省略できますが、未支給年金を受け取るための請求は必要です。受け取れる遺族がいない場合や未払いが発生しない場合は、死亡届の要否を確認します。

事実婚関係の配偶者以外が請求するとき

次は日本年金機構が案内する、事実婚関係の配偶者を除く請求者の添付書類です。戸籍謄本・住民票は、亡くなった日より後に交付されたものを用います。添付省略は、書類ごとに条件を確認します。

主な請求書類と省略条件
確認すること用意する書類省略・提出時の注意
故人の年金故人の年金証書見つからない場合は提出先へ確認する
請求者の個人番号と本人確認マイナンバーカードなど郵送は両面コピー、窓口は原本提示。カード以外は番号確認書類と身元確認書類を組み合わせる
故人と請求者の続柄戸籍謄抄本又は故人が被相続人である法定相続情報一覧図の写し(登記官の認証文付き)。続柄が確認できなければ戸籍謄抄本を追加配偶者又は遺族年金を請求する子は、マイナンバー記入で戸籍謄本の添付を省略できる
請求者側の生計同一請求者の世帯全員の住民票の写し請求者のマイナンバー記入で添付を省略できる
故人側の生計同一故人の住民票の除票故人の個人番号が機構に収録済み、又は請求者の世帯全員の住民票に含まれる場合は不要
請求者の受取口座金融機関名・支店名・口座名義人のフリガナ・預金種別・口座番号が分かる通帳等の写し登録済みの公金受取口座を指定して請求者のマイナンバーを記入、又は請求書に金融機関の証明がある場合は、通帳等の写しは不要

別住所の証明書類と申立書の選び方は、生計同一を確認する節で確認します。住民票の添付省略と、別住所の申立てを取り違えないようにします。

通知カードを使う場合は氏名・住所等が住民票と一致していることが条件です。インターネット専業銀行等で通帳等の写しを添付する場合は、口座番号等を確認できる画面を印刷して提出します。

公金受取口座を利用する場合も、請求書の口座欄への記入は必要です。登録済み口座を指定するチェック欄と、請求者のマイナンバー欄を確認します。貯蓄預金・貯蓄貯金口座は振込先に指定できません。

添付書類は、コピー可と指定されたもの以外は原本を提出します。代理人の手続きでは委任状と代理人の本人確認書類も必要です。故人が年金を未請求だった場合の年金請求書や、故人名義の送金通知書がある場合の提出など、追加書類は請求書の添付書類の案内で確認します。

事実婚関係にあった配偶者が請求するとき

事実婚の配偶者の請求では、故人と請求者の双方の戸籍謄抄本を用意します。戸籍上の配偶者の有無を確認するためです。戸籍謄本・住民票は死亡日より後に交付されたものを用います。

同住所でも、事実婚の配偶者は専用の申立書を使い、婚姻の意思について通常は第三者の証明が必要です。別住所の場合には、事実婚関係と生計同一関係を証明する書類も確認します。

年金証書・番号確認・住民票・口座資料の詳細は、日本年金機構の事実婚配偶者向けの書類表で確認します。法律婚の配偶者向けの戸籍省略条件を、そのまま使わないようにします。

提出方法・時効・請求後の確認

日本年金機構の手続案内では、年金事務所への郵送、予約のうえでの年金事務所等での対面相談、電子申請が案内されています。年金の種類・支払元によって窓口が異なる場合があるため、共済年金や障害・遺族基礎年金のみの場合は提出先を先に確認します。

電子申請では、e-Govの手続検索で「電子申請用送付書(一時金請求及び諸変更届等)」を探し、届書名称から未支給年金の兼用請求書を選びます。請求書をPDF又はJPEGで添付する必要があり、送付書の入力だけでは足りません。

地方公務員共済から基礎年金の代行払いを受けていた人には、加入共済へ出す区分があります。老齢・遺族基礎年金では地方共済のみの加入期間、障害基礎年金では地方共済の加入期間中の初診日などの条件があるため、支払元に確認します。

死亡届の期限と、未支給年金の時効は別

日本年金機構は、未支給年金の時効を受給権者の年金の支払日の翌月の初日から5年と案内しています。記録訂正や認定された事務処理誤り等では、時効を援用しない取扱いもあります。死亡日から一律に数える表ではありません。

期間が過ぎたと考えた場合も自己判断で請求を諦めず、対象の支払日と請求記録を年金事務所で確認します。

死亡届は、未支給年金の時効まで待ってよい手続きではありません。死亡の連絡・届出が遅れると、過払い分を返還する場合があるため、すみやかに死亡届の要否を確認します。

決定通知と入金の内訳を照合する

未支給年金の支給額は、決定通知で確認します。請求書の控え、添付した資料、決定通知、振込の記録を一緒に保管すると、どの対象月分を誰が受け取ったかを照合できます。

故人の口座に死亡後の入金があった場合も、未支給年金の請求とは別に年金事務所へ伝え、過払いがあるか確認します。請求日から入金までの日数を固定して、支出の予定を組むものではありません。

入金後は受け取った遺族の税を確認する

未支給年金の税は、故人の所得ではなく、受け取った遺族の所得として確認します。国税庁の「No.1605 遺族の方に支給される公的年金等」は、公的年金等の未支給年金を受け取った遺族の一時所得の収入金額としています(法令により非課税とされるものを除く)。

老齢基礎年金の未支給年金請求権は、遺族が固有の権利として請求するもので、故人に係る相続税の課税対象にはなりません。国税庁の「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」で確認できます。

ここでいう一時所得の収入金額と、控除後の所得金額、実際の税額は違います。受取額だけで申告要否を決めず、受け取った年にほかの一時所得がないかも確認します。

税の確認へ引き継ぐ記録
記録する項目確認する資料
未支給年金を受け取った人請求書と決定通知
支給された金額と受取時期支給の決定通知と振込記録
受け取った年の他の一時所得業務外の懸賞賞金品などの支払資料(源泉分離課税となるものは除く)
所得計算と申告の要否受取人の他の所得や控除と併せて確認

一時所得の控除・年間合算・申告不要制度は、一時所得の計算と申告の確認にまとめています。年金受給者自身の申告制度は年金受給者の確定申告で分けて確認できます。

この税の説明は公的年金等の未支給年金の一般的な区分です。企業年金・個人年金・死亡保険金の給付に同じ扱いを当てはめず、支払内容を確認します。

よくある質問

マイナンバーが収録されていれば、未支給年金は自動でもらえますか?

自動では受け取れず、未支給年金の請求が必要です。故人のマイナンバーが日本年金機構に収録されている場合に通常省略できるのは死亡届であり、未支給年金を受け取るための請求とは別です。

別居していた子も請求できますか?

共済年金を除く未支給年金では、死亡当時に生計同一で、受給できる先順位者がいない子は請求できます。別住所の子は、日常生活と家計が一体、又はやむを得ない別居で援助・定期的な音信訪問があり、事情解消時に日常生活と家計を共にする予定だったこと等を確認します。同順位の子が複数いる場合は、代表者が請求します。

死亡後に振り込まれた年金は全部返すのですか?

死亡後という振込時期だけで全額返還とは決まりません。未支給年金の対象に含まれる死亡月分までの年金と、死亡翌月分以後の過払いを分けて年金事務所で確認します。

戸籍や住民票を添付しないで請求できますか?

条件によって一部を省略できます。事実婚関係の配偶者を除く請求では、配偶者又は遺族年金を請求する子のマイナンバー記入で戸籍謄本を、請求者のマイナンバー記入で請求者の世帯全員の住民票を省略できます。故人の除票には別の省略条件があり、別住所の生計同一の申立てまで不要になるわけではありません。

未支給年金と遺族年金は同じ請求ですか?

別の給付です。未支給年金は故人の死亡月分までの年金のうち、未受領分や死亡後の振込分を対象とし、遺族年金は亡くなった人の加入状況や遺族の範囲等の条件により受給を確認する別の給付です。

未支給年金なら相続税だけを確認すれば足りますか?

足りません。老齢基礎年金の未支給年金請求権は遺族固有の権利で相続税の課税対象にはなりませんが、支払を受けた遺族の一時所得として、受取年の他の所得と併せた税の確認が必要です。

次に読む

別の給付も確認する:遺族年金 計算機の説明を読む

出典

手続きは日本年金機構の案内、税の区分は国税庁の公表資料を参照しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務・労務相談には応じられません。手続きは年金事務所、個別の税務判断は税務署・税理士にご確認ください。

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