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マイナンバー法とは?事業者の収集・保管・委託・廃棄の確認表

マイナンバー法は、個人番号を使える事務を限定し、収集・利用・保管・提供を制限する法律です。会社の経理では、番号を集める前に利用する法定事務を決めます。保管の根拠がなくなった番号を廃棄するまで管理します。

以下は、民間企業が従業員や個人の支払先の番号を扱うための確認表です。ここでは目的・担当者・保存先・委託・廃棄の管理を扱います。本人確認書類の組合せは通知カードと本人確認の解説をご覧ください。

収集から廃棄までの確認表

番号を使う事務と、その情報を扱う場所を対応させ、収集前から廃棄まで確認します。以下の「残す記録」は社内管理の例で、法定の統一様式ではありません。

事業者の個人番号関係事務の確認工程
段階確認すること残す記録の例
収集前番号を使う法定事務と、具体的な利用目的対象事務・目的の明示文書
受領提供方法に合う本人確認と担当部署への引渡し受領日、確認・引渡しの担当者
保管中利用目的・保存根拠・アクセス権限保存先、取扱担当者、保存根拠
外部委託安全管理措置、契約、再委託、取扱状況確認日、契約、報告書
廃棄事務不要と、所管法令等の保存期間等の経過対象ファイル、方法、完了確認
番号の取扱いは、収集前の目的確認から保管根拠の点検と廃棄まで続く収集前法定事務・目的取扱中担当・保管根拠保管終了廃棄・完了記録
番号の収集だけでなく、保管を終える条件と廃棄記録まで決めておきます。

利用目的を決めてから集める

個人番号を集める前に、どの事務に使うのかが分かる目的を特定します。会社が利用する主な場面は、給与所得の源泉徴収票や支払調書の作成、健康保険・厚生年金保険の届出などの法定事務です。「人事管理のため」という目的では具体的な事務が分かりません。

通常の従業員向け収集では、本人から書面や電子の入力フォームで直接取得する前に、利用目的を明示します。例外は下の注をご覧ください。たとえば、実際に行う給与の源泉徴収票作成事務と社会保険届出事務を収集画面に表示し、その内容を社内で保存する方法が考えられます。

主な例外として、生命・身体・財産の保護のため緊急に必要な場合の事前明示の例外があります。また、取得状況から利用目的が明らかな場合などは、通知等が適用除外となります。通常の従業員向け収集では、事前に目的を明示する運用を決めます。

利用目的の変更は、合理的な関連性のある範囲に限られ、変更後の目的を本人へ通知するか公表します(適用除外はガイドライン第4-6Bd参照)。最初から両方を具体的な利用目的に含めて通知等を行っていれば、この変更は要りません。

個人番号を社員番号や営業成績の管理に流用することはできません。数字をアルファベットへ置き換えるなど一定の法則で変換した番号も、個人番号に該当し得ます。本人が同意しても、一般の社員管理への流用を認める根拠にはなりません。

合併等で取得した番号も、承継前の利用目的に従います。

収集時期と受取窓口を決める

番号の提供を求めるのは、個人番号関係事務の処理に必要な場合です。本人との契約関係等から番号関係事務の発生が予想される場合には、雇用契約の締結時点などで事前に提供を求めることもできます。番号関係事務が明らかに発生しない契約では、提供を求めません。

本人確認は、本人・代理人のどちらから受けるか、対面・郵送・電子のどの方法かに対応した所定の方法で行います。番号を確認することと身元を確認することを混同せず、本人確認の書類と省略条件を確認します。

講師から支払調書用の番号を受け取る窓口と、支払調書を作る部署が別の場合があります。受渡しだけを担当する窓口は、必要な確認後、できるだけ速やかに担当部署へ渡し、手元に番号を残しません。保管担当を兼ねる部署とは役割を分けます。

番号を含む情報の提示を受けただけでは「収集」には当たりません。一方、聞いた番号のメモ、画面からの書き写しや印刷も収集に含まれます。番号法で認められる事務のための収集かを、紙とデータの両方で確認します。

保管は退職日だけで終わらせない

番号の廃棄は、利用する法定事務の必要がなくなり、所管法令等の保存期間等も経過したかで判断します。退職日だけで消したり、退職時の書類一式を期限なく保管したりする運用は避け、書類・データごとに確認します。

保管の判断と確認資料
状態取扱い確認資料の例
雇用契約が継続翌年以降の源泉徴収等の法定事務に必要なら継続保管雇用契約
休職中雇用契約が続く休職は、復職未定でも継続保管できる雇用契約
退職後残る番号関係事務と、書類ごとの法定保存義務を確認保存根拠
事務不要・期間経過番号はできるだけ速やかに復元不能な方法で削除廃棄記録

書類ごとの保存期間や起算日は、それぞれの所管法令・提出先の案内で確認します。扶養控除等申告書の記載・保存は扶養控除等申告書の解説も参照できます。

番号以外の部分を残す必要がある書類は、番号部分を復元できない程度にマスキング又は削除して保管する方法があります。残った情報が個人データに当たり、利用する必要もなくなった場合は、遅滞なく消去するよう努めます。

委託先と再委託を確認する

個人番号関係事務を外部へ委託しても、委託元の監督は必要です。委託先の選定時に、自社が果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるかをあらかじめ確認します。契約後も取扱状況を把握します。

番号関係事務を委託するときの確認例
確認時点確認内容
選定前設備・技術水準・従業者の監督教育など、安全管理措置の状況
契約時秘密保持、目的外利用禁止、必要範囲を超える持出禁止、再委託条件
契約時漏えい時の責任、終了時の返却・廃棄、従業者の監督教育、遵守状況の報告
委託中契約に基づく報告などで取扱状況を確認
終了時返却・廃棄の実施状況を確認

番号関係事務の再委託も、さらに先への再委託も、最初の委託者の許諾が必要です。最初の委託者は、直接の委託先が再委託先を適切に監督しているかを確認するという、間接的な監督も負います。

系列会社でも別法人への番号の移動は「提供」に当たり、番号法上の提供根拠を確認します。同一法人内の移動は「利用」ですが、法定事務・利用目的の範囲等の利用制限に従います。

出向・転籍・再就職等で使用者間の提供が認められるのは、異動先の個人番号関係事務に必要な限度で、異動先決定後に具体的な提供先と情報の範囲を示して本人の同意を得た場合です。単なるグループ内共有とは分けて確認します。

担当者・保存先・廃棄方法を記録する

番号を扱う事務、対象情報、事務取扱担当者を明確にし、取扱方法を定めます。基本方針の策定が重要とされる一方、番号を扱う事務の具体的な取扱規程等は策定する必要があります。

次は国内での取扱いを想定した安全管理措置の確認例です。組織・人・物理・技術の各面で検討します。国外で扱う場合は、その国の個人情報保護制度等も把握した上で、必要かつ適切な措置を講じます。

安全管理措置を点検する際の具体例
確認面点検例
組織責任者、担当者、取扱記録、事故時の報告連絡先
人担当者の監督・教育、異動時の引継ぎ
物理書類の施錠保管、持運び、媒体の盗難防止、廃棄
技術アクセス制御、利用者の識別認証、不正アクセスや送信時の漏えい防止

ガイドラインの中小規模事業者向けの対応方法には、人数だけでなく業種・受託業務・保有情報の規模等の要件があります。上表は、その特例を適用した簡略手順ではありません。

個人番号を廃棄・削除したら、実施記録を保存します。廃棄を外部へ委託した場合は、委託先が確実に処分したことを証明書等で確認します。

番号を書かない社内確認票の例

取扱状況の確認記録には、個人番号や、それを含む特定個人情報を記載しません。次は本記事の社内管理例であり、法定様式ではありません。番号を保管する業務ファイル本体と、その取扱状況を記録する確認票を分けます。

取扱状況の確認票の記入例
項目記入例
対象ファイル給与届出用番号管理ファイル
利用目的給与所得の源泉徴収票作成・社会保険届出
保管・権限専用の保管領域/給与事務担当者と責任者
保存根拠継続する対象事務と、書類別の保存義務を別紙で管理
廃棄確認対象・方法・実施日・確認者・委託先証明書の参照先

たとえば退職者分の番号を点検する際は、残る届出事務と書類別の保存期間を調べてから、廃棄対象を確定します。確認票へ番号を転記して新たな番号一覧を作る必要はありません。

漏えい等の発生や兆候を把握した場合に、担当者から責任者へ伝える連絡体制も決めます。委員会への報告や本人通知は、ガイドライン別添の漏えい等に関する報告等の対象要件に従って判断します。

まとめ

会社の番号管理は、利用する法定事務と目的を決めるところから始まります。担当者・保存先・委託先を明確にし、保管終了の判断と廃棄の完了確認までを、取扱状況の記録でつなぎます。

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よくある質問

本人が同意すれば社員番号として使えますか?

使えません。個人番号の社員管理への流用は、本人の同意があっても認められません。一定の法則で変換した番号も個人番号に該当し得るため、独立した社員番号と分けます。

従業員が退職したらすぐに廃棄しますか?

退職だけでは決めません。個人番号関係事務を処理する必要がなくなり、所管法令等の保存期間等も経過した番号は、できるだけ速やかに復元不可能な手段で廃棄・削除します。

給与事務を委託すれば自社の管理は終わりますか?

終わりません。個人番号関係事務の委託元には、委託先の選定・契約・取扱状況の把握を通じた必要かつ適切な監督が求められます。再委託には最初の委託者の許諾が必要です。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は、個人情報保護委員会の相談窓口や手続の提出先にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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