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職業安定法とは|求人掲載の明示事項・情報更新・応募者情報の確認表

職業安定法は、求人を出す会社に、募集時の労働条件明示、正確な求人情報の表示、応募者の個人情報の適切な取扱いを求める法律です。人材紹介会社だけのルールではなく、自社サイトや求人広告で直接募集する会社にも関係します。

掲載前に確認するのは、広告自体の情報、募集要項の労働条件、掲載後の更新担当です。以下では求人を出す会社の作業に絞り、契約締結時の労働条件通知書と分けて整理します。

求人を出す会社が確認すること

募集の準備から採用まで、情報を渡す相手と時点を分けます。広告の記載を整えることと、応募者に労働条件を明示することは、確認する範囲が異なります。

作業の場面会社が確認する内容用意する資料の例
広告を出す募集主の氏名・名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金を広告自体に示す掲載原稿と、掲載先の一覧
労働者を募集する・求人を申し込む業務、賃金、労働時間などの労働条件の明示募集要項、求人票
掲載を続ける募集情報を正確かつ最新に保つ更新担当と変更履歴
応募者情報を扱う目的・必要な範囲・保管や使用の管理利用目的の案内、閲覧権限の一覧

根拠は職業安定法の労働条件明示、求人情報の的確な表示、個人情報の取扱いです。資料欄は社内管理の例で、法定様式の指定ではありません。

求人掲載から契約前までの情報管理広告・募集要項内容を照合掲載・応募受付更新と情報管理条件を変更応募者へ明示契約締結時の労働条件明示は別に確認
会社の確認作業の流れ。募集時の条件が変わる場合は、契約相手となる応募者への変更明示も必要です。

募集要項へのリンクだけで済ませず、広告自体に募集主や仕事の情報を載せます。厚生労働省の募集広告の表示に関する案内は、次の情報を示しています。

SNSのメッセージで連絡を受ける運用でも、上表の連絡先の記載を省かない形にします。会社サイトの募集要項へ誘導するリンクは、広告自体への情報掲載の代わりにはなりません。

広告の業務内容・就業場所・賃金は、募集主等について誤解を生じさせない記載が必要ですが、募集時の労働条件明示と同じ詳細さとは限りません。労働条件の詳細は次の表で確認します。

募集時に明示する労働条件の参照表

募集要項は、契約期間や業務だけでなく、加入保険・受動喫煙防止措置も確認します。有期契約は、契約期間のほか、更新する場合があるなら更新基準も確認します。

以下は労働者の募集・求人申込みの際に明示する労働条件です。根拠は職業安定法施行規則の労働条件明示と厚生労働省の求人企業向け資料です。条件が試用期間中と終了後で異なる場合は、それぞれを示します。在籍出向先の業務・場所が出向元の変更範囲を超える場合は、その旨も明示します。

項目明示する内容
業務内容雇入れ直後の業務と、契約期間中における業務の変更の範囲
契約期間期間の定めの有無。有期の場合はその期間
試用期間試用期間の有無と、設ける場合の期間
更新する場合がある有期契約更新基準。通算契約期間・更新回数の上限を定める場合は、その上限も含む
就業場所雇入れ直後の場所と、契約期間中における場所の変更の範囲
労働時間・休日始業・終業時刻、時間外労働の有無、休憩時間、休日
賃金賃金額。試用期間中に異なる条件があれば区別
加入保険健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用
募集者雇用しようとする者の氏名・名称
派遣労働者として雇用する場合派遣労働者として雇用する旨
受動喫煙防止措置就業場所で講じる受動喫煙防止の措置

上表の賃金額の明示対象からは、臨時に支払う賃金、賞与など省令で除く賃金が外れます。裁量労働制を採用する場合は、制度とみなし労働時間も示します。固定残業代を採用する場合は、手当を除く基本給、対象時間数と金額、対象時間を超える時間外労働分の割増賃金を追加支給する旨を示します。

変更範囲は募集部門の想定と照合する

たとえば経理担当を募集し、契約期間中に法務の業務へ変わる見込みがあるなら、雇入れ直後を「経理」、変更範囲を「法務の業務」のように分けて記載します。これは厚生労働省資料にある記載例です。

変更範囲は、雇入れ直後だけでなく、締結する労働契約の期間中に見込まれる配置転換などを含みます。

上限を定めていない有期契約に、求人票の空欄を埋めるためだけに更新上限を作ることとは違います。社内で実際に合意した契約条件を、人事・募集部門とそろえてから原稿に反映します。

固定残業代は総額にまとめない

給与担当者は、募集原稿と給与設定で基本給・手当の内訳が食い違わないか確認できます。

募集する賃金を地域別最低賃金と照合する

明示の時期と、掲載後に条件を変える場合

求人申込みの際は、紹介会社に対しても労働条件を明示します。自社サイトでの募集、求人広告、紹介会社への求人申込みも、労働条件を示す場面に含まれます。

広告のスペース不足などやむを得ない場合は、詳細を別途伝える旨を付して一部を後で示すことも可能ですが、面接など応募者と最初に接触する時点までの全条件の明示が原則です。

職業紹介に緊急の必要があり、事前に所定の方法で明示できない場合は、別の方法で明示事項を事前に示していれば、方法の例外が認められます。通常の会社の募集で、広告を短くしたいという事情だけを理由に、契約直前まで説明を先送りする扱いにはしません。

会社の通常の直接募集では、省令の明示事項を、書面交付か、受け取る本人が希望するファクシミリ・出力して書面を作成できる電子メール等で示します。募集原稿を見せる作業と、本人への明示方法の確認を分けておくと、送付漏れを追いやすくなります。

当初の条件から行うこと契約相手となる応募者へ示す内容社内記録の例
変更変更する労働条件変更前後の条件と送付記録
範囲内での特定特定する労働条件幅のある募集条件と決定内容
削除削除する労働条件削除箇所と応募者への案内
追加追加する労働条件追加内容と応募者への案内

労働契約を結ぼうとする応募者については、求人票の幅の中で条件を決める場合も、その特定内容を明示します。契約を結ぼうとする応募者には、変更内容等を速やかに明示し、当初の条件と決定後の条件を見比べられるよう保存する運用にします。

募集時に明示した労働条件の記録は募集終了日まで保存し、募集終了日以降に契約を締結しようとする応募者については契約締結日まで保存します。これは募集時の明示記録の保存の話であり、採用後の労務書類の保存期間を決めるものではありません。

募集情報は正確かつ最新に保つ

募集主には、広告等の募集情報を正確かつ最新の内容に保つ義務があります。虚偽の表示に加え、誤解を生じさせる表示も禁止されています。

実務では、求人原稿の作成者だけでなく、変更を掲載先に反映する担当者まで決めます。掲載日を表示しただけで、その後の条件変更や募集終了を放置してよいわけではありません。

変更のきっかけの例確認する掲載先
残す記録の例
賃金・勤務地・業務が変わった自社サイトと掲載を依頼した求人原稿
変更内容、反映依頼日、反映確認
募集が終了した公開中の募集ページ・広告
停止依頼と表示停止の確認
誤記の連絡を受けた指摘箇所と同じ情報がある原稿
訂正内容と訂正した掲載先

上表は社内管理の例です。求人媒体や紹介事業者に課される情報更新の措置と、自社が募集主として負う義務を混同せず、委託先にも変更を連絡する窓口を設けます。

応募者情報は目的と閲覧範囲を決める

応募者情報は、本人の同意その他正当な事由がある場合を除き、業務の目的を明らかにして必要な範囲で集め、収集目的の範囲内で保管・使用します。本人の同意等があっても、適正管理に必要な措置を講じる義務は残ります。

利用目的は、インターネットの利用など適切な方法で明らかにします。募集時に本人が読める利用目的の案内と、社内の保管場所・閲覧権限が対応しているかを確認します。

社内で整理する事項具体的な確認例
収集目的応募受付・選考・採用連絡など、収集する情報と必要性を対応させる
使用先面接担当者など、目的に沿って閲覧する担当を決める
保管・廃棄保存の必要性を見直す担当と、削除・廃棄の手順を決める
別目的の利用採用時に案内していない目的への転用前に、同意等の根拠を確認する

上表は管理方法の例で、職業安定法だけで個人情報の手続が完結するという意味ではありません。応募書類の保管日数をこの法律の条文から一律に決めず、他の適用法令や利用目的も含めて管理方法を定めます。

求人広告と有料職業紹介の境界

採用サービスは、料金の名目より実際に行う業務を確認します。職業安定法の定義では、求人及び求職の申込みを受け、雇用関係の成立をあっせんすることが職業紹介です。

自社の被用者となるよう応募を呼びかける直接募集とは、役割が違います。有料職業紹介事業を行う者には厚生労働大臣の許可が必要です。

以下は厚生労働省の区分資料による主な確認例です。AIなどによる自動処理でも区分は変わらず、宣伝広告・契約・業務の実態を合わせて判断します。

サービスの実態区分の確認点
情報提供のみで、求人・求職申込みを受けず、雇用成立をあっせんしない職業紹介には該当しない。ただし求職者情報を収集して行う特定募集情報等提供には届出が必要
事業者が求職者の職歴等を基に選んだ求人しか閲覧できない(有害業務・法令違反求人の除外等を除く)職業紹介事業の許可等が必要な行為に該当
給与額に幅のある求人に、事業者が求職者の職歴に応じた採用時の給与見込みを付けて提供する職業紹介事業の許可等が必要な行為に該当
求人者・求職者が検索した際に、閲覧履歴等に応じて求人の表示順だけを変えるこの表示順の変更だけでは、相手に応じた情報の加工には当たらない
全求人を全求職者が閲覧でき、その一部をメールでも送るこの追加配信だけでは、選別した情報のみの提供には当たらない
職業紹介の一部として情報提供を行う募集情報等提供事業ではなく、職業紹介事業の許可で扱う

「広告掲載料」「採用支援費」といった請求書の科目だけでは区分できません。候補者の選定や選考の連絡を誰の判断で行うか、契約書の業務範囲と実際の運用を照合します。

たとえば事業者が求人企業に代わって採用候補者を選定する場合は、厚生労働省資料で職業紹介に当たる例とされています。一方、求人企業と応募者が直接連絡できるメッセージ機能を用意することだけなら、意思疎通の加工には当たりません。

個別サービスの区分は都道府県労働局への確認事項です。無料職業紹介にも別の許可・届出等の制度があるため、「成功報酬を払わないなら手続は不要」とは判断しません。

よくある質問

自社サイトの募集にも職業安定法が関係しますか?

関係します。自社サイトで直接募集する場合も、労働条件の明示と、募集情報の正確かつ最新の表示が必要です。広告自体の情報と、応募者に明示する労働条件を分けて確認します。

求人広告には募集要項のリンクだけ載せればよいですか?

リンクだけでは足りません。募集主の氏名・名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金を広告自体に載せます。労働条件の詳細な明示は、それとは別に確認します。

試用期間中の条件も募集時に示しますか?

示します。試用期間の有無・期間を示し、試用期間中と終了後で賃金や業務などが異なる場合には、それぞれの条件を明示します。

応募者情報は不採用後も自由に使えますか?

自由には使えません。収集目的の範囲内で保管・使用することが必要で、本人の同意その他正当な事由がある場合には例外があります。目的範囲の例外があっても適正管理に必要な措置は求められます。

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出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案についての助言ではありません。具体的な求人表示・募集方法・事業区分は、都道府県労働局、公共職業安定所、社会保険労務士・弁護士などにご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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