就労証明書の書き方|会社向けの欄別記入表と勤務実績・育休・時短の注意点
保育所等の就労証明書は、会社が雇用期間・契約上の勤務時間・就労実績・休業や復職予定を証明する書類です。在職している事実だけを書くのではなく、提出先の案内する様式と記載要領に沿って、会社の記録から該当欄を埋めます。
特に間違えやすいのは、契約に基づく「就労時間」と実際の「就労実績」です。残業や育児短時間勤務の扱いが異なるため、下の比較表で分けて確認できます。
この記事は、保育利用申込みのために会社が被用者の勤務情報を証明する場合を扱います。一般の在職証明を求められた場合は、在職証明書の書き方・もらい方を参照してください。
使う様式と会社への依頼
様式は、提出先の市区町村の案内と、こども家庭庁の標準様式を確認します。こども家庭庁の公式案内から、保育利用の就労証明書の記入用ファイルと記載要領をダウンロードできます。
- 就労証明書の標準様式(Excel):会社が入力する際の様式。
- 標準様式と記載要領(PDF):欄ごとの記入方法や注記の確認用。
会社へ依頼するときは、提出先の様式・記載要領と提出期限を人事・総務などの発行部署へ渡すと、確認のやり取りを減らせます。必要な証明日の範囲や提出方法も、提出先の案内で確認してください。
就労を理由とする認定の証明書類は、子ども・子育て支援法施行規則で原則として標準様式によると定められていますが、公簿等で事実を確認できる場合には市町村が書類を省略させることもあります。
認定を行うのは市町村です。会社は勤務情報を証明する立場であり、この書類を発行したことだけで入所が決まるわけではありません。
記入欄と照合する記録の早見表
標準様式の各欄を、契約・勤怠・休業の記録に分けて確認します。以下は会社担当者の照合用の表です。会社内で使う記録の例であり、市区町村へ提出する添付書類の一覧ではありません。
| 記入欄 | 照合する社内記録の例 |
|---|---|
| 証明日・事業所名・代表者名 | 発行権限の社内ルール、会社情報 |
| 本人氏名・生年月日 | 人事台帳 |
| 雇用(予定)期間等 | 雇用契約書、労働条件通知書、変更合意書 |
| 本人就労先事業所 | 配属先・勤務場所の記録 |
| 雇用の形態 | 雇用契約、人事上の区分 |
| 就労時間 | 雇用契約書、就業規則、勤務体制の定め |
| 就労実績 | 出勤簿、勤怠記録、有給休暇の取得記録 |
| 休業・復職・育児短時間勤務 | 休業申出書、会社の通知、復職・時短の合意記録 |
雇用期間は、無期なら開始日、有期なら期間を記載し、契約変更予定があれば変更前の契約終了日を終期とします。
上部の「所在地」は証明書発行事業所の住所です。本人の勤務先が発行元と異なる場合は、実際の勤務先を本人就労先事業所欄に記載します(複数の場所なら主たる場所、場所がなければ自宅等)。
代表者名欄は、会社が代表者以外に証明権限を付与している場合などには、権限を持ち証明内容に責任を負う人の氏名を記載します。自治体から照会を受ける担当者名・連絡先も確認してください。
雇用形態の注意:会計年度任用職員にも当たる場合は、その区分を選びます。非常勤・臨時職員は、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員、会計年度任用職員のいずれにも当たらない場合の区分です。該当する区分がなければ「その他」に簡潔に記載します。
契約時間・勤務実績の書き分け
残業・休憩・有給休暇の扱いは、次の比較表で確認できます。表の「休憩」は就業規則等で定めたもので、実績がある月の集計では、有給休暇取得日を日数に、残業と休憩を時間に含めます。
| 比較点 | 就労時間欄 | 就労実績欄 |
|---|---|---|
| 残業時間 | 含めない | 含める |
| 休憩時間 | 含める。うち休憩時間も記載する | 含める |
| 有給休暇の取得日 | 実績ではなく契約上の日数を書く | 就労日数に含める |
| 育児短時間勤務を利用中(実績がある月) | 制度利用前の時間を書く | 制度利用後の実際の勤務実績を書く |
給与計算用に休憩を除いた労働時間を集計している会社では、その合計を就労証明書へそのまま転記しないようにします。契約欄・実績欄の区別に加え、様式が含める休憩の範囲を記載要領で確かめます。
標準様式の就労実績は、直近3か月を新しい月から記載します(休業等による実績不足の扱いは次表)。年は西暦で記載し、実績と見込みを混同しないようにします。
| 状況 | 記載する内容 |
|---|---|
| 育児休業等により直近3か月に1か月分の就労実績がない | 産休・育休等取得月を除いた、休業等取得前の就労実績を記載する |
| 新規採用等で就労実績がない | 今後の就労見込みを記載する |
有給休暇の残日数と、実績日数に含める取得日は別の情報です。転記元の記録を整える場合は、出勤簿の記載項目も確認できます。
有給休暇の付与日数・残日数を確認する固定勤務の換算例とシフト勤務
固定勤務では、契約が月・週・年のどの単位で定められているかを先に確認します。標準様式の固定就労の月間時間は、週当たりの契約時間なら所定の週換算、年当たりなら月換算で記載します。暦上の月の日数から実績を作る欄ではありません。
計算例は固定就労の週契約で、就業規則等の休憩を含み残業を除き、育児短時間勤務は制度利用前の契約時間を使う設例です。
| 設例の契約内容 | 標準様式の固定就労・月間欄 |
|---|---|
| 週45時間の設例 | 45時間 × 4週 = 180時間 |
| 週5日勤務の設例 | 5日 × 4週 = 20日 |
標準様式の固定就労欄では、年当たりの契約時間は12で除します。標準様式の固定就労の日数は月契約なら4で除して週、週契約なら4を乗じて月へ換算し、年契約なら12で除して月、48で除して週へ換算します。
固定就労の時間帯欄は、平日・土曜・日祝に分かれています。平日・土曜・日祝のうち、勤務がない時間帯区分は空欄にします。
変則勤務は実績の平均を書かない
日々の就労時間が定められていない人は、標準様式の「変則就労の場合」の欄を使います。合計時間は月間か週間を選び、残業を除いて就業規則等の休憩を含め、育児時短を利用中でも制度利用前の契約時間と、同じ期間の所定休憩の合計時間を記載します。
標準様式の変則就労で契約上の日当たり時間が定められている場合は5日を乗じて週間時間を記載し、週間時間は4倍で月の時間とみなします。標準様式の変則就労で年契約の日数は12で除して月間、48で除して週間とします。
主なシフトは勤務回数の多い時間帯を記載します。コアタイムの定めがない場合も、想定される標準的な時間帯を記載します。シフト勤務で保育の必要性認定に必要な場合には、市区町村からシフト表等の追加提出を求められることがあります。
標準様式の時間帯は24時間表記で、日をまたぐ場合は0時~29時の幅で記載します。記載要領の例では、夜間の22時から翌朝5時までの就労を「22時00分~29時00分」と表します。
休業・復職予定・育児時短の記入
休業の終了予定、復職予定、育児短時間勤務の時間帯を別々に確認します。会社の休業・復職・時短の記録を並べ、証明日時点の状況と今後の予定を区別して記載します。
次表は標準様式の休業等の記載欄です。休業には法令上のものに加え、会社独自の就業規則等に基づく休業も含みます。休業の終期が未確定でも終了予定日を記載します。
| 欄 | 確認して書くこと |
|---|---|
| 産前・産後休業 | 取得予定・取得中から選び、期間を記載する |
| 育児休業 | 取得予定・取得中・取得済みから選び、期間を記載する。取得済みは実績の期間を書く |
| 産休・育休以外の休業 | 取得状態、介護休業・病休等の理由、期間を記載する。取得済みは実績を書く |
| 復職予定 | 発行事業所で取得中・取得予定の育児休業等を終えて復職する予定日を書く |
| 復職済み | 標準様式では、直近1年以内に、発行事業所で取得した育児休業等から復職済みの場合、実際の復職日を書く |
| 育児のための短時間勤務 | 利用予定・利用中を選び、期間と利用後の主な時間帯を書く |
育休や産休・育休以外の休業が複数ある場合は、証明日の状況に最も近いものを該当欄に記載し、その他は備考欄に記載します。
育児短時間勤務の利用予定・利用中の場合、就労時間欄は制度利用前、短時間勤務欄は制度利用後の時間帯です。各欄の時間を同じ値にそろえる必要はありません。
追加の欄では、有期契約の満了後の更新の有無、育休延長の可否なども確認します。入所内定時の育休短縮可否は、休業終了予定より早く入所が内定した場合に、育休を短縮して入所内定日から復職できるかを記載します。
単身赴任期間は予定を含めて記載し、終期未定なら終期欄を空欄にできます。休業の終了予定日の扱いとは異なります。
発行前の確認と訂正
記入後は、契約・実績・予定を取り違えていないか確認してから発行します。次は会社側で確認する際のチェック例です。
- 発行事業所と本人の就労先が異なる場合に、所在地を取り違えていないか。
- 契約上の時間と実績の時間で、残業・休憩・育児時短の扱いを確認したか。
- 実績の対象月と、休業等で実績がない場合の参照期間を確認したか。
- 休業・復職・時短の記載が、会社の承認内容や予定と合っているか。
- 証明日・責任者・照会先を記載し、保護者記載欄と会社が証明する内容を分けたか。
就労時間欄の時間帯を超える拘束がある場合は、備考欄にその内容を記載します。育休や産休・育休以外の休業の追加実績、その他の特記事項も備考欄で補います。
標準様式には、就労先事業者等に無断で内容を作成・改変すると刑法上の罪に問われる場合があるとの注意があります。受領後に誤りを見つけたときは、保護者が会社の承認なく書き換えず、発行部署へ訂正を依頼します。
よくある質問
就労証明書は誰が書きますか?
会社に勤務する人の勤務内容は、勤務先の発行部署へ証明を依頼します。児童名などの保護者記載欄と、会社が証明する内容を分けて扱い、会社に無断で作成・改変しません。
有給休暇や残業は就労実績に含めますか?
標準様式の就労実績では、有給休暇の取得日を就労日数に含め、残業と就業規則等で定めた休憩を就労時間に含めます。契約に基づく就労時間欄では残業を除くため、欄を分けて集計します。
育児短時間勤務中は短い時間を書きますか?
欄によって異なります。標準様式の就労時間欄は制度利用前、育児短時間勤務欄は利用後の時間帯を記載します。就労実績欄の扱いは本文の比較表で確認できます。
入社したばかりで実績がない場合はどうしますか?
標準様式の記載要領では、新規採用等で就労実績がない場合は今後の就労見込みを記載します。育児休業等により直近3か月に1か月分の就労実績がない場合は、産休・育休等取得月を除いた休業前の実績を記載します。
出典
こども家庭庁掲載の標準様式・記載要領を2026年10月26日に確認。提出先の案内とあわせて確認してください。
- こども家庭庁「就労証明書(標準的な様式)」・記載要領
- こども家庭庁「就労証明書(標準的な様式)」記入用Excel
- こども家庭庁「就労証明書」に関する情報
- e-Gov法令検索「子ども・子育て支援法」第20条
- e-Gov法令検索「子ども・子育て支援法施行規則」第2条・様式第一号
この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務・労務相談には応じられません。実際の手続きは提出先・勤務先に、個別の労務上の判断は労働基準監督署・社会保険労務士などに確認してください。