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税金を滞納したら|国税の督促・差押えと猶予申請の確認表

申告済みの国税を納められないときは、所轄税務署の徴収担当へ早めに相談し、猶予の要件と必要書類を確認します。申告が済んでいても、納付の遅れには延滞税や差押えの問題が残ります。

電話で相談したことや、分割払いを申し出たことだけで、法定の猶予許可を受けたことにはなりません。まず税目・期別・未納額と資金の見通しを揃え、申請から許可通知の確認まで進めます。

この記事は、申告済みの国税を一時に納付できない場合が対象です。無申告の対処は確定申告しないとどうなるかで扱います。会社が従業員の給与差押通知を受けた場合は、給与差押えの会社側の対応をご覧ください。

届いている書類と未納の税金を確認する

相談の最初に必要なのは、払えない税金と現在の手続段階を特定することです。申告書の控え、納付履歴、届いた通知を同じ税目・期別で突き合わせます。

申告済み国税の納付が難しいときの確認表
現在の状況確認すること
納期限前納付できない理由と現在・今後の資金を整理し、徴収担当へ相談
納期限を過ぎた申告税額から既納付額を確認し、未納の本税と延滞税を分ける
督促状が届いた税目・期別・金額・発付日と既納付の記録を確認
差押通知が届いた対象財産と徴収担当を確認し、事業・生活への影響と猶予の可否を相談する
猶予許可通知が届いた許可された税額・期間・分割納付日・各回金額を記録する

書類の宛名が法人なのか個人なのかも確認します。経理担当が会社の税金を整理する場合は、会社の預金と代表者個人の資金を混ぜず、納税者ごとに資料を揃えます。

督促から差押え・換価までの流れ

通常の国税の滞納では、督促を経て財産の差押えへ進みます。差押財産を売却するのが「換価」です。預金などの債権では、売却ではなく取立てによって徴収する経路があります。

通常の国税滞納の流れと相談の位置 納期限を経過督促財産調査・差押え財産の売却 / 債権の取立て配当・国税への充当
通常の流れ。納付が難しいと分かった段階で徴収担当へ相談し、申請の準備を進めます。

通常の督促を受けた本人の国税では、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないと、差押えの要件に該当します。主な例外は下の注をご覧ください。届いた日から数える規定でも、差押実施日を予約する規定でもありません。

主な例外:納期限後、督促を受けた滞納者に繰上請求の事由が生じた場合は、上の期間が過ぎる前に差押えができることがあります。督促を要しない国税もあり、第二次納税義務者・保証人では「督促状」を「納付催告書」と読み替えます。根拠は国税徴収法47条です。

督促後に別の催告が来るまで待つ、売却が始まるまでは預金が動く、といった前提で資金繰りを組まないようにします。差押通知がある場合は、その財産の種類と手続の進行を担当者に確認します。

換価の猶予と納税の猶予を分ける

一括納付で事業・生活が困難になる場合は換価の猶予、災害など特定の事実による納付困難は納税の猶予を確認します。どちらも要件の審査があり、分割納付を希望すればそのまま許可される制度ではありません。

主な申請猶予の比較
確認項目換価の猶予納税の猶予
納付が難しい理由一時納付により事業の継続・生活の維持が困難になるおそれ災害・盗難、事業の休廃業、著しい事業損失などの事実に基づく納付困難
納税の意思誠実な納税意思が認められること申請事情・資料を審査。不誠実な申請等は認められないことがある

納税の猶予の主な事由は、財産の災害・盗難、本人又は生計を一にする親族の病気・負傷、事業の廃止・休止、事業の著しい損失、これらに類する事実です。赤字や売上減少があるだけで許可が決まるわけではありません。その事実で納付できない事情を説明します。

納税の猶予には事由ごとの区分があり、要件と申請時期が異なります。ここで扱う災害・病気等の区分以外は、国税通則法46条を徴収担当に確認します。ほかの国税の滞納の扱いは、下の段落で確認します。

申請による換価の猶予では、ほかの国税の滞納状況も審査されます。猶予の申請中・適用中の国税には除外の規定があるため、国税徴収法151条の2の区分を徴収担当に確認します。納税の猶予は、ほかの国税の滞納があるだけで対象外にはなりません。

申請期限と猶予期間

申請による国税の換価の猶予は、延納・物納の許可取消しを除き、原則として納期限から6か月以内に申請します(休日の繰越し・災害等の期限延長は下の注)。

期限が土日祝・年末年始なら翌開庁日です。災害等で申請できなければ延長を確認します。延納・物納の許可取消しでは、その取消書面が発せられた日を起点に確認します。

国税通則法46条2項の納税の猶予は、該当事実で納付困難となったときに申請します。換価の猶予の申請期限を過ぎた場合も、職権による換価の猶予など別の制度を検討できる場合があります。

申請による換価の猶予と、国税通則法46条2項の納税の猶予は、財産・収支に応じた最も早い完納時期を基に、当初1年以内の期間が定められます。期間内の完納が難しい場合は、終了前に延長の要件と手続を徴収担当に確認します。

納税の猶予の期間内は、その猶予をした国税について新たな差押え等が制限されます。換価の猶予では、事業継続・生活維持を困難にする財産について、必要があると認められるときに差押えを猶予・解除できる扱いです。既にある差押えが自動的に解除されると考えず、対象財産の扱いを確認します。

申請書と添付資料の準備

申請の様式は「換価の猶予申請書」と「納税の猶予申請書」です。財産・収支の基本資料は、猶予を受けようとする金額で分かれます。月々の支払希望額で書類を選ぶわけではありません。

国税の猶予申請に添える基本書類は、次のとおりです。

国税猶予の申請額別の添付資料
猶予を受ける金額基本の財産・収支資料
100万円以下財産収支状況書
100万円を超える財産目録と収支の明細書

ほかに、担保が必要な場合の担保資料を確認します。災害・病気等の納税の猶予では、事実の証明資料も確認します。添付省略の例外は下の注をご覧ください。源泉徴収等の国税で納税告知前の申請をする場合や、登録免許税の申請には追加資料もあります。

国税の猶予では、猶予を受ける金額が100万円以下、猶予期間が3か月以内、又は担保を提供できない特別の事情がある場合は、担保の提供が不要です。担保不要と添付資料不要は別なので、財産・収支の資料は上の区分で確認します。

一定の災害等で添付書類の提出が困難と認められる場合や、地方税・社会保険料等の猶予申請書の写しを利用できる場合には、添付・記載の省略が可能なことがあります。省略できる書類を徴収担当に確認します。

様式と記載例は、換価の猶予の申請手続、災害・盗難等による納税の猶予の申請手続から辿れます。

相談前に資金の事実を一枚にまとめる

預金残高だけでは、納付可能額は判断できません。国税庁「納税の猶予制度FAQ」は、手元資金から当面の資金繰りに必要な額を差し引いて考えるとしています。

次は架空法人が国税の納付相談をするための整理例です。記録時点の未納本税・現預金と、今後の支払予定・入金見込みを別々に記載します。猶予の許可額を算定する例ではありません。

架空法人の国税納付相談に持参する整理例
整理する項目金額裏付ける資料
申告済み国税の未納本税120万円申告控え・納付履歴。税目・期別・納期限を併記
記録時点の現預金90万円通帳・残高明細・現金出納帳
事業継続に必要な支払予定70万円給与・仕入等の支払予定日と請求書
売掛金の入金見込み50万円回収予定日・請求書・入金確度を確認した記録

この架空法人の現預金から上記の支払予定だけを引いた残額は20万円です。ただし、それがそのまま税務署の認定する納付可能額になるわけではありません。支払の必要性・時期と、入金見込みも含めて説明します。

事業の運転資金では、一般に事業継続のため1か月以内に支出予定の額を除いて考えます。それより先の支出でも、当面の事業継続のため決まっている場合等は加算できます。給付金・緊急融資も手元資金に含め、事業継続等のために支出先が決まっている分は必要支出へ反映します。

延滞税と地方税の相談先

期限内申告済みの国税の本税を法定納期限までに完納しない場合、通常は翌日から納付日までの日数に応じて延滞税がかかります。主な例外は下の注をご覧ください。督促状の到着後から計算が始まるわけではありません。

次は令和8年中の期間に適用する国税の延滞税率です。期限内申告済みの通常の本税の未納で、猶予等による免除・計算期間の特例がない場合を示します。

令和8年中の期間に対応する国税の延滞税率
本税が未納の期間年率
法定納期限の翌日から、同期限の翌日から2か月を経過する日まで2.8%
法定納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日から納付日まで9.1%

主な例外:猶予等で延滞税が免除・軽減される場合や、修正申告・更正等で一定期間を計算から除く場合があります。年をまたぐ遅延は各年の率を使い、上表の率を翌年へそのまま使いません。端数処理・少額不徴収もあるため、日数だけで納付額を決めず国税庁No.9205「延滞税について」を確認します。

換価の猶予では、納期限の翌日から申請日の前日までの延滞税は軽減されません。猶予が許可された場合の軽減・免除は許可日によらず申請日からの扱いなので、申請を遅らせると負担が変わります。

住民税・固定資産税・事業税などの地方税は、通知を出した自治体の納税担当へ相談します。国税の猶予許可が地方税にもそのまま適用されるわけではありません。地方税の徴収猶予・換価の猶予、申請期限、添付資料と延滞金は自治体の制度を別に確認します。

提出から許可後の分割納付まで

国税の猶予申請は、e-Tax又は書面の持参・郵送で行えます。申請書の控えと提出記録を残し、照会や不備の訂正依頼が来たら、指定された内容・期限を確認して対応します。

  1. 提出先を確認:徴収を担当する税務署又は国税局に、税目・期別と申請する猶予の区分を確認します。
  2. 資料を揃えて提出:申請書を提出し、財産・収支・証明・担保資料は、添付省略の可否を確認した上で必要なものを添えます。
  3. 結果通知を確認:許可された税額・猶予期間・根拠法令を読み、申請内容と違う点を確認します。
  4. 分割納付を管理:通知書の分割納付日・各回金額に従い、納付記録と残額を管理します。

任意に少額を納め続けることと、許可通知に従うことは異なります。分割納付が難しくなったときは徴収担当へ相談し、計画の変更・延長等を確認します。無断で納付日・金額を変えず、新たに納期限が来る税金も資金繰り表に入れます。

相談から許可後までの確認

未納の税目・期別と資金の事実を揃え、徴収担当へ相談します。申請期限と必要資料を確かめて提出し、許可後は通知書の分割納付日・金額を管理します。

国税の延滞税を計算する

計算機は猶予による免除・軽減、計算期間の特例、途中の一部納付を反映しません。これらに該当する場合の納付額は徴収担当に確認します。

よくある質問

電話で分割払いを相談したら、差押えは止まりますか?

相談しただけで法定の猶予許可を受けたことにはなりません。申請の要否と審査状況を確かめ、許可された税額・期間・差押財産の扱いを通知書や徴収担当への確認で把握します。

担保にできる財産がなくても相談できますか?

相談できます。担保を提供できない特別の事情がある場合には、担保不要で猶予を受けられる制度があります。猶予そのものの要件と、財産・収支資料の提出は別に確認します。

ほかの国税にも滞納があると、どの猶予も使えませんか?

どの猶予も対象外になるわけではありません。申請による換価の猶予では他の国税の滞納が問題になりますが、一定の申請中・猶予中の国税は除かれます。納税の猶予は別の要件なので、他の滞納分の明細も提示して確認します。

申告もしていない場合は、この手順で足りますか?

納付相談に加えて、申告義務と未提出の年分の確認が必要です。無申告加算税と延滞税は別の問題なので、未申告の場合の対処を参照し、申告の準備と納付の相談を進めます。

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出典

本記事は一般的な情報提供です。個別の税務相談には応じられません。実際の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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