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贈与税の申告:現金・株式の記録と暦年課税・精算課税の提出書類

贈与税の申告は、もらった人が贈与日と財産の価額を整理し、課税方式に合う申告書・添付書類を提出する手続きです。現金なら振込などの受渡記録、株式なら移管記録と評価資料をそろえるところから始めます。

このページは、日本に住所のある個人が、個人から受けた現金・国内上場株式の通常の贈与について、資料から提出までを確認する作業表です。税額の試算は贈与税 計算機へ。非上場株式、海外資産、負担付贈与、住宅・事業承継の特例、受贈者が申告前に亡くなった場合は扱いません。

申告準備の順番と期限

先に財産と贈与者を整理すると、必要な用紙を選びやすくなります。以下は準備用の作業表で、各欄の資料を一律に添付するという意味ではありません。

贈与の記録から提出へ進む作業表
段階確認するもの次の作業へ渡すもの
贈与の特定誰から、何を、いつ取得したか贈与者別の財産メモ
価額の整理現金の受渡額、株式の銘柄・株数・評価資料贈与で取得した財産の価額
課税方式の確認過去の選択届出書と申告書の控え暦年課税分と精算課税分の区分
用紙と添付申告年分の様式、戸籍等・本人確認書類申告書と必要な添付書類
提出と納付送信結果・送付先・納付方法申告書控え、提出記録、納付記録

通常の贈与税申告は、受贈者が贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行い、納税も同期限です(土日祝等に当たる期限は翌開庁日)。災害などによる期限延長がある場合は別扱いです。

提出先は、通常、受贈者の住所地を所轄する税務署です。親から子への贈与なら、確認するのは子の納税地です。提出時期と提出先の入口は国税庁「贈与税の申告手続」にあります。

現金・株式の記録贈与日・財産の価額課税方式別の様式申告書・添付書類提出・納付両方の記録を保存
財産の記録、提出用の書類、手続き後の控えを分けると、何が未準備かを確認できます。

現金・株式の記録をそろえる

受け取った財産ごとに、贈与者・取得日・内容・価額・確認資料を対応させます。以下は、資料を探すときの例です。

手元にそろえる原始資料と確認する欄
財産記録の例照合する点
振込で受けた現金贈与の合意が分かる書面、出金・入金明細贈与者、受取人、今回の贈与額、受渡日
手渡しの現金受渡額・受渡日・当事者を記した記録口座へ入れた日と手渡しの日を分ける
国内上場株式贈与の合意、移管完了記録、銘柄・株数の明細、株価資料移した株数、取得時期、評価に使う株価

口座全体の残高と、今回贈与された財産の価額は別です。現金なら受渡額、株式なら贈与で取得した株式の価額を整理します。株式を買ったときの代金を、そのまま贈与税の評価額に使うわけではありません。

振込日・移管日だけで取得日を決めない

停止条件のない現金・株式の贈与では、口頭による贈与の取得時期は履行があった時、書面による贈与は契約の効力が発生した時です。停止条件付贈与なら、その条件が成就した時になります。

年末の契約と年明けの送金のように日がずれる場合は、合意の内容と実際の受渡しを並べて確認します。詳しくは贈与契約書と取得時期、根拠は国税庁No.4402の質疑応答「贈与を受ける財産の取得の時期」を参照してください。

上場株式は移管記録と評価資料を組にする

最終価格があり権利落等のない国内上場株式の通常の無償贈与では、取得日の終値と、取得月・前月・前々月の終値の月平均額を比較し、最も低い価額で評価します。

負担付贈与や対価を伴う取引、上の条件から外れる株式には、この比較をそのまま使えません。国税庁No.4632「上場株式の評価」の別の取扱いを確認する必要があります。

資料には銘柄・株数と、採用した株価の対象日・対象月・出所を残します。移管後の現在残高だけでは、贈与で取得した株数や評価の根拠を説明できないことがあります。評価に当たって作成した評価明細書は、贈与税の申告書に添付します。

課税方式と提出する様式の対応表

申告する年分の用紙を使います。国税庁の申告手続きの様式案内は、確認時点で令和7年分を掲載しています。令和8年分の申告準備では、提出前に該当年分の案内を確認してください。

次は公表済みの令和7年分様式を使った対応例です。申告が必要な場合の用紙を示し、初回の選択届出のみを出す場合は別に扱います。贈与者が贈与年中に亡くなった場合や、住宅取得等資金の特例は対象外です。

申告内容と基本となる様式
申告内容使用する申告書追加の確認
暦年課税のみ第一表特例税率の証明書類の要否
相続時精算課税のみ第一表と第二表第二表は特定贈与者ごと。初回は選択届出書も確認
暦年課税と精算課税の両方第一表と第二表暦年課税分と、特定贈与者ごとの精算課税分を区別

元の対応表は国税庁「贈与税の申告等」に掲載されています。

税額が出ない場合も、届出・申告を分けて確認

暦年課税では、受贈者の課税対象財産の年間合計が110万円以下なら、贈与税の申告は不要です。申告を要件とする特例を使う場合の判定とは分けてください。

相続時精算課税も、令和6年以後の贈与では、精算課税の課税対象財産の年間合計が基礎控除以下なら贈与税の申告は不要です。ただし、初めて選択する年は、贈与者ごとに選択届出書と必要な添付書類を申告期間内に提出します。

相続時精算課税の特別控除は、特定贈与者ごとに累計2,500万円から既利用額を引いた残額が限度で、期限内申告が要件です。

令和6年以後の贈与では、精算課税の基礎控除は、同年に複数の特定贈与者から受けた場合に課税価格であん分します。過去の贈与では適用年の違いにも注意が必要です。計算と手続きの根拠は国税庁No.4402「贈与税がかかる場合」を参照してください。

暦年課税の贈与税額を計算する

戸籍・本人確認・評価明細書

添付するものは、使う制度と提出方法で変わります。以下では、戸籍等・本人確認書類・評価明細書の取扱いを確認します。

精算課税の戸籍等は作成日も確認

贈与者の直系卑属である推定相続人又は孫が初めて精算課税を選ぶときは、贈与日以後に作成された戸籍等で氏名・生年月日・続柄を証し、選択届出書に添付します。

初めて精算課税を選ぶ年は、申告書を出すなら選択届出書と必要書類を添付し、出さないなら届出書と必要書類を単独で提出します。初回の選択届出書だけを書面で提出する場合も、マイナンバーを記載し、本人確認書類を提示するか写しを添付します。事業承継の特例などは書類が異なります。国税庁No.4304「相続時精算課税選択届出書に添付する書類」で確認できます。

特例税率の証明は過去の提出状況も確認

次表は、暦年課税で特例税率を使う人が、贈与者ごとに証明書類の要否を確認する表です。基礎控除後の課税価格は一般贈与財産も合算し、配偶者控除を適用する場合は、その控除も差し引いた額で判定します。

特例税率用の証明書類の添付
提出状況・課税価格取扱い
過去に同じ贈与者分の特例税率用の証明書類を提出済み再添付せず、第一表に提出年分と税務署名を記入
未提出で、基礎控除後の課税価格が300万円超氏名・生年月日・贈与者との直系の続柄を証する戸籍等を提出
未提出で、基礎控除後の課税価格が300万円以下この特例税率用の証明書類の添付は不要

提出書類と過去の提出状況の記入方法は、国税庁「贈与税の申告等」で確認できます。

本人確認は書面提出と電子申告で異なる

書面で贈与税の申告書を提出する場合は、マイナンバーを記載し、本人確認書類を提示するか、写しを添付します。マイナンバーカードの写しなら表面と裏面が必要です。

カードがない場合は、番号確認書類と身元確認書類を組み合わせます。使える書類と写しの取扱いは、国税庁申告のしかたの本人確認書類の案内にあります。

e-Taxで贈与税の申告書を送信する場合は、本人確認書類を別途送付する必要はありません。ただし、戸籍等の制度ごとの添付書類まで不要になるという意味ではありません。

提出・控えの保存・納付

提出方法に合わせて送付先と提出記録を確認し、納付手続きを別に行います。

提出方法ごとの確認点
方法提出時に確認手元に保存する記録の例
e-Tax送信申告年分・税目・送信結果・添付書類の提出状況申告書データ、受信通知等
郵便又は信書便通信日付印が提出日。センター化対象署は業務センターへ郵送提出した書類の写し、送付日と送付先の記録
持参受贈者の所轄税務署へ。業務センターには直接持参しない申告書控え、提出日・提出先の記録

税務署の時間外収受箱へ投函する方法もあります。書面の提出では、申告書等の控えへの収受日付印は令和7年1月から押されていません。控えと提出年月日は、自分で保存・管理します。

収受印の廃止後、希望者への日付・税務署名等を記載したリーフレットの交付という当分の対応も案内されています。提出方法や控えの扱いは国税庁申告のしかたの提出方法の案内を参照してください。

送信・郵送が終わっても、納付を確認する

贈与税の申告と納付は別の手続きです。申告書を出しただけで納付が完了したとは扱わず、選んだ方法で納付した記録を残します。

贈与税には振替納税の制度がありません。e-Taxから口座引落しの手続きを行うダイレクト納付は利用できますが、利用届出や納付操作が別途必要です。納付方法は国税庁No.4429「贈与税の申告と納税」で確認できます。

期限を過ぎた申告、申告内容の訂正、延納・期限延長が必要な場合は、この作業表の通常手続きとは別に、所轄税務署で適用条件を確認してください。

提出前には、贈与者別の財産メモと申告書の価額を照合し、必要な添付書類を確認します。提出後は、申告書控え・提出記録・納付記録をそろえて保管すると、翌年以後の確認にも使えます。

よくある質問

贈与税は、あげた人ともらった人のどちらが申告しますか?

贈与税の申告をするのは、財産をもらった人です。通常は、その人の住所地を所轄する税務署へ提出します。

相続時精算課税で税額が出なければ、何も提出しなくてよいですか?

税額だけでは決まりません。相続時精算課税を初めて選ぶ年は選択届出書と添付書類が必要です。特別控除を受けて税額が出ない場合も、控除のための期限内申告が必要です。

通帳や契約書の写しは、全部添付するのですか?

この記事の準備用リストは、一律の添付義務を示したものではありません。使う制度の添付書類を確認し、財産の評価に当たって作成した評価明細書は申告書に添付します。記録は金額や贈与日を説明できるよう手元にも残します。

株式は、証券口座の現在の残高をそのまま書けばよいですか?

現在の口座全体の残高を、そのまま贈与財産の価額にするわけではありません。贈与で取得した銘柄・株数・取得時期を特定し、その株式の評価を行います。通常の国内上場株式でも、権利落等や最終価格のない日には取扱いの確認が必要です。

パソコンで申告書を作れば、本人確認書類の写しは不要ですか?

e-Taxで贈与税の申告書を送信する場合は、本人確認書類の別送は不要です。パソコンで作っても、印刷して書面で提出する場合は、本人確認書類の提示又は写しの添付を確認します。

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出典

国税庁の申告手続きと、公表済みの手引き・タックスアンサーを参照しています。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。贈与の成立・評価・制度の適用は個別の事情によって異なります。判断に迷う場合は、所轄税務署または税理士にご確認ください。

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