税金・経理・補助金ツールズ

勤労学生控除シミュレーター

勤労学生控除の対象かと、住民税の軽減額を確認できます。学校・勤労所得・所得上限の要件をすべて満たすことが必要です。住民税の軽減額は、下の計算例で確認できます。所得税の効き目は、基礎控除との関係も確認してください。学校の種類とバイト年収を入れると、対象になるかと安くなる額を計算します(換算の前提)。

読み込み中…

読み込み中…

フリーランス・業務委託・原稿料など、自分の働きで得た事業所得・雑所得(経費を引いた後)。なければ空欄 合計所得に含める配当・不動産所得・仮想通貨の売却益など。合計10万円超なら対象外です。非課税の所得や申告不要を選択した一定の配当等は含めません 国民年金・国民健康保険など。親の扶養に入っていて本人負担がなければ空欄でOK。学生納付特例で猶予中の分は「払った」に入りません

年収への換算は、収入が給与だけで特定支出控除の適用がない場合の額です(この計算機の前提)。

勤労学生控除は、法定の学校・勤労所得・所得上限の要件をすべて満たす居住者が受けられる所得控除です。要点は次の4つです。

上の計算機は、この「本当の効き目」まで含めて計算します。以下では要件・改正・親の扶養との関係を条文にもとづいて解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。

使い方と前提

バイトの年収(額面)をそのまま入れてください。バイトをかけもちしている人は全部の合計を入れてください。フリーランスなどの事業所得・雑所得は、収入から必要経費を引いた所得を入れます。配当などは、それぞれの所得区分で計算した所得を入れてください。

この計算機の前提

給与の年収を所得に換算します。次の表は令和8年分・特定支出控除なしの場合です。

給与の年収給与所得
74万1,000円未満0円(負の額にはせず、他の所得から引きません)
74万1,000円以上219万1,000円未満年収から74万円を引いた額
219万1,000円以上220万円未満収入帯別の定額所得
220万円以上別の表・算式で計算
本ツールの結果は目安です。均等割の額など自治体によって少し変わるほか、株式の譲渡益など分離課税の所得は扱いません。申告の前に税務署・学校の窓口・税理士でご確認ください。

勤労学生控除の3つの要件

所得税の勤労学生控除の対象は、その年の12月31日の現況で次の3要件を満たす居住者本人です(本人の死亡時や出国して非居住者となる時はその時点)。要件の根拠は所得税法2条1項32号です。

要件内容つまずきやすい点
① 法定学校等の児童・生徒・学生・訓練生であること下の表の3区分のどれかに当てはまること専修学校・各種学校は課程の要件がある(下の表)
② 働いて得た所得があること自分の勤労にもとづく給与所得・事業所得・退職所得・雑所得(給与所得等)があること奨学金・仕送り・配当だけの人は対象外
③ 所得が少ないこと令和8年分以後、合計所得金額89万円以下、かつ働きによらない所得(給与所得等以外)が10万円以下合計所得と、働きによらない所得の両方を確認

年収への換算の前提と、合計所得に含めない所得(NISAの配当など)は、この計算機の前提にまとめました。

「学校」の範囲は、条文が次の3区分を列挙しています。

区分あてはまる学校条件
イ 学校教育法1条の学校大学・大学院・短大・高等専門学校・高校・中学校など(通信制・定時制・放送大学を含む)無条件で対象
ロ 専修学校・各種学校専門学校・看護学校・調理師学校など(国・地方公共団体・学校法人などが設置したもの)課程の要件あり: 職業に必要な技術を教える・修業期間1年以上など(施行令11条の3)。満たすかどうかは学校が発行する証明書で確認できます
ハ 認定職業訓練職業訓練法人が行う認定職業訓練(職業能力開発促進法)を受ける訓練生ロと同様の課程の要件あり

ロの専修学校・各種学校は、国・地方公共団体・学校法人等の法定の設置者(又は文部科学大臣の基準を満たす学校を設置する者)が設置したものに限ります。

ロ・ハの人が申告するときは証明書が要ります(申告のしかた)。

学生かどうかはいつ判定する?

卒業した人は、年末に対象の学校等の児童・生徒・学生・訓練生でなければ、その年の勤労学生控除は受けられません(判定時点の例外は要件の節)。

所得税と基礎控除の関係

所得税は勤労学生控除がなくても0円になります(令和8年分の勤労学生の要件を満たす居住者・総合課税の所得のみ)。

基礎控除104万円は、令和8・9年分の居住者で合計所得489万円以下の人に、令和8年12月1日以後の計算で使う額です。

令和8年11月30日以前に行う計算には改正前の額を用います(合計所得132万円以下の居住者の基礎控除は95万円)。

バイト年収と「壁」の位置関係(令和8年分) 100万円 190万円 119万円 超えると住民税がかかる 143万円 控除があれば所得割0円はここまで 163万円 控除上限※ 178万円 178万円以下は課税所得0円 勤労学生控除が効く帯(住民税) ※ 令和8・9年分(令和8年12月1日以後の計算)・居住者・給与所得のみ・特定支出控除なしの換算 ※ 住民税の非課税限度額は自治体で異なります。下の説明の地域条件を参照
バイト年収の「壁」と勤労学生控除の効き目。均等割の非課税限度額が合計所得45万円の自治体に住む成年の単身者で、障害者等の非課税特例に該当しない例です。119万円=住民税非課税ライン45万円+給与所得控除74万円、163万円=要件89万円+74万円、178万円=基礎控除104万円+74万円です。社会保険料等の追加控除なしの設例です。年分と換算の前提は図の中の注のとおりです。

住民税はいくら安くなる?

住民税の基礎控除は所得税と違って43万円のままなので、こちらでは勤労学生控除26万円がしっかり効きます。

バイト年収別の効き目を示します。令和9年度分、給与のみ・特定支出控除なしの成年単身者で、社会保険料の本人負担がなく、障害者等の非課税特例に該当しない設例です。標準税率で均等割と森林環境税を含み、均等割の非課税限度額が合計所得45万円の自治体を想定しています。

バイト年収控除なしの住民税勤労学生控除ありの住民税安くなる額
119万円以下0円0円0円(もともと非課税)
130万円15,500円5,000円10,500円
143万円28,500円5,000円(所得割は0円)23,500円
150万円35,500円9,000円26,500円
163万円48,500円22,000円26,500円
未成年者は住民税が非課税になる場合があります 国内に住所がある未成年者は前年の合計所得金額135万円以下なら住民税が非課税になります(退職所得の分離課税所得割を除く)。根拠は地方税法295条1項2号です。令和9年度分は、令和8年中の収入が給与だけなら年収209万円以下に当たります。この場合、勤労学生控除の出番はありません。基準日は賦課期日(令和9年度分なら2027年1月1日)で、18歳になっているかで判定します。上の計算機は未成年のチェックを入れるとこの非課税も織り込みます。

月々の源泉徴収にも反映されます

もうひとつの効き目が月々の源泉徴収です。勤労学生に当たる人は、甲欄の扶養親族等の数に1人を加算して税額を求めます(源泉徴収税額表の見方)。

親の扶養とはまったく別の判定

勤労学生控除で一番多い誤解が「これを使うと親の扶養から外れる/外れない」というものです。2つは別の制度で、別の判定です。

勤労学生控除親の扶養控除
誰の税金が安くなるかあなた自身の住民税親の所得税・住民税
判定に使う所得あなたの合計所得89万円以下(年収163万円以下)、かつ給与所得等以外の所得10万円以下あなたの合計所得62万円以下(年収136万円以下)
超えるとどうなるか控除が受けられない親の扶養控除が受けられなくなる(19歳以上23歳未満なら特定親族特別控除の対象になる場合がある)

表の年収は、令和8・9年分で収入が給与だけ・特定支出控除の適用がない場合の換算です。給与所得等とは、自分の勤労による事業・給与・退職・雑所得のことです。

申告のしかた — 年末調整のC欄か確定申告

バイト先が1か所で年末まで勤めている人は、通常は年末調整で完結します。手順は次のとおりです。

  1. 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のC欄(障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生)の「勤労学生」に印を付けます。
  2. 該当する事実(学校名・所得の種類と見積額等)を記載して、勤め先に提出します。
  3. 専修学校・各種学校と、認定職業訓練を行う職業訓練法人の人は、証明書を2つ添付または提示します。対象課程についての大臣の証明書の写しと、本人が履修していることを学校・訓練法人が証明する書類です(学校教育法1条の学校は不要)。

年末調整で受けられなかったとき

住民税の手続き

給与所得だけで給与支払報告書が提出される場合、通常は住民税の別手続きは不要で、年末調整の内容が市区町村に送られて令和9年度分の住民税に反映されます。給与以外の所得があり所得税の確定申告をしない場合は、原則として住所地の市区町村へ住民税申告が必要です。

令和8年分から合計所得の上限は89万円

所得要件は85万円 → 89万円に上がりました(令和8年分から)
  • 令和8年度税制改正で、勤労学生の合計所得金額の要件は85万円以下から89万円以下に引き上げられました。
  • 給与年収での目安は、令和8・9年分・給与のみ・特定支出控除なしなら163万円以下です。
  • 改正法の経過措置(令和8年法律第12号 附則2条)が「令和8年分以後の所得税について適用」と定めているので、2026年のバイト代からこの新しいラインで判定されます。
  • 施行日前の申告等に関する更正の請求は、対象・期限を改正法の経過措置で確認してください(同附則2条2項)。

ネット上の解説には、まだ改正前の「130万円まで」(旧・所得75万円)や令和7年分の「150万円まで」(所得85万円)と書かれたページが多く残っています。給与年収の目安は、令和8年分・給与のみ・特定支出控除なしなら163万円以下です。

住民税のほうも、地方税法が所得税の定義をそのまま準用しているため(314条の2第9項)、令和8年分の所得に対する令和9年度分から同じ89万円で判定されます。

よくある質問

勤労学生控除を使うと、親の扶養から外れますか?

外れません。勤労学生控除は本人の控除で、親の扶養控除は別に判定します。親の扶養控除の所得要件は、令和8年分以後は合計所得62万円以下です。合計所得がこの上限を超えていれば、勤労学生控除を使わなくても親の扶養控除は受けられません。年齢や生計同一などほかの要件は「親の扶養とはまったく別の判定」にまとめました。

バイトをかけもちしています。年収はいくらまでなら対象ですか?

給与年収の目安は163万円以下です(令和8・9年分・給与のみ・特定支出控除なし)。全部のバイト給与を合算して判定します。学校・勤労所得の要件も必要です。ほかの所得がある場合の集計はこの計算機の前提、所得上限は3つの要件で確認してください。

所得税が減らないなら、申告する意味はありますか?

あります。効き目は2つです。①住民税:令和9年度分の住民税が年間最大26,500円安くなります(標準税率での試算)。年収143万円の計算例はこちら。②月々の源泉徴収:申告書と必要な証明書を提出・提示すると、甲欄の扶養親族等の数に1人を加算します(改正で新たに該当する人は令和8年12月1日以後の給与から)。住民税がもともと非課税の人は、この控除による住民税の軽減はありません。非課税限度額は自治体によって異なります。

専門学校・予備校ですが対象になりますか?

課程の要件を満たす場合に対象です。専門学校(専修学校)や各種学校は、法定の設置者が設置し、職業に必要な技術の教授・修業期間1年以上など所定の課程要件を満たすことが必要です。自分で判定する必要はなく、学校の窓口で「勤労学生控除の証明書」を発行してもらえるか確認してください。発行されればその課程は要件を満たしています。予備校は各種学校であっても課程の要件(職業に必要な技術の教授)を満たさないことが多いので、必ず学校に確認を。

大学院生・通信制でも対象ですか?

学校の要件は満たします。大学院・短大・高等専門学校・定時制や通信制の高校・放送大学は、いずれも学校教育法1条の学校(またはそこに置かれる課程)なので、課程の追加の条件はありません。所得の要件は別に判定します。一方、大学の研究生・聴講生・科目等履修生は「学生」に当たらない場合があるため、学校の学生課に確認してください。海外の大学に留学している人は、日本の学校教育法1条の学校に在学していないため原則対象外です。

住民税はいつから安くなりますか?

令和8年(2026年)のバイト代に対する住民税は、令和9年度分として2027年6月ごろから払うもので、勤労学生控除の効き目もそこに現れます。住民税は前年の所得に対して翌年度に課税されるためです。源泉徴収への反映の時期は「月々の源泉徴収にも反映されます」にまとめました。

働きによらない所得10万円とは何ですか?

合計所得金額のうち「自分の勤労にもとづく給与所得・事業所得・退職所得・雑所得(給与所得等)」以外の部分です。合計所得に含める株の配当、不動産の賃貸に係る所得(収入から必要経費を引いた額)、仮想通貨の売却益、親から譲り受けた資産の運用による所得などが例です。NISAの非課税所得や申告不要を選択した一定の配当等は合計所得に含めません。これが10万円を超えると、合計所得が89万円以下でも勤労学生控除は受けられません。

出典

関連する解説

この内容をXで共有