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派遣社員とは|雇用契約と指揮命令・会社側の役割表

派遣社員は、派遣元の会社と雇用契約を結び、派遣先の会社の指揮命令で働く人です。派遣就業中は、雇用する会社と、仕事の指示を出す会社が分かれます。

会社の経理・労務担当が押さえるのは、賃金・保険手続きの担当と、現場の勤怠管理の担当の違いです。国内の一般事務の受入れを想定し、役割と確認書類を表にまとめます。

派遣元と派遣先の役割早見表

賃金を支払うのは派遣元、現場の仕事を指示するのは派遣先です。派遣先に雇用契約がないからといって、労働時間や休憩の管理まで派遣元任せにはできません。

派遣就業中の主な分担です。保険の加入手続きは各保険の加入要件を、年休の付与は付与要件を満たす場合の担当を示しています。

事項派遣元(雇用する会社)派遣先(働く会社)
本人との雇用契約締結する。派遣就業中の雇用主ではない。
賃金の支払い賃金・割増賃金を支払う。実際の就業時間を把握し、派遣元と連携する。
社会保険・労働保険加入手続きを行う。派遣元から資格取得確認の有無等の通知を受ける。
年次有給休暇付与する。取得日の業務の調整は派遣元・本人と連携する。
仕事の指示派遣先と業務・就業条件を契約する。派遣契約に沿って指揮命令する。
労働時間・休憩・休日雇用条件・時間外労働の協定を確認する。現場で法令と契約に沿って管理する。
苦情・連絡調整派遣元の担当窓口で対応する。派遣先の担当窓口で対応し、派遣元と連絡する。

役割の根拠は、厚生労働省「労働者派遣を行う際の主なポイント」の役割分担表と、労働者派遣法44条です。安全衛生などにも分担があるため、この表だけで責任の全範囲を判断するものではありません。

派遣元(雇用主) 派遣先(就業先) 派遣契約 雇用契約 指揮命令 派遣社員
派遣就業中の関係。会社間の派遣契約と、本人の雇用契約を分けて確認します。

直接雇用との違い・有期と無期の見方

派遣か直接雇用かは、勤務先が雇用主かどうかで見分けます。一方、有期か無期かは雇用契約の期間の区分です。時給制か月給制かだけでは、派遣かどうかを判断できません。

働き方本人の雇用主仕事上の指示
派遣就業中派遣元派遣先から受ける。
正社員・契約社員・パート等として直接雇用勤務先雇用主である勤務先から受ける。

有期雇用派遣では派遣元との雇用契約に期間の定めがあり、無期雇用派遣ではその定めがありません。派遣先との派遣契約の期間とは別に、派遣元との雇用契約を確認します。

紹介予定派遣は、職業紹介を行うか予定して行う派遣です。有期・無期の区分とは確認する軸が異なり、名称だけで正社員としての直接採用が確定するものではありません。契約や採用時の扱いは紹介予定派遣の受入れ確認表で確認できます。

呼び名による違いはパートとアルバイトの違い、人数などの統計は非正規雇用の解説へ分けています。

受入れ前の契約と通知を確認する

会社間の派遣契約、本人への明示、派遣元から派遣先への通知は別の手続きです。本人への労働条件の説明を、受入れ企業の依頼書で済ませたことにはできません。

次は国内の一般事務を受け入れるときの主な確認事項です。法定記載事項の全一覧ではありません。紹介予定派遣では、職業紹介後の業務・労働条件等も派遣契約で定めます。

書類・情報誰が誰に主に確かめる内容
派遣契約の内容派遣元と派遣先が締結時に定める。業務、場所・組織単位、指揮命令者、期間、就業日・時刻・休憩、安全衛生、苦情対応等。
中途解除時の取扱い派遣元と派遣先が締結時に定める。新たな就業機会の確保、休業手当等の支払費用を確保するための費用負担など。
派遣労働者としての雇入れの明示派遣元から本人へ、雇入れに先立って行う。派遣労働者である旨。紹介予定派遣なら、その旨も含める。
就業条件等の明示派遣元から本人へ、派遣に先立って行う。従事する業務・場所・時間など、本人に関係する就業条件等。
派遣先への通知派遣元から派遣先へ通知する。本人の氏名、有期・無期の別、協定対象かどうか、保険の資格取得確認の有無等。

既に雇っている非派遣の労働者を新たに派遣対象にする場合は、事前の明示に加えて本人の同意が必要です。

根拠は労働者派遣法26条、32条、34条、35条です。期間制限が適用される派遣の抵触日の通知・明示は、派遣の期間制限と抵触日で扱っています。

受入れ前の選考と職場の説明を混同しない

紹介予定派遣を除き、派遣先には、派遣契約の締結に際し、派遣労働者を特定する目的の行為をしないよう努める義務があります。事前面接や履歴書送付による選考については、厚生労働省の受入れ前の案内も確認できます。

根拠は労働者派遣法26条の特定目的行為の規定です。

就業中の勤怠・給与・請求をつなぐ

派遣先で把握した勤務実績を、派遣元の給与処理と会社間の請求照合につなぎます。派遣料金と本人の賃金は別の金額なので、同じ時給だと仮定して照合しません。

派遣先管理台帳には、労働者ごとの実際の就業日、日ごとの始業・終業・休憩時間、業務、苦情処理等を記載し、所定事項を派遣元へ通知する仕組みがあります。根拠は労働者派遣法42条です。

次は社内での確認例です。法定の帳票や、台帳の記載事項の全一覧ではありません。請求の締日・単価・端数処理等は派遣契約の精算条件で確かめます。

場面現場から集める情報の例経理・労務で確認することの例
月の勤怠締め実際の就業日、始業・終業・休憩、訂正の記録。派遣元へ渡す勤務実績と社内の承認記録が合っているか。
派遣料金の請求対象期間の勤務実績と契約上の精算条件。請求の対象時間、単価、追加費用が契約条件に合っているか。
勤怠訂正本人からの申出、現場で確認した事実。派遣元への訂正連絡が済んだか、請求への影響があるか。
苦情・相談申出の内容、対応の経過、派遣元への連絡。仕事の指示を出す人だけで抱えず、担当窓口につながっているか。

残業の指示は派遣先の協定だけで判断しない

法定の時間外・休日労働を行わせるときは、派遣元で締結・届出をした36協定の範囲と、派遣契約の就業条件を確認します。派遣先自身の協定があるという理由だけで、派遣社員に残業を指示できるとは扱いません。

派遣元にも、違法な就業条件で派遣してはならないという規定があります。労働時間等の責任分担は労働者派遣法44条に定められています。

指揮命令者と相談窓口を確認する

仕事の指示を出す人に加えて、派遣元・派遣先それぞれの苦情・連絡窓口を確認します。派遣元責任者と派遣先責任者は、苦情処理や相手方との連絡調整等を担う役割です。

根拠は労働者派遣法36条と41条です。待遇の比較方法は同一労働同一賃金の解説で確認できます。

社内の確認・連絡予定に営業日計算機を使う →

営業日計算機は社内日程を組む補助です。派遣契約の期限や法定期限の適否は判定しません。

変更・終了のときに確認すること

派遣先との派遣契約が終わることと、派遣元との雇用契約が終わることは別です。中途解除があったという理由だけで、派遣元が本人を即座に解雇できるものではありません。

派遣先の都合で派遣契約を解除する場合、派遣先は新たな就業機会の確保や、派遣元が休業手当等を支払う費用の負担など、雇用の安定を図るために必要な措置を講じます。根拠は労働者派遣法29条の2です。

社内では、変更・終了する派遣契約の条件、最終の勤務実績、費用精算、本人への説明の担当を分けて確認します。雇用契約の終了や直接採用の可否を、経理の精算だけで決めるものではありません。

期間の更新は期間制限と抵触日、直接雇用を予定する場合は紹介予定派遣へ進んでください。外注との違いは偽装請負の解説にまとめています。

派遣就業中は、雇用契約の相手と仕事の指示を出す会社が異なります。受入れ側では、契約・通知を確かめ、現場の勤務実績を派遣元につなぎ、給与と派遣料金の処理を分けて管理します。

よくある質問

派遣社員の雇用主は、実際に働く会社ですか?

派遣就業中の雇用主は派遣元です。勤務先である派遣先は、派遣契約に基づいて仕事の指揮命令を行います。

派遣社員の保険手続きは派遣先が行いますか?

各保険の加入要件を満たす場合、社会保険・労働保険の加入手続きは雇用主の派遣元が行います。派遣先は、派遣元から資格取得確認の有無等の通知を受けます。

無期雇用派遣は、派遣先の正社員になることですか?

無期雇用派遣は派遣元との雇用契約に期間の定めがないことです。派遣先が本人を直接雇用することとは異なります。

紹介予定派遣なら正社員として採用が決まっていますか?

名称だけでは決まりません。紹介予定派遣は職業紹介を行うか予定して行う派遣で、派遣先が本人を直接雇用するには採用の合意が必要です。

派遣契約が中途解除されたら、本人もすぐ退職になりますか?

派遣契約の中途解除だけで、本人の雇用契約も終了するものではありません。派遣契約と派遣元との雇用契約は別に確認します。

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出典

制度の確認時点は2026年10月18日です。派遣就業中の雇用・指揮命令の関係と、一般事務を受け入れる会社側の確認事項を扱っています。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の契約の適法性や労務相談への回答ではありません。個別の取扱いは、都道府県労働局または社会保険労務士等にご確認ください。

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