税金・経理・補助金ツールズ

日雇い派遣とは|雇用期間・例外条件・確認書類の早見表

日雇い派遣は、派遣元が日々または30日以内の雇用契約で雇う人を派遣することで、業務・本人の例外に当たる場合を除き禁止されています。派遣先で働く日数だけでは決まりません。

会社側では、雇用契約の期間、任せる業務、本人の例外要件の順に確認します。この記事は、日雇派遣の禁止と例外を見分けるための一般的な確認表です。単発の直接雇用とは分けて扱います。

最初に雇用契約の期間を見る

見るのは派遣元と本人の雇用契約です。会社間の派遣契約の期間、登録している期間、勤務表の出勤日数とは区別します。

確認する契約・実態日雇派遣との関係
日雇派遣となる日々または30日以内の雇用契約日雇派遣に当たり、業務または本人の例外を確認する。
派遣元と本人の雇用契約が31日以上日雇派遣の定義には当たらない。ただし、禁止を免れるだけの不適当な契約は認められない。
勤務先が本人を単発で直接雇用する日雇派遣の禁止の対象ではない。直接雇用としての労働条件・賃金等の管理は別途必要。

根拠は厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」第6・17と、改正に関するQ&Aの問1です。雇用管理や労働者保護が十分に行われない問題に対応するため、日雇派遣には禁止と例外が設けられています。

契約書の期間だけを延ばしても解決しない

実際の派遣予定が1日だけなのに31日以上の雇用契約を結ぶなど、社会通念上明らかに不適当な契約は、日雇派遣の禁止を免れるための行為と扱われます。

契約期間の初日と最終日にしか派遣予定がない場合も、要領に挙げられています。社内で依頼するときは、必要な日だけを書いた発注書で済ませず、派遣元がどの雇用契約に基づいて派遣するのかを確認します。

雇用契約の期間を確認 日雇派遣なら、業務・本人の例外へ業務内容・書類・収入の条件を照合 確認の根拠を記録他の派遣規制・雇用管理も別に確認
例外に当たることだけで、派遣に関する他の規制まで免除されるわけではありません。

本人の例外と収入の確認表

業務による例外とは別に、本人の年齢・学生区分・収入による例外があります。いずれかに当たるかを確認します。

本人側の例外では、派遣元が安全衛生その他の雇用管理上必要な措置を講じていることが前提です。収入要件は税金・社会保険料の控除前の前年収入で確認し、当年に基準を下回ることが明らかな場合は認められません。

本人側の例外要件確認の注意点
高齢者日雇派遣される本人が60歳以上。確認書類の例:運転免許証、住民票等。
学生雇用保険の適用を受けない昼間学生の範囲。昼間学生の対象外区分にも注意。詳細は下の表。
副業本人の主たる業務の生業収入が500万円以上で、副業として従事する。掛持ち収入の合算ではなく、最も収入の高い主たる業務で確認する。
主たる生計者以外本人を含む世帯収入が500万円以上で、本人の収入割合が50%未満。生計を一にする配偶者等の親族の収入で主に生活を維持していること。同居は必須ではない。

生業収入・世帯収入には、給与以外の不動産運用や取引による収入等も含まれます。配偶者には事実上の婚姻関係も含みます。世帯の範囲は住所が同じかだけで判断しません。

学生でも、この区分は学生の例外に含まれない

次は厚生労働省の要領の学生区分です。学生として対象外でも、他の本人要件や業務の例外に当たるかは別に確認します。

学生の例外から除かれる区分
定時制の課程に在学する人。大学の夜間学部等を含む。
通信制の課程に在学する人。
卒業見込証明書を持ち、卒業前に雇用保険の適用事業に就職し、卒業後も引き続き勤務する予定の人。
休学中の人。
事業主の命により、雇用関係を存続したまま大学院等に在学する人。
一定の出席日数を修了要件としない学校の在学者で、同じ事業の同種業務の労働者と同様に勤務できると認められる人。

副業の収入と世帯収入は、合算の範囲が違う

副業の例外では主たる業務の収入を、世帯の例外では本人を含む同一生計の世帯収入を見ます。給与の手取り額で判断するものではありません。

掛持ちの収入を足すと基準額に届いても、主たる業務だけでは届かない場合、副業の収入要件は満たしません。これは厚生労働省Q&Aの問12で示されています。

一方、世帯内で収入が最も多い人でも、本人の収入が世帯収入の半分未満なら、収入割合の条件に当たり得ます。別居して親族から生活費の援助を受ける場合も、実際に生計を一にしているかを確認します。

業務による例外の一覧と境界

業務名が似ているだけでは、業務による例外に当たりません。派遣元に伝える仕事内容と、現場で実際に任せる仕事をそろえて確認します。

次は労働者派遣法施行令4条1項の業務名を探すための一覧です。各業務の定義・除外条件を満たす必要があり、この表だけでは派遣可否を判定できません。詳しい範囲は厚生労働省の要領「令第4条の業務」で確認します。

例外業務を探すための区分名
情報処理システム開発
機械設計
事務用機器操作
通訳・翻訳・速記
秘書
ファイリング
調査
財務処理
貿易・国内取引文書の作成
デモンストレーション
添乗
受付・案内
研究開発
事業の実施体制の企画・立案
書籍等の制作・編集
広告デザイン
OAインストラクション
セールスエンジニアの営業・金融商品の営業
看護(施設・職種等の限定あり)

訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護に係るものを除き、看護の業務例外は、病院等・助産所・介護老人保健施設・介護医療院・医療を受ける人の居宅で行う業務と、オンライン診療受診施設のオンライン診療に係る業務を対象外としています。

看護の例外は、社会福祉施設等での日常的な健康管理の範囲内で行う必要があり、准看護師等の業務は含まれません。

詳しくは厚生労働省の要領の看護業務関係の節で確認できます。他の派遣規制や関係通達への対応も別に確認します。

経理の「財務処理」は、単純な転記まで含まない

店頭の商品売買(有価証券を含む)に伴う現金等の授受や商品の勧誘を伴う業務を除き、迅速・的確な実施に習熟を要する専門的な仕訳・会計帳簿作成、原価計算、決算書類作成などは財務処理の例外に含まれます。

単なる現金・手形の受渡しや、特別な習熟を必要としない計算・書き写しは含まれません。貸金庫の管理や社会保険の資格取得・喪失の手続きも、財務処理には当たりません。

「月末の経理補助」を依頼する場合の確認例:仕訳を任せるのか、伝票を転記するのか、具体的な作業を切り分けて派遣元と確認します。

パソコンを使う仕事が、すべて機器操作になるわけではない

機器の保守管理・中継車の運転・印字された連続紙の梱包や発送を除き、事務用機器操作の例外は、迅速・的確な操作に習熟が必要な機器の操作と、その過程で一体的に行う準備・整理です。コピー機や電話、バーコード読取器など、操作に習熟を必要としない機器は含まれません。

仕事の名前を「データ入力」に変えるだけでは、実際の作業範囲の確認に代えられません。

確認書類と記録の残し方

派遣元は、要件を何で確かめたか分かる記録を残します。この節では、派遣元が行う要件確認を扱います。

次は本人側の例外を派遣元が確認する際の書類の例です。合理的な理由で用意できない場合や、書類だけでは判断できない場合等の扱いは、この表の下にまとめています。

確認する要件書類の例
年齢運転免許証、住民票、個人番号カードなど、年齢が確認できる公的書類。
昼間学生学生証。在学課程や休学の有無等も確認する。
生計を一にしていること住民票、マイナポータルの医療保険資格情報を保存したもの等。資格情報の提示時は保険者番号・被保険者等記号・番号を転記しない。
収入本人や配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写し等。

誓約書だけでよい場面は限定される

合理的な理由で公的書類等を用意できない場合、書類だけでは昼間学生か判断できない場合等には、やむを得ない措置として本人の申告・誓約書で確認する取扱いがあります。

合理的な理由がないのに、公的書類の提出・提示を求めず、誓約書への代替を誘導するのは不適切です。後から書類で確認できるようになった場合は、事後でも書類による確認を基本とします。

書類そのものの保存と、確認記録を分ける

要件確認に使った公的書類等の保存は不要ですが、書類の種類は派遣元管理台帳に残すなど、後で分かるようにします。誓約書で確認した場合は、誓約書を台帳と合わせて管理し、書類によらなかった理由も分かるようにします。

例外要件は労働契約ごとの確認が基本です。過去に年齢の例外を確認済みなら、再確認を省ける取扱いがあります。数週間前に昼間学生と確認できていれば、退学等で要件を失ったことが明らかな場合や年度替わり等を除き、再確認を省けます。

契約変更・受入れ前の確認例

前の長期契約があったことと、新しい短期契約の可否は別です。引継ぎという目的だけで、日雇派遣の例外になるものではありません。

長期の雇用契約が終わった後、引継ぎのために日雇派遣に当たる雇用契約を新たに結ぶなら、業務または本人の例外を改めて確認します。一方、当初は長期の雇用契約だったものが本人の自発的な申出で結果的に短期となる場合は、それだけで日雇派遣の禁止に抵触するとは扱われません。

根拠は厚生労働省Q&Aの問5・問7です。会社が当初から短期の就業だけを予定していた場合と混同しません。

受入れ側の社内確認例残す内容の例
依頼するとき実際に任せる作業、就業予定、派遣元に確認した例外の区分。
就業前契約した作業と現場の指示が一致するか、指揮命令者と連絡先。
業務を変えるとき追加作業が例外業務の範囲を外れないか。変更前に派遣元へ確認した記録。

この表は社内整理の例であり、法定台帳の記載事項の全一覧ではありません。派遣元・派遣先の分担、就業条件や通知の確認は派遣社員の受入れ確認表にまとめています。期間制限は派遣の期間制限と抵触日で別に確認します。

書類確認・社内連絡の日程に営業日計算機を使う →

この計算機は社内日程の補助です。雇用契約の有効性や派遣可否は判定しません。

日雇い派遣の確認は、雇用契約の期間から始めます。例外は業務と本人の要件に分けて確認し、書類の種類や確認の経過を記録します。直接雇用の単発勤務とは分けて扱います。

よくある質問

単発で働く仕事は、どれも日雇い派遣ですか?

いいえ。日雇い派遣は派遣元との雇用契約の期間で確認します。勤務先が本人を直接雇用する単発の仕事は、日雇派遣禁止の対象ではありません。

副業の収入は、掛持ちの合計で確認しますか?

副業の例外では合算しません。最も収入が高い主たる業務の収入で確認します。本人を含む同一生計の世帯収入を使う例外とは、合算の範囲が異なります。

学生証があれば、学生の例外に当たりますか?

学生証だけでは決まりません。雇用保険の適用を受けない昼間学生の範囲が対象で、定時制・通信制・休学中などは学生の例外から除かれます。卒業前の就職等の区分も、本文の学生の表で確認できます。

確認書類を用意できなければ、誓約書だけでよいですか?

合理的な理由で書類を用意できない場合等に限った、やむを得ない取扱いです。合理的な理由がないのに、公的書類の提出・提示を求めず誓約書へ誘導することは不適切です。後から書類で確認できるようになった場合は、事後でも書類による確認を基本とします。

次に読む

出典

制度の確認時点は2026年10月28日です。日雇派遣の禁止と、その例外・確認書類を扱っています。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の派遣可否や労務相談への回答ではありません。個別の取扱いは、都道府県労働局または社会保険労務士等にご確認ください。

この内容をXで共有