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iDeCoとふるさと納税は併用できる?掛金別の上限比較と申告

iDeCoとふるさと納税は併用できます。ただし、iDeCoの掛金を所得控除に入れると、ふるさと納税の寄附上限が下がることがあります。掛金を反映しない上限表のまま寄附すると、自己負担が増える原因になります。

下の比較表で掛金による違いを確認し、寄附前にその年の収入・控除の見込みで計算します。手続きでは、iDeCoを年末調整で控除できたか、確定申告で追加するかに応じて、ふるさと納税の申告方法を確認します。

年収・掛金別の寄附上限の比較表

同じ年収でも、iDeCoの払込額によって寄附上限が変わります。次の表で比較するのは寄附上限であり、掛金そのものの拠出限度ではありません。加入区分や勤務先の企業年金に応じて、その額を拠出できる人を想定しています。

次は令和8年分の所得・寄附に基づく、令和9年度住民税の設例です。国内居住の会社員で企業年金なし、給与のみ・扶養なしとします。社会保険料は給与年収の15%と仮定し、基礎控除とiDeCo以外の控除はありません。標準税率を使うこの設例では、本人が年内12回納付した掛金は月1.2万円なら年14.4万円、月2.3万円なら年27.6万円です。表は調整控除後の住民税所得割額に対する特例分の20%限度を逆算し、千円未満切捨ての目安を示します。

設例:年収と掛金別の寄附上限の目安
給与年収掛金なし月1.2万円月2.3万円
300万円28,000円24,000円21,000円
400万円42,000円38,000円35,000円
500万円57,000円54,000円50,000円
600万円77,000円73,000円70,000円

所得税と特例分用の税率が一致し、他の控除限度にもかからない設例です。市区町村ごとの税額の端数処理や保険料の実額で結果は変わります。

表の掛金額は推奨額ではありません。途中加入・掛金変更・引落不能があった年は、月額をそのまま通年分にせず、実際に支払う年額で計算し直します。加入区分ごとの拠出限度と改正時期は、iDeCoの上限改正の確認表で扱っています。

iDeCoの掛金で寄附上限が変わる理由

iDeCoの掛金を所得控除に入れると、ふるさと納税の寄附上限が下がることがあります。iDeCoは所得から掛金を差し引く控除、ふるさと納税は寄附に応じて税負担を減らす制度です。控除の方法が違うため併用できますが、ふるさと納税の上限を求めるときにiDeCoの所得控除が影響します。

居住者本人がその年に支払ったiDeCoの掛金は、小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引きます。掛金と同額の税金が戻るという意味ではありません。根拠は所得税法75条です。

住民税でも本人の掛金が所得控除になるため、他の条件が同じなら課税所得が小さくなります。ふるさと納税の特例分の枠は、調整控除後の住民税所得割額を基準に決まります。その枠も小さくなるため、寄附上限が下がることがあります。

掛金の所得控除から寄附上限までの流れ他の条件が同じ場合、掛金を所得控除すると住民税の課税所得が小さくなり、所得割額を基準にする特例分の枠にも影響します。本人のiDeCo掛金を所得から控除住民税の課税所得・所得割額に影響特例分の枠を通じて寄附上限が変わる
他の条件が同じ場合の流れ。税率区分や他の控除限度も関わるため、上限の下がり幅は再計算します。

掛金は本人ごとに扱います。夫婦の一方のiDeCo掛金を、もう一方の所得控除として計算することはできません。共働きでふるさと納税をする場合も、それぞれの収入・控除で上限を見積もります。

上限の下がり方を計算で確かめる

寄附上限の下がり幅は、掛金の額だけを寄附上限から差し引いて求めるものではありません。所得割額が下がることと、所得税の税率区分が変わることを分けて確認します。

次は令和8年分・年収500万円の設例による、令和9年度住民税の内訳です。国内居住の会社員で企業年金なし、給与のみ・扶養なしとします。社会保険料は年収の15%と仮定した75万円で、基礎控除とiDeCo以外の追加の所得控除はありません。この設例は本人の掛金を年内12回納付した年27.6万円の有無で比較し、標準税率による調整控除後の所得割額を示します。

設例:掛金を反映する前後の計算
計算する額掛金なし年27.6万円
住民税の課税所得238万円210.4万円
調整控除後の所得割額235,500円207,900円
特例分の20%限度47,100円41,580円
特例分限度の逆算式調整控除後の所得割額×20%÷84.895%+2,000円

この設例では、掛金を差し引く前後とも所得税率と特例分用の税率は一致し、税率区分も変わりません。

掛金の所得控除で分子の所得割額が小さくなるため、逆算した寄附上限も下がります。上の比較表は、その結果を千円未満切捨てで示しています。

この設例の特例分用の税率は、住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を差し引いて求めます。実際の所得税率と異なる場合があるため、両方の税率と各控除の限度を確かめます。退職所得・山林所得・分離課税所得などがある人は、この表の対象外です。

税率の境目付近では、掛金によって特例分の割合も変わることがあります。「掛金が増えた額に固定の割合を掛ければ、上限の下がり幅になる」とせず、所得・控除を入れて再計算する理由はここにあります。

見積りと入力で二重計上を防ぐ

見積りには、寄附する年の給与と、その年に支払う本人の掛金を使います。掛金は二重に入力しないようにします。前年の源泉徴収票や住民税の通知書は欄を確かめる参考にはなりますが、その金額を今年の上限として使うことはできません。

まず給与明細と賞与の見込みから年収を集計します。iDeCoは払込証明書と実際の払込を照合します。個人払込では掛金の対象月と支払年がずれることがあるため、何月分かだけで控除年分を決めないようにします。証明書に予定額があるときも、未納や変更を反映します。

当サイトのふるさと納税の限度額シミュレーションでは、本人のiDeCo年額を「その他の所得控除(住民税用・円)」に含めます。「社会保険料(年額/円)」には、iDeCoを除いた社会保険料を入力し、同じ掛金を重ねて入れないようにします。

入力前に確認する資料と金額
確認するもの使い方
当年の給与・賞与税引き前の給与収入を集計。手取り額を使わない
本人のiDeCo掛金その年の実払額を確認。途中加入や変更は年額に反映
源泉徴収票の社会保険料等iDeCoが含まれる場合は分け、ツールで二重計上しない
他の所得・控除扶養・医療費・住宅ローンなどの変更も再計算に反映

この入力欄は住民税用です。生命保険料など所得税と住民税で控除額が異なるものや、住宅ローン控除などがある場合は、各税の条件も別に確認します。自治体の詳細な住民税試算も使い、今回の比較表の仮定を実額に置き換えます。

年末調整と確定申告の分かれ目

iDeCoが年末調整で控除されても、ふるさと納税の手続きは別に必要です。個人払込のiDeCoは保険料控除申告書で申告し、給与天引き分は同じ申告書に重ねて書きません。証明書と記入欄の詳しい確認は、iDeCoの年末調整にまとめています。

ワンストップ特例は、確定申告義務がなく、寄附金税額控除以外に住民税申告を要せず、所得税も住民税も申告しない人が、寄附先5団体以内で各寄附先へ申請する場合に使えます。年末調整だけを受けたことは、確定申告したことにはなりません。

iDeCo控除と寄附の手続きを組み合わせる
状況確認する手続き
iDeCoは年末調整済みで、ワンストップの要件も満たす各寄附先へのワンストップ申請を行う
iDeCo控除の追加や医療費控除などで確定申告するワンストップ申請済みの寄附も含め、寄附金控除を申告する
確定申告が必要な人ふるさと納税も確定申告に含める

確定申告の必要がなくワンストップ特例を使わない人が、年末調整などで所得税がかからず住民税だけの控除を受ける場合は、市区町村へ住民税の申告をします。

ワンストップ申請後に確定申告をすると、申請は無効になります。iDeCoの控除だけを申告し、ふるさと納税はワンストップのまま残す、という分け方はできません。

確定申告では、源泉徴収票に反映済みのiDeCo掛金を再加算しないことも確認します。ふるさと納税の寄附金控除と住民税に関する事項の入力は、ふるさと納税の確定申告のやり方で確認できます。

上限を超えたときと併用の損得

寄附が上限を超えると、併用できても自己負担が増えることがあります。指定自治体への対象寄附で、所得税と特例分用の税率が対応し、所得税・住民税基本分・特例分の各限度内で全額控除される場合、寄附に伴う自己負担は2,000円です。

掛金を反映せずに寄附し、特例分の上限を超えると、自己負担が増えることがあります。ただし、確定申告では所得税分や住民税基本分の控除が各限度内で残る場合があります。超過分の全額がそのまま追加の自己負担になるとは限りません。

iDeCoの掛金は本人の年金資産として積み立てる支出で、ふるさと納税は自治体への寄附です。掛金の所得控除による税額の変化と、寄附上限が下がることを同じ金額として比べないようにします。運用損益・手数料・受取時の税金まで含めた有利不利は、ここでは判定しません。

併用するときの確認順
  • 本人のiDeCo実払年額を反映して、当年の寄附上限を再計算する。
  • 源泉徴収票やツールで、掛金を二重に差し引かない。
  • 確定申告する年は、ワンストップ申請済みの寄附も含めて申告する。
ふるさと納税の限度額を試算する当年の年収・社会保険料・iDeCo年額を入れ、上限の目安を確認できます。

よくある質問

iDeCoを始めると、ふるさと納税ができなくなりますか?

併用できます。ただし、本人の掛金を所得控除に入れると、ふるさと納税の寄附上限が変わることがあります。掛金を反映しない年収表ではなく、その年の所得・控除で見積もります。

iDeCoを年末調整で控除したら、ふるさと納税も手続き済みですか?

手続き済みにはなりません。iDeCoの年末調整と、ふるさと納税のワンストップ申請・確定申告は別です。ワンストップの要件を満たすなら各寄附先へ申請し、確定申告するなら申請済みの寄附も含めて寄附金控除を申告します。

年の途中で掛金を増やしました。月額で計算できますか?

変更後の月額を通年分として使わず、その年に実際に支払う本人の年額で計算します。個人払込は掛金の対象月と支払年が異なることがあるため、証明書と実際の払込を照合します。

ワンストップ申請後、iDeCoの控除漏れを確定申告しても大丈夫ですか?

確定申告でiDeCoの控除を追加できますが、ふるさと納税も申告に含めます。確定申告をするとワンストップ申請は無効になるため、申請した寄附を含めて寄附金控除を入力します。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務相談には応じられません。実際の判断は、お住まいの市区町村・税務署・税理士にご確認ください。

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