会社員の確定申告のやり方|年末調整後の必要書類・入力前後の確認表
年末調整を受けた会社員が確定申告をするときは、給与の源泉徴収票と追加する所得・控除の資料をそろえます。資料を入力して提出し、受付と納付・還付まで確認します。医療費や寄附の分だけを申告して終わる手続ではありません。
多くの会社員は年末調整で所得税の精算が済みます。ただし、副業や別の勤務先の給与がある場合の申告義務と、医療費控除などを受けるための申告は分けて確認します。このページは準備と照合に絞り、金額による要否は確定申告が必要になる条件で確認できます。
申告の目的から準備する資料を選ぶ
申告の理由を書き出すと、追加で集める資料が決まります。納付が必要かを調べる場合と、控除を受けて納め過ぎを精算する場合を、次の表で分けます。
次は、国内に住む会社員の主な確認場面です。該当しただけで申告義務や控除の適用が決まる一覧ではありません。各制度の条件はリンク先で確認します。
| 申告を考える場面 | 先に確かめること |
|---|---|
| 医療費を支払った | 医療費控除の対象支出・補填金・控除額を確認する |
| ふるさと納税をした | ワンストップ特例の対象になるか、確定申告する事情があるかを確認する |
| 住宅ローン控除を初めて受ける | 適用要件と、初年度に必要な確定申告の準備を確認する |
| 副業・別の勤務先の給与がある | 所得区分と申告不要制度の条件を確認する |
| 年末調整に控除を入れ忘れた | 源泉徴収票に反映済みの分と、申告で追加・変更する控除を分ける |
還付になるかは、源泉徴収や予定納税で納めた所得税と、申告で計算した年税額の過不足で決まります。控除を入力すれば支払額そのものが戻るわけではありません。源泉徴収・予定納税がなければ、還付される所得税もありません。
給与の資料を集めてから追加資料をそろえる
まず、申告する年分の給与の源泉徴収票を、勤務先ごとにそろえます。転職した年は前職分も集め、現職の票に通算されているかを摘要欄などで確かめます。収集した票をそのまま全部入力すると、同じ給与を重ねることがあるためです。
給与の源泉徴収票は申告書への添付・提示は不要ですが、内容の入力は必要です。税務署等で申告書を作成する場合は持参します。票の選別と転記は源泉徴収票で確定申告する手順にまとめています。
次は入力前に手元へ用意する資料の表です。添付・提示する書類の一覧とは異なります。参照した様式・手引は令和7年分です。別の年分を申告するときは、その年分の国税庁の案内と作成画面で必要書類を確かめます。
| 申告する内容 | 追加で用意する資料 | 準備時の確認 |
|---|---|---|
| 医療費控除 | 医療費通知、領収書、補填された保険金などの資料 | 通知に含まれない支払と重複を整理し、明細書へまとめる |
| ふるさと納税 | 寄附金の受領証、または特定事業者の寄附金控除に関する証明書 | 申請済みの分も含めて寄附を集め、指定の有無と入力区分を確認する |
| 住宅ローン控除 | 住宅の取得・性能を確認する資料と、借入先の方式に応じた年末残高の資料 | 居住年・住宅区分と、証明書方式か調書方式かを確認する |
| 副業の報酬 | 売上・必要経費の記録、請求書・領収書、源泉徴収された税額が分かる資料 | 給与と報酬を分け、所得区分に合う内訳を集計する |
| 別の勤務先の給与 | その勤務先の給与の源泉徴収票 | 本業の票へ通算済みか、未通算かを確かめる |
| 追加する保険料控除など | 支払額や控除の対象を確認できる証明書類 | 年末調整済みの支払分を再び追加していないか照合する |
住宅ローンの調書方式は、原則として令和6年以降に入居した人の対応済み金融機関の対象借入れで利用し、適用申請が必要です(例外は下記)。年途中の死亡など、金融機関のシステムで対応できない特定のケースでは証明書方式になることがあります。残高情報を受け取れない場合の確認方法も、国税庁の調書方式FAQで確かめます。
提出する書類と手元で保存する資料は、入力が済んだあとにもう一度分けます。e-Taxでは記載内容の送信により提出を省略できる一定の書類がありますが、照会に備えた保存が必要です。給与票の添付不要を、控除の証明書や明細書にも広げないようにします。
本人確認・電子申告の準備はe-Taxの始め方、書面で出す場合の本人確認書類は確定申告の必要書類で確認できます。
年末調整済みの控除と追加分を照合する
確定申告では、年末調整済みの内容を土台に、追加・変更する箇所を確認します。年末調整が済んでいるから給与の入力を省く、同じ保険料を追加欄へ重ねる、という処理はしません。
次は年末調整済みの給与がある場合の照合表です。国税庁の手引は、年末調整と同額の場合と、所得控除の金額が異なる場合で記入方法を分けています。作成コーナーでは画面の質問に沿って入力します。
| 確認する内容 | 照合のしかた |
|---|---|
| 年末調整済みの保険料 | 給与票から反映した額と証明書を比べ、同じ支払を追加しない |
| 年末調整に含めなかった支払 | その年に支払った追加分か、控除要件を満たすかを確認する |
| 配偶者・親族の情報 | 年末調整で届けた内容と確定した所得などを比べ、変更箇所を確認する |
| 医療費・寄附 | 給与票とは別に、対象支払と明細を確認して入力する |
年末調整ですでに受けた控除のうち、保険料などの証明書を再び添付・提示しなくてよいものがあります。これは控除の入力も不要という意味ではありません。具体的な取扱いは国税庁の手引「申告書に添付・提示する書類」の該当項目と注で確認します。
作成コーナーで入力するときの順番
作成コーナーでは、年分と提出方法を確認し、所得、控除の順に入力します。申告書を資料と照合してから提出します。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを開き、申告する年分の案内であることを確認します。準備と操作の詳細は、e-Taxの準備と給与票の入力手順で確認できます。
- 年分と提出方法を確認する。e-Taxの認証や書面提出の本人確認を準備します。
- 給与と他の所得を入力する。給与票を選別し、報酬などは該当する所得区分の資料を使います。
- 控除を照合する。年末調整済みの内容に、追加・変更する控除を反映します。
- 申告書を確認して提出する。所得・控除・源泉徴収税額と添付書類を資料に照らして確認します。
医療費控除の還付申告では、少額の副業所得も確認します。給与所得者の申告不要制度で、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円以下として申告を省略できた人も、医療費控除の申告時にはその所得を含めます。源泉分離課税の所得や、申告不要を選択できる一定の株式等所得の扱いは別です。
細かな金額判定は申告義務の条件、給与の欄ごとの操作は給与票の入力手順へ進んでください。
医療費とふるさと納税が重なる場合の確認例
医療費控除のために確定申告をする場合は、ワンストップ申請済みのふるさと納税も申告します。給与や年末調整済みの控除とともに、同じ申告書へ反映する資料を照合します。
年末調整済みの給与があり、医療費控除を受け、ふるさと納税はワンストップ申請済みという会社員の作業例です。各控除の適用要件を満たし、ほかの申告する所得や控除の変更はないものとします。
この例は税額の試算ではなく、同じ申告書へ反映する資料の照合例です。ふるさと納税は指定対象の寄附とし、年末調整で保険料控除も受けている場合を扱います。
| 手元の資料 | 今回の扱い | 照合する点 |
|---|---|---|
| 年末調整済みの給与票 | 給与と源泉徴収税額などを入力する | 給与を申告から落としていないか |
| 年末調整済みの保険料 | 給与票から反映した内容を確認する | 同じ支払を追加で入力していないか |
| 医療費の資料 | 医療費と補填金を整理して控除を入力する | 通知と領収書の重複や未収録分がないか |
| 寄附の受領証など | ワンストップ申請分も含めて申告する | 寄附と住民税に関する欄の反映を確認する |
医療費控除のための確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ申請は無効になります。申請済みだからと寄附の入力を省かず、その年分の指定対象の寄附を含めます。詳しい入力先はふるさと納税の確定申告で確認できます。
送信後は受付・納付・還付を分けて確かめる
e-Taxでは送信後、メッセージボックスの受信通知で受付を確認し、申告書の控えと一緒に保存します。作成した申告書を保存しただけでは、提出したか分かりません。
次はe-Taxで所得税等の確定申告をした後の確認表です。受信通知は税務署への到達を確認するもので、入力内容の照合や納付結果の確認も別に行います。
| 確かめるもの | 確認する内容 |
|---|---|
| 申告書の控え | 年分、氏名、所得・控除・税額、還付先などの申告内容 |
| 受信通知 | 氏名、提出先税務署、受付日時・受付番号、税目など |
| 納付税額がある場合 | 選んだ納付方法の手続、納付日・振替日、実際の納付結果 |
| 還付を受ける場合 | 申告書の受取方法・口座情報、還付の処理状況と入金 |
申告書の送信だけで、納付まで済んだとは決めないようにします。振替納税・ダイレクト納付など、選んだ方法の手続状況を確認します。申告後に税務署から納付書が届くのを待たず、国税庁の納付案内で必要な手続を確かめます。
受信通知は保存期間を過ぎると削除されるため、申告直後に控えとまとめて保存します。紙で提出する場合の提出記録は、確定申告の提出方法で確認できます。
申告を終える前の確認
- 給与票を収集したうえで、前職通算分や訂正票を選別して入力する。
- 年末調整済みの控除と追加・変更する控除を分け、同じ支払を重ねない。
- 申告書の控え・提出の記録・納付または還付の記録を、年分ごとに残す。
所得税の試算を別に行う場合も、計算機の対応年分と入力条件を確認します。申告書の提出は国税庁の作成コーナーなどで行います。
所得税計算機の対応年分と入力条件を確認するよくある質問
年末調整済みの給与は、確定申告でも入力しますか?
入力します。医療費控除などを追加する場合も、給与と源泉徴収税額を含めて申告します。前職分を通算した票があるときは、含まれる給与を重ねて入力しないよう選別します。
ワンストップ申請済みでも寄附を入力しますか?
確定申告する場合は、ワンストップ申請済みのふるさと納税も含めて申告します。確定申告によってワンストップ申請は無効になるためです。指定対象かどうかと、寄附の年分も確認します。
控除の証明書は会社へ出したものも再提出しますか?
年末調整で控除を受けた保険料などの証明書は、確定申告での添付・提示を要しないものがあります。ただし控除の内容は申告へ反映し、追加・変更する分の必要書類は別に確認します。
源泉徴収票の添付が不要なら、用意しなくてもよいですか?
添付は不要でも、給与や源泉徴収税額などを申告するために内容の確認が必要です。税務署等で申告書を作成する場合は持参します。電子交付の場合も、対象年分の票を確認できる状態にします。
出典
国税庁の申告案内・手引と所得税法を参照しています。
- 国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」・「確定申告を要しない場合の意義」
- 国税庁「還付申告」
- 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」・「申告書に添付・提示する書類」
- 国税庁「住民税」寄附金税額控除の記入案内
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)に関するよくある質問」
- 国税庁e-Tax「税務署の受付日時等の確認」・「税金の納付」・「還付金の受取方法」
- e-Gov法令検索「所得税法」第120条・第121条・第122条
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務相談には応じられません。具体的な申告の判断は税務署・税理士にご確認ください。