源泉徴収票で確定申告する手順|入力する票の選び方・転記後の確認
給与の源泉徴収票は確定申告書への添付は不要ですが、票の内容を申告書へ入力する必要があります。手入力では、使う票を選び、年末調整の区分に合う画面へ転記してから、入力済みの一覧と照合します。
転職した年は前職分の二重入力、訂正票を受け取ったときは旧票の残存に注意します。このページは給与の源泉徴収票の入力・照合に絞り、欄の意味と税額の検算は源泉徴収票の見方、申告の要否は確定申告が必要になる条件で確認できます。
先に入力する源泉徴収票を選ぶ
まず年分・氏名・支払者を確認し、前職分を含む票や差し替えられた票を仕分けします。手元の票を、そのまま枚数順に入力しないようにします。
次は、給与所得の源泉徴収票を手入力する前の確認表です。同じ申告年分の給与が対象です。前職通算の有無や訂正票の差替対象が不明なら、勤務先に確認します。
| 票の状態 | 入力前の確認 | 使う票 |
|---|---|---|
| 前職通算済み | 現職の摘要欄にある前職の会社名・給与額と、前職票を照合する | 前職分を含む現職票。含まれる前職票を重ねて入力しない |
| 未通算の票 | 別の票の給与に含まれていないことを確かめる | 年末調整済みの票に加え、未通算の票も入力する |
| 訂正前後の票 | 同じ年分・同じ支払者の同じ給与について、差替対象かを勤務先に確認する | 差替対象と確認できた旧票を外し、訂正後の票を使う |
| 年調未済 | 勤務先の案内や各欄の記載から年末調整の有無を確認する | 未済の票を、未済に対応する入力画面で使う |
前職分を通算して年末調整した場合、現職の「支払金額」には前職の給与が含まれます。通算されていない別の給与まで入力対象から外さないよう、摘要欄と勤務先の回答を確認します。
令和7年分の架空例では、前職A社の給与100万円を含めて年末調整した現職B社票の支払金額400万円を入力し、前職A社票を追加しません(ほかに未通算の給与なし)。
この例は支払済みの給与だけを扱います。未払給与・未徴収税額の内書き、未払賃金の立替払や租税条約による免税がある票は、通常の票と分けて確認してください。
作成コーナーへ入力する順番
令和7年分の作成コーナーで、マイナポータル連携をせず給与を手入力する場合は、年末調整済み・未済を区別します。該当する入力ボタンから進みます。以下は国税庁の給与所得の入力案内(源泉徴収票が複数ある場合)に沿った手順です。
- 申告する所得を選ぶ。「申告する所得の選択等」で「給与」を選び、該当する質問に答えます。
- 給与の入力を開く。「収入・所得の入力」が表示されたら「給与所得」へ進みます。「給与所得の源泉徴収票の入力」が直接表示される場合もあります。
- 年末調整の区分を選ぶ。済み・未済に合う「+入力する」から、画面が求める項目に票の記載どおり入力します。
- 未通算の別の票を追加する。年末調整未済の票がほかにもあれば「もう1件入力する」から続け、入力後に「入力内容の確認」を押します。
- 一覧と計算結果を確認する。源泉徴収票の一覧に入力内容が反映されたことを確かめ、「入力終了」後に表示される計算結果を確認して先へ進みます。
上のボタン名・手順は令和7年分の操作資料のものです。別の年分を作成するときは、その年分を選び、表示された画面の案内に従ってください。
入力後は票と一覧を突き合わせる
票を入力済みの一覧と並べ、どの給与を入力したか追える状態にします。支払者が違う票の取り違えや、旧票の残存は、合計額だけでは見つけにくいためです。
次は、給与の源泉徴収票を手入力した後の照合表です。入力対象に選んだ票を、票ごとに一覧と照合します。
| 確かめる欄 | 照合するもの | 違ったとき |
|---|---|---|
| 支払者 | 票の会社名・所在地と、入力済み一覧の支払者 | 別会社の票や同じ給与の重複入力を調べる |
| 支払金額 | 票の支払金額と、その票の給与収入の入力値 | 給与所得控除後の金額や、振込手取額を入れていないか確認する |
| 源泉徴収税額 | 票の源泉徴収税額と、該当する入力値 | 毎月の給与明細の税額合計に置き換えていないか確認する |
| 年調の区分 | 勤務先の案内・票の記載と、選んだ入力区分 | 未済の票を済みの欄へ入れていないか戻って確認する |
紙で申告書を作る場合は、申告に用いる給与の票ごとの支払金額・源泉徴収税額を、第二表の「所得の内訳」へ転記します。給与所得の計算と各欄の意味は源泉徴収票の見方と検算にまとめています。
源泉徴収税額に未徴収分の内書きがあるときは、納付済みの税額と同じ扱いにしないよう、作成画面の内書きに関する案内を確認してください。
所得控除を重ねて入力しない
年末調整済みの控除を取り込んだあと、同じ保険料を追加で入力しないようにします。源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」を、さらに別の控除として加えることも避けます。
次は、給与の源泉徴収票から控除を入力する際の確認点です。票の欄と、確定申告で追加・変更する控除を分けます。各控除の対象になるかどうかは、リンク先の記事と国税庁の案内で確認できます。
| 確認する箇所 | 入力時の確認点 |
|---|---|
| 掛金の内書き | 小規模企業共済等掛金の内書きがあれば、総額への追加額として扱わない |
| 年調済み保険料 | 源泉徴収票から反映された分と同じ支払分を、追加の控除に重ねない |
| 追加・変更 | 年末調整の内容と違う箇所を、各控除の入力画面で確認する |
「社会保険料等の金額」に小規模企業共済等掛金が内書きされている場合、紙の申告書の社会保険料控除には内書き分を除いた金額を使います。小規模企業共済等掛金控除には内書きの金額を使います。作成コーナーでは自己判断で票の総額を書き換えず、対応する入力欄と案内を確認します。
紙の申告書で年末調整済みの所得控除の記入を省略できる範囲は、年末調整と同じ金額か、変更があるかで異なります。合計額だけを写せるとは決めず、国税庁の確定申告の手引き「所得から差し引かれる金額」で確認してください。
年調未済・訂正票で迷ったとき
年調未済で金額欄が空いている
年末調整未済の給与の票では、「給与所得控除後の金額(調整控除後)」と「所得控除の額の合計額」は記載対象ではありません。自分で額を計算して源泉徴収票の空欄を埋めず、未済の入力画面で票の記載に沿って進みます。年末調整を受けたはずなのに空欄なら、勤務先へ確認します。
申告の要否と精算先は年調未済とはで確認できます。
入力後に訂正票が届いた
申告前なら、同じ年分・同じ支払者のどの給与の差替えかを勤務先へ確認し、該当する入力内容を見直します。旧票を残したまま訂正票を追加しないための確認です。申告済みの場合は、申告年分と期限内・期限後の区分を確かめ、税務署に訂正の手続を確認してください。
カメラで読み取った
カメラ読取後も、年末調整の区分と、反映された会社名・金額を票に照らして確認します。国税庁のスマホ申告ご利用ガイド(令和7年分)も、読取内容の確認と必要に応じた補正を案内しています。操作全体はスマホで確定申告する手順へ進んでください。
手元に票が見当たらない
勤務先の交付案内と、電子交付されたデータの保存先を確認します。再発行を依頼する場合は、源泉徴収票の再発行に確認点をまとめています。税務署等で申告書を作成する場合は、給与の源泉徴収票を持参してください。
申告へ進む前の確認
- 年分・氏名・支払者を照合し、前職通算済みの分と訂正前後の票を重ねていないか確認する。
- 年末調整済み・未済に合う画面から入力し、票と入力済みの一覧の支払者・金額を突き合わせる。
- 内書きと追加控除を区別し、同じ保険料を重複して入力していないか確認する。
所得税の試算を別に行うときも、申告する年分と計算機の対応年分をそろえてください。
所得税計算機の対応年分・入力条件を確認するよくある質問
給与の源泉徴収票を確定申告書に添付しますか?
現在提出する所得税等の確定申告書には、給与の源泉徴収票の添付は不要です。ただし内容の入力・記載は必要で、税務署等で申告書を作成する場合には持参します。
前職分を含む票と前職票を両方入力しますか?
前職分を通算して年末調整した現職の票に含まれる前職給与は、重ねて入力しません。摘要欄などで含まれていることを確認し、通算されていない別の給与の票は入力対象に残します。
年調未済の空欄に自分で計算した額を入れますか?
源泉徴収票の空欄を自分で埋めず、年末調整未済に対応する画面で票の記載どおり入力します。年末調整を受けたはずなのに空欄の場合は勤務先へ確認してください。
出典
国税庁の給与所得の入力案内、確定申告の手引き、源泉徴収票の記載要領を参照しています。
- 国税庁「作成コーナーで『給与所得』を入力したい(マイナポータル連携をしない方):源泉徴収票が複数ある場合」
- 国税庁「源泉徴収票等の添付が不要となりました」
- 国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(令和7年分)第2 給与所得の源泉徴収票」
- 国税庁「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き(令和7年分)」
- 国税庁「スマホ申告ご利用ガイド(詳細版・令和7年分)」
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務相談には応じられません。具体的な申告の判断は税務署・税理士にご確認ください。