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消費税課税事業者届出書の書き方|用紙の違いと提出時期

消費税課税事業者届出書は、提出すべき事由が生じた場合に「速やかに」提出します。提出不要となる条件は、下の表の前で確認できます。

届出書には「基準期間用」と「特定期間用」があります。免税事業者が自ら課税を選ぶ「課税事業者選択届出書」とは用途が違います。

用紙を選び、適用開始課税期間と判定に使った期間を分けて記入します。この記事では国内の会社・個人事業者の届出実務を扱います。国外事業者、相続・合併・分割、新設法人などは、別の判定や書類も確認してください。

用紙の違いと公式様式

売上高などの要件により課税事業者となる届出と、免税事業者が課税を選ぶ届出は別です。用紙の名前に「選択」が付くかを確認してください。

基準期間用または特定期間用を提出した後、引き続き課税事業者であれば、基準期間用の再提出は不要です。選択届出書の提出日またはインボイス登録日の属する課税期間の翌課税期間以後も、基準期間用は不要です。相続等の主な例外は表の下で確認します。

書類使う場面公式様式・記載要領
課税事業者届出書
基準期間用
基準期間の課税売上高が1,000万円を超え、納税義務が免除されなくなる場合基準期間用の様式/記載要領
課税事業者届出書
特定期間用
基準期間が免税点以下でも、特定期間の判定で課税事業者となる場合特定期間用の様式/記載要領
課税事業者選択届出書免税事業者が課税事業者になることを自ら選ぶ場合選択届出の手続案内

特定期間の判定では、その課税期間の初日に国外事業者でない事業者は、課税売上高に代えて給与等支払額の合計額を使うこともできます。判定に使う期間は、設立や決算期変更、短期の事業年度で変わる場合があります。特定期間用の記載要領で確かめます。

個人事業者の特定期間は、その年の前年の1月1日から6月30日までです。法人の特定期間は、前事業年度が短期でない通常例では前事業年度開始日以後6か月です。前事業年度が短期の場合や設立・決算期変更などでは異なるため、記載要領の注を確認します。

相続・合併・分割や新設法人は別に確認

相続・合併・分割等によって納税義務が免除されなくなる場合は、自社の基準期間の売上高だけでは判断できません。この場合は基準期間用と付表を使います。

新設法人・特定新規設立法人に該当する場合は、それぞれの該当届出書も確認します。ただし、相続・合併・分割等がなく、課税期間の初日に国外事業者でない新設法人等で特定期間ができた場合は、特定期間の課税売上高または給与等支払額で先に判定します。新設法人という理由だけで、特定期間の確認を省かないでください。

課税・免税の判断や税額の比較を先に確かめたい場合は、インボイス制度の仕組みや消費税の還付と課税事業者の選択も参照してください。

いつ出すか・再提出は必要か

基準期間用・特定期間用の提出時期は、いずれも事由が生じた場合に「速やかに」です。基準期間用の再提出が不要となる条件は、上の比較表の前で確認できます。選択届出書の提出時期と取り違えないようにします。

対象提出の時点
基準期間用個人事業者・事業年度が1年の法人の通常例では、課税売上高が免税点を超えた年・事業年度の終了後、速やかに
特定期間用特定期間の判定で課税となる場合、その特定期間の終了後、速やかに

基準期間用は、課税される期間が終わるまで待って出す書類ではありません。基準期間用の記載要領は、個人事業者・年単位の事業年度の法人の通常例として、判定対象の年・事業年度の終了後に提出するよう説明しています。

過去の届出・登録の履歴を確認

過去の届出書の控えと、課税・免税の推移を照らし合わせます。基準期間用の提出を省略できる条件は、上の比較表の前で確認してください。

選択届出書は期限のある別手続

課税事業者を選択する通常の届出時期は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までです。休日でも翌日に延びません。事業を開始した課税期間から選択する場合は、その課税期間の終了日までに提出できます。

選択届出には、やむを得ない事情について承認を受ける特例や、飲食料品の譲渡に係る提出時期の特例もあります。郵便・信書便の通信日付印による提出日の扱いを含め、国税庁 No.6629「消費税の各種届出書」で該当する注を確認してください。

主な記入欄と書き方

先に「適用開始課税期間」を確定し、判定用の期間と、売上高・給与等支払額の該当する欄を記入します。提出日や届出を作成している事業年度を、そのまま適用開始欄へ写さないでください。

次の表は、基準期間用・特定期間用の記載要領にある主な欄です。売上高は国内取引を集計し、輸出売上を含め、売上返品等の税抜額を除きます。課税事業者であった期間は消費税・地方消費税抜き、免税事業者であった期間の課税売上高は税抜処理不要です。基準期間用の年換算が必要な法人は、表の年換算の行も確認します。

欄の名称記入する内容間違えやすい点
適用開始課税期間納税義務が免除されなくなる課税期間の初日・末日判定に使った過去の売上の期間とは別
基準期間用の「基準期間」適用開始課税期間に対応する基準期間の初日・末日提出日の属する期間を無条件に書かない
特定期間用の「特定期間」適用開始課税期間に対応する特定期間の初日・末日法人の設立・決算変更等では期間を再確認
総売上高・課税売上高
基準期間用の年換算対象を除く
基準期間用は基準期間、特定期間用は特定期間の金額総売上高と課税売上高を、混同しない
基準期間が1年未満の法人の売上高期間中の額÷月数×12で年換算。月数は暦で数え、1か月未満の端数は1か月基準期間用の総売上高・課税売上高に記入。特定期間用は年換算しない
特定期間用の「給与等支払額」給与等支払額の合計額により判定した場合は、その金額売上高なども算出している場合は、それぞれの欄に記載
個人の生年月日・法人の設立年月日個人事業者は生年月日、法人は設立年月日個人の開業日を書く欄ではない
法人の事業年度・資本金事業年度の初日・末日と資本金等。短期の法人は適用開始日を含む年度、設立初年度の変則期等は通常時の年度個人事業者は記載不要
基準期間用の「届出区分」届出の事情に該当する番号用紙に示された区分を確認
参考事項その他参考となる事項等がある場合に記入期間や売上高の欄の代わりにはしない

様式の欄ごとに、上記の記載要領を確認してください。

適用開始課税期間納税義務が免除されなくなる課税期間の初日・末日基準期間・特定期間納税義務の判定に使う期間の初日・末日届出を作る日と、記入する期間を分けて確認
適用開始欄には課税される期間、基準期間・特定期間の欄には判定に使う期間の初日・末日を記入します。

売上高の記入で間違えやすい点

判定期間と税区分別の集計をそろえてから、記載額を確かめます。税抜処理・輸出売上・返品等の扱いは、上の記入欄表の前に示した前提で確認してください。

例えば、国内の課税売上に輸出売上や非課税売上も混在している会社は、総売上高と課税売上高を区分して集計します。申告用の売上区分と集計表を照らし、決算書の売上高をそのまま両方の欄へ転記しないようにします。

基準期間が短期の法人では、決算書の実額と、基準期間用の届出書に記載する年換算額を区別します。年換算の月数については、消費税法9条も確認してください。

簡易課税の選択届出を提出済みの場合は、その適用要件も別に確認します。課税事業者届出書を出すことと、計算方式を選び直すことは別の手続です。詳細は簡易課税制度と届出へ。

税込・税抜の金額と端数処理を確認する

インボイス登録との関係

課税事業者届出書と、インボイス発行事業者の登録申請書は別の書類です。インボイスを発行するための登録申請を、課税事業者届出書で代用することはできません。

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける経過措置では、課税事業者選択届出書の提出は必要ありません。国税庁の登録手続案内に沿って、登録申請書を提出します。

インボイス登録だけを理由に、登録した課税期間の基準期間用の要否を決めないようにします。既に出している届出がある場合も、上の比較表の前に示した提出不要の条件を確認してください。

また、登録の手続と、申告で使う計算方式や特例の適用要件は別です。登録したという理由だけで特例を使えるとは限りません。申告方法の確認はインボイスの特例と終了後の選択に分けて整理しています。

提出方法と提出前の確認

提出先は納税地を所轄する税務署長です。基準期間用・特定期間用は、e-Taxソフトで作成・提出する方法のほか、書面を持参または送付する方法があります。受付時間・利用可能時間は、基準期間用・特定期間用の手続案内から確認してください。

相続・合併・分割等により課税事業者となり、基準期間用を提出する場合は、相続・合併・分割等があったことにより課税事業者となる場合の付表を添付します。

提出前は、用紙、適用開始課税期間、判定に使った期間、記入金額、過去の届出・登録の履歴を順に確認します。個人事業者が控えを保管する場合は、個人番号を控えに記載しないなど、取扱いに注意してください。

まとめ

まず「売上要件等で課税になる届出」か「自ら課税を選ぶ届出」かを分けます。用紙名と、記入する期間を先に確かめてください。

すでに出している届出やインボイス登録がある場合は、基準期間用の提出不要の条件も確認してください。

よくある質問

課税事業者届出書と選択届出書は同じものですか?

別の書類です。課税事業者届出書は売上要件などで課税事業者となる場合の届出、選択届出書は免税事業者が課税を自ら選ぶ場合の届出です。インボイスの登録申請も別に行います。

課税事業者届出書はいつまでに出しますか?

提出すべき事由が生じたら速やかに出します。基準期間用は、個人事業者・年単位の事業年度の法人の通常例では売上判定の対象となる年・事業年度の終了後に提出します。特定期間用は判定対象の特定期間の終了後に提出します。選択届出書の適用開始前の期限とは別です。

課税事業者届出書は毎年出しますか?

基準期間用または特定期間用を提出した後、引き続き課税事業者である限り、基準期間用の再提出は必要ありません。免税となった期間を挟む場合は、この継続を条件にした省略には当たりません。

総売上高と課税売上高は、どの期間の金額ですか?

基準期間用は基準期間、特定期間用は特定期間の金額です。適用開始課税期間の売上を書く欄ではありません。税抜処理、輸出売上・返品等、短期の法人の年換算を記載要領で確認して集計します。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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