契約社員とは|更新条件・通知書・満了時の確認表
契約社員は、あらかじめ雇用期間を定めて働く人を指す呼び方として使われます。更新の確認では、契約期間だけでなく、更新の有無・判断基準・上限を分けて読みます。
この記事は、会社と直接、期間を定めた労働契約を結ぶ人が対象です。会社の経理・労務担当向けに、更新時の書類と満了前の記録を照合する順番をまとめます。
契約社員は呼び方より契約内容を確認
契約の内容は、通知書・契約書で確認します。厚生労働省「さまざまな雇用形態」は、契約社員を有期労働契約の項目で説明しています。
ただし、社内の名称だけを見て有期契約と決めないことが大切です。無期転換後も呼び方が同じ場合があるため、まず現在の契約に期間の定めがあるかを確かめます。統計上の呼称と法律上の区分の違いは、非正規雇用とはで整理しています。
以下は直接雇用の有期契約についての確認表です。派遣先が使う就業条件の書類や、業務委託の契約書とは分けて扱います。
締結・更新・満了で見る書類の早見表
最初に、いま確認しているのが新しい契約の締結、契約の更新、契約満了のどの場面かを分けます。次の表は社内で資料を集めるための例で、法定の書式名を指定するものではありません。
| 場面 | 見る書類・記録 | 確認すること |
|---|---|---|
| 初めて契約を結ぶ | 労働条件通知書、雇用契約書、適用する就業規則 | 契約期間、更新の有無、実際に適用される労働条件 |
| 契約を更新する | 現在の契約と、次の契約の通知書・契約書 | 更新の判断基準・上限と、前回から変わる箇所 |
| 更新上限を新設・短縮する | 従来の上限、変更案、理由説明の記録 | 当初の契約締結後の変更・更新なら、変更前に理由を説明したか |
| 更新せず満了を迎える | 過去の契約、更新の経緯、本人の申込み、予告の記録 | 雇止め予告の対象、理由証明の請求、雇止めの有効性を別々に確認 |
通知書で更新の有無・基準・上限を分ける
有期契約では、更新の際も労働条件の明示が必要です。賃金や勤務場所が同じでも、次の契約期間と適用条件を確認します。厚生労働省のモデル労働条件通知書では、契約期間欄に更新に関する項目を分けて設けています。
| 欄 | 確認する内容 | 混同しやすい点 |
|---|---|---|
| 契約期間 | 今回の契約の開始日と満了日 | 今回の期間と、過去からの通算期間は別 |
| 更新の有無 | 自動更新、更新する場合がある、更新しない等の記載 | 更新する場合があることは、無条件の更新保証とは異なる |
| 更新の判断基準 更新する場合がある契約 | 満了時の業務量、勤務成績・態度、能力、経営状況、業務の進捗など | 左記はモデルの例。自社が実際に用いる基準を確認 |
| 更新上限 | 上限の有無。定めがある場合は更新回数や通算契約期間の上限 | 上限がないことと、いつでも更新されることは別 |
たとえば、今回の契約期間を読んだだけでは、次も更新できるかは分かりません。更新する場合がある契約なら判断基準を、上限がある契約ならその内容を、別の欄で照合します。上限に達した場合の終了の扱いは、下の契約満了前の確認も参照してください。
通知書と雇用契約書の役割
労働条件通知書は会社が条件を明示するための書面で、雇用契約書は合意した契約内容を確認するための書面です。兼用の書面でも、明示すべき内容がそろっているかと、合意内容が何かを分けて読みます。
労働契約法の書面確認の規定は、契約内容をできる限り書面で確認するとしています。通知書の交付記録と、契約内容の確認記録を対応させておくと、後から変更箇所を追いやすくなります。
労基法上の書面明示事項は書面で交付しますが、本人が希望する場合はFAXや、記録を出力して書面にできる電子メール等でも明示できます。会社の都合だけで電子交付に切り替えず、本人の希望と送付した内容を確認します。
労基法上の書面明示事項では昇給が除かれますが、有期雇用労働者には下の追加明示があります。項目全体は労働条件通知書の記載事項で確認できます。
有期雇用労働者への追加明示
有期雇用労働者を雇い入れたときは、更新時を含め、次の事項も速やかに文書等で明示します。パートタイム・有期雇用労働法施行規則の明示事項に沿って、古い様式の空欄も確認します。
| 事項 | 通知書で見る箇所 |
|---|---|
| 昇給の有無 | 昇給制度があるか、ないか |
| 退職手当の有無 | 退職手当制度があるか、ないか |
| 賞与の有無 | 賞与制度があるか、ないか |
| 待遇差の説明を求められる旨 | 通常の労働者との待遇の相違の内容・理由などの説明を求めることができる旨 |
| 相談窓口 | 雇用管理の改善等に関する相談の受付先 |
追加事項も、本人が希望すればFAXや、記録を出力して書面にできる電子メール等で明示できます。制度の有無を明示することと、待遇差が認められるかは別の確認です。後者は同一労働同一賃金で扱っています。
更新内容を変えるときの確認
前回と次回の書類を並べ、変わる欄を確認します。変更内容を伝えることと、その変更について合意があるかは分けて扱います。
| 変わる内容 | 照合する資料・事項 |
|---|---|
| 勤務場所・仕事内容 | 有期契約の締結・更新時は、雇入れ直後の内容と契約期間中の変更の範囲を明示 |
| 更新上限の新設・引下げ | 当初の契約締結後、変更・更新に際して行う場合は、あらかじめ理由を説明 |
| 賃金・勤務時間 | 前回の条件、次回の条件、適用する就業規則の該当箇所 |
| 契約期間中に無期転換申込みができることとなる契約の締結 | 申込機会と転換後の労働条件の明示も確認 |
上限の撤廃・延長は、この基準による理由説明義務の対象外です。無期転換時の明示には、昇給を除く書面事項や、定めがある場合の退職手当等の事項があります。具体的な通算・特例・転換後の条件は無期転換ルールで確認できます。
勤務地の記載を変える場合も、会社のどこへでも異動できると読み替えないようにします。契約期間中に通常想定される変更の範囲を確認し、臨時の出張や応援など一時的な変更と区別します。
上限を新設した理由を説明しただけで、契約変更や将来の雇止めの有効性が決まるわけではありません。説明前後の書類を残し、合意や更新経緯について確認が必要な場合は労務担当へ戻します。
契約満了前に確認すること
契約期間中の解雇と、満了時の雇止めを分けます。有期契約の期間中に会社が解雇する場合は、やむを得ない事由がなければできません。満了時に更新しない場合は、予告・理由証明と雇止めの有効性を別々に確認します。
有期契約を3回以上更新した人、または雇入れから1年を超えて継続勤務する人の雇止めは、満了日の30日前までに予告が必要です(あらかじめ更新しない旨を明示した契約を除く)。
予告日は最終出勤日ではなく契約満了日から逆算します。休日や担当者の不在で予告が後ろにずれないよう、社内の確認日を先に置きます。
| 確認すること | そろえる記録の例 |
|---|---|
| 予告の対象に当たるか | 過去の契約書、更新履歴、雇入れ日、不更新の明示内容 |
| 予告をしたか | 本人への通知内容、予告日、交付・送付の記録 |
| 更新しない理由の証明書 | 上記予告の対象となる雇止めでは、本人から予告後・雇止め後に請求があれば遅滞なく交付 |
| 更新を巡る経緯 | 本人の更新申込み、会社の説明、更新への期待に関係するやり取り |
予告をしたことだけで、雇止めが有効とは判断できません。契約満了日や更新上限に達したという記載だけで処理を終えず、過去の更新や本人の申込みも合わせて確認します。
雇止めの制限に当たるかは、労働契約法の有期労働契約の更新等の規定による確認が必要です。要件の説明は無期転換と雇止め法理の違いに譲り、この記事では個別の有効性を判定しません。
経理へ渡す記録
経理への連絡では、「契約満了予定」と「更新せず終了することが確認できた状態」を混同しないようにします。次の表は連絡漏れを防ぐための社内運用例で、法定帳票ではありません。
| 連絡欄 | 記録の例 |
|---|---|
| 契約の状態 | 更新予定、更新確認中、終了に向けて確認中など、未確定と確定を分ける |
| 適用する条件 | 契約の開始日・満了日、賃金、勤務時間、条件変更の適用日 |
| 根拠となる資料 | 該当する通知書・契約書と説明記録の保管先、確認担当者 |
| 終了時の確認事項 | 勤怠締め、未精算費用、最終給与に関して労務担当へ照会する内容 |
たとえば、通知書に満了日があるだけで、給与システムの在籍を終了に変更しない運用にします。更新確認中ならその状態を残し、契約関係を確認した担当者の連絡と対応させます。
保険や退職関係の届出を、この表だけで決めることはできません。加入条件は社会保険の加入条件、退職後の書類は離職証明書などの各論で確認します。
勤続期間・所定労働日数に応じた有給休暇の日数を確認するよくある質問
更新のたびに労働条件通知書が必要ですか?
必要です。有期契約の更新時も労働条件を明示し、書面で明示すべき事項を交付します。本人が希望する場合はFAXや、記録を出力して書面にできる電子メール等も使えます。
更新上限がなければ、ずっと働けますか?
上限がないことだけでは更新は保証されません。更新の有無と判断基準を確認します。一方で、更新拒絶が認められない場合もあるため、満了日だけで終了を判断せず、更新の経緯や本人の申込みも確認します。
更新上限を後から設ける場合、説明はいつしますか?
当初の有期契約締結後、変更・更新に際して上限を新設・引き下げる場合は、変更する前に理由を説明します。上限の撤廃・延長はこの理由説明義務の対象外です。説明と契約変更の有効性は分けて確認します。
雇止めと契約期間中の解雇は同じですか?
異なります。雇止めは満了時に更新しない場面で、有期契約の期間中の会社からの解雇は、やむを得ない事由がなければできません。雇止めの予告を済ませても、雇止めの有効性が決まるわけではありません。
まとめ
直接雇用の有期契約を確認するときは、現在の契約と次回の書類を並べ、更新の有無・判断基準・上限を分けて読みます。更新時の明示内容と、満了前の予告や申込みの記録をそろえ、経理には未確定事項も分かる形で渡します。
出典
- 厚生労働省「さまざまな雇用形態」契約社員の説明。
- 厚生労働省「モデル労働条件通知書」契約期間欄、記載要領。追加明示事項は下記の現行施行規則も参照。
- 厚生労働省「労働条件明示のルール変更」更新上限、就業場所・業務の変更の範囲、無期転換に関する明示の説明。
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則の労働条件明示の規定」。
- e-Gov法令検索「パートタイム・有期雇用労働法施行規則の明示事項・明示方法の規定」。
- e-Gov法令検索「パートタイム・有期雇用労働法の文書交付の規定」。
- 厚生労働省「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」更新上限の理由説明、雇止め予告、理由証明。
- e-Gov法令検索「労働契約法」書面による確認、契約期間中の解雇、有期労働契約の更新等。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。契約変更や雇止めの有効性、個別の離職理由は、契約内容と経緯によって判断が分かれます。個別の税務・労務相談には応じられません。実際の手続きは、社会保険労務士・弁護士または所轄の労働基準監督署・都道府県労働局へご確認ください。