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働き方改革とは|会社で確認する制度・書類・進め方

働き方改革は、働く人がそれぞれの事情に応じて、多様な働き方を選べる社会を目指す取組です。会社では、労働時間、休暇、待遇、柔軟な働き方を分けて確認すると、担当する仕事が見えてきます。

経理担当の入口は、勤怠・休暇・給与の記録です。下の対応表から関係する書類をそろえ、人事と確認する項目を整理できます。制度別の上限や計算方法は、各論へのリンクで確認してください。

働き方改革の目的と会社の対応

目的は、働く人の事情に合った働き方を選べる環境を整えることです。背景には、生産年齢人口の減少や、育児・介護などと仕事を両立するニーズの多様化があります。

厚生労働省「『働き方改革』の実現に向けて」では、長時間労働の是正、公正な待遇の確保、柔軟な働き方の環境整備などを挙げています。テレワークを導入したか、残業が減ったかだけで全体を評価するのは避けたいところです。

「働き方改革関連法」は、関係する法律を改正した法律の通称です。社内で対応を確認する際は、政策全体の目的と、個々の制度で求められる対応を分けます。

制度と確認書類の対応表

会社で主に確認する項目と、資料の例を整理しました。社内確認の入口を示す表であり、法定の提出書類を網羅する一覧ではありません。対象者・業種・採用している勤務制度に応じて、リンク先の各論で要件を確認します。

働き方改革の主な確認項目と社内資料
確認する項目そろえる資料の例照合する内容・各論
時間外・休日労働労使協定、届出の控え、勤怠記録協定の対象期間・対象業務と実績。時間外・休日労働協定の解説
年次有給休暇労働者ごとの年休管理簿、取得記録基準日・取得状況。年休の確実な取得の対象と数え方
割増賃金勤怠記録、賃金台帳、給与計算の設定時間区分と賃金計算の対応。残業代の計算方法
健康管理労働時間の状況の記録、産業保健担当への連携記録賃金計算と分けた時間把握。産業医と会社の対応
パート・有期雇用労働者の待遇雇用条件、賃金規程、職務と変更範囲の資料個々の待遇の内容と理由。同一労働同一賃金の解説
勤務間の休息就業規則、勤務予定、終業・始業の記録制度の導入と運用。勤務間インターバルの解説
柔軟な働き方勤務制度の規程、労使協定、利用手続適用する制度と実際の運用。フレックスタイム制の解説

年休管理簿は、労働者ごとに時季・日数・基準日を確認します。付与日数や残日数と、実際に取得した日数を混同しないようにします。

年休を前倒しで付与するなど基準日が複数ある場合は、基準日と取得日数の集計期間を確認します。具体的な記載例は、厚生労働省「年次有給休暇の確実な取得」の管理簿の解説を参照してください。

有給休暇の付与日数を計算する

付与日数の計算と、取得義務を満たしているかの確認は別の作業です。計算結果だけで取得状況の確認を終えないようにします。

経理と人事で分担する確認

経理では、勤怠の集計結果と給与計算の対応を確認し、制度の適用や雇用条件の不明点を人事へ戻す流れにすると整理しやすくなります。以下は社内の分担例であり、法令が部署名を指定しているという意味ではありません。

経理から人事へ渡す確認事項の例
気付いたこと経理で整理する資料人事と確認すること
勤怠と給与の時間数が違う対象者、対象月、集計欄、給与明細勤務制度、締め期間、時間区分の扱い
年休取得記録と残日数が合わない付与履歴、基準日、取得日の記録繰越し・前倒し付与等を含めた管理方法
同じ名称の手当に支給差がある支給対象、算定方法、賃金規程手当の目的、業務と責任、配置変更の範囲
残業が特定の担当者に集中する担当業務、処理日、差戻し・待ち時間業務の分担、承認経路、取引先との日程

同一企業内の正社員とパート・有期雇用労働者の待遇比較では、業務内容と責任の程度、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情を、待遇ごとの性質・目的に照らして確認します。総支給額や職名だけで適否を判断しません。

派遣労働者の待遇には別の仕組みがあります。また、職務内容と変更範囲が同じ場合の差別的取扱いの禁止も区別が必要です。比較の枠組みは同一労働同一賃金の記事で確認できます。

現状確認から改善までの進め方

まず記録をそろえ、制度上の確認と業務の改善案を分けて整理します。次の流れは、社内で検討する際の一例です。

記録から運用の確認へ 勤怠・休暇・給与の記録をそろえる 制度の要件と業務の課題を分ける 担当者・変更内容・確認日を決める 運用後の記録を見て見直す
社内検討の流れの例。制度の適用要件は、個別の資料で確認します。

改善案には、会議や承認経路の見直し、担当業務の分散、取引先との納期調整などがあります。厚生労働省の働き方改革パンフレットも、業務プロセスや取引慣行の改善を挙げています。

確認表には「課題」「変更する業務」「担当」「実施時期」「確認する記録」を残します。未確認の制度要件があれば、確認先と担当も記録し、改善案の検討とは分けて管理できます。

月末の残業を見直す架空例

次は、月末に請求書の確認と振込承認が集中する会社を想定した、編集上の架空例です。実在企業の成功事例や、残業削減の効果を示すものではありません。

月末業務の見直しを記録する例
課題変更案運用後に見る記録
請求書が締め日に集中受領時に不足情報を確認し、月末前に差戻す受領日、差戻し日、確定日
承認者の不在で処理が止まる承認予定と代理承認の範囲を整理する申請から承認までの待ち時間
担当者の休暇日に仕事が滞る未処理一覧と引継ぎ手順を共有する引継ぎ件数、処理漏れ、実際の勤怠

変更後は残業時間に加え、処理漏れや別の担当者への負担も確認する設計にします。「早く退勤する」とだけ決めるより、どの仕事を誰へ移すかまで記録すると、次の見直しにつなげられます。

混同しやすい制度と義務

義務と努力義務を同じ欄にしない

勤務間インターバル制度の導入は、一般制度では企業の努力義務です。業種別の休息規制と混同せず、制度の位置付けを確認します。時間外労働や年休のルールと、同じ強さの義務として一括表示しないようにします。

残業代の対象外でも健康管理を外さない

健康管理のための労働時間の状況の把握には、管理監督者や裁量労働制が適用される人も含まれます。割増賃金の計算方法と、健康管理の記録を別々に確認します。

助成金の申請と制度対応を分ける

助成金を調べる場合は、働き方改革推進支援助成金のコース・経費・申請手順を参照してください。本記事の確認表を、そのまま助成金の申請書類一覧に使うことはできません。

よくある質問

働き方改革とは、残業を減らすことですか?

残業削減を含みますが、それだけではありません。働く人が事情に応じて多様な働き方を選べる社会を目指し、公正な待遇や柔軟な働き方の環境整備などにも取り組むものです。

中小企業でも働き方改革に取り組む必要がありますか?

中小企業・小規模事業者も取組の対象です。ただし、個別の義務や対象者は制度ごとに異なるため、企業規模だけで判断せず、労働時間・年休・待遇などに分けて確認します。

経理担当は何から確認すればよいですか?

勤怠、年休の取得記録、給与計算に使う資料をそろえるところから整理できます。記録と規程が合わない項目や対象者が分からない項目を、人事への確認事項としてまとめる方法があります。

テレワークを導入すれば対応は終わりですか?

テレワークの導入だけで働き方改革全体への対応が終わるわけではありません。長時間労働、公正な待遇、休暇なども関係するため、採用する制度と実際の運用を項目別に確認します。

出典

制度の総論は、厚生労働省の資料を参照しています。社内の分担表・改善手順・月末業務の例は、確認作業を整理するための例です。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案への助言や適法性の判断を行うものではありません。実際の制度運用は、管轄の労働局・労働基準監督署、社会保険労務士などにご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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