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働き方改革推進支援助成金|令和8年度のコース別確認表

働き方改革推進支援助成金は、生産性を高めながら労働時間や休暇制度を改善する中小企業事業主などの取組費用を助成する制度です。設備購入だけで支給が決まるものではなく、コースごとの成果目標の達成が必要です。

令和8年度は、企業向けの時間短縮・年休・インターバル・業種別のコースと、団体・荷主集団向けのコースがあります。まず申請主体を分け、上限表、経費、締切を確認します。交付申請と、実施後の支給申請は別の手続です。

申請主体と改善したい課題でコースを分ける

令和8年度のコース別の入口です。表の申請主体は、各コースの事業主要件を満たすことが前提です。会社単独と団体・荷主集団では、申請書や成果目標が異なります。

令和8年度のコースと主な取組
コース申請主体・課題主な取組例
労働時間短縮・年休促進支援中小企業事業主。時間外・休日労働の上限設定や年休制度の整備勤怠ソフト、能率増進設備、研修、規程整備
勤務間インターバル導入中小企業事業主。終業から次の始業までの休息制度制度の新規導入、適用範囲の拡大、休息時間の延長に向けた環境整備
業種別課題対応建設、運送業等、病院等、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造、情報通信、宿泊の各要件を満たす中小企業業種別の時間短縮、休暇、休息制度等に対応する機器導入や研修
団体推進要件を満たす事業主団体・共同事業主構成事業主へのセミナー、巡回指導、共同利用設備など
取引環境改善荷主又は倉庫事業者と、運送事業者を含む、要件を満たす荷主集団等荷待ち・荷役時間短縮に向けた調整、設備導入など

業種別課題対応は、企業の業種名だけでは決まりません。たとえば、情報通信業・宿泊業はその業種を主たる事業とすること、病院等は医業に従事する医師が勤務する病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院を営むことなど、専用の条件があります。

企業向けでは、労災保険の適用、中小企業の資本金・労働者数の区分、指定事業場の年休管理簿や必要な就業規則の届出を確認します。対象に指定した事業場ごとの資料が必要になり、本社の資料だけで済むとは限りません。

企業向けの上限は成果目標の条件とセットで読む

上限額は受給額の約束ではありません。成果目標別の上限と加算を確認したうえで、対象経費に補助率を掛けた額と比べます。以下は加算を含めない公表上限の抜粋です。

労働時間短縮・年休促進支援の時間短縮目標

令和8年度の労働時間短縮・年休促進支援コースにおける、時間短縮目標の助成上限額です。各行は36協定に定める月の時間外・休日労働時間数の変更前後を示します。実労働時間の減少幅の表ではありません。

36協定の設定時間数の変更上限額
月60時間超80時間以下 → 月60時間以下100万円
月80時間超 → 月60時間以下150万円
月80時間超 → 月60時間超80時間以下50万円

この表は金額の区分です。目標選択には、申請前の協定届と時間外労働の実態等の要件もあります。年休の計画的付与や特別休暇を導入する目標は、交付要綱の成果目標の節で確認します。休暇制度自体の違いはリフレッシュ休暇の記事に分けています。

勤務間インターバルを新規導入する場合

令和8年度の勤務間インターバル導入コースの新規導入時の助成上限額です。休息時間は、計画で指定した事業場に導入する時間数のうち最も短いものを使います。適用範囲の拡大・時間延長の金額はこの表に含めません。割合の母数には、派遣先で受け入れた派遣労働者を含めます。派遣労働者への適用に係る就業規則等は派遣元で整備します。

新規導入の適用対象休息9時間以上11時間未満休息11時間以上
所属労働者の半数超100万円150万円
所属労働者の4分の1超・半数以下50万円75万円

導入対象の割合も上限を変えます。制度の意味は勤務間インターバルの解説へ、助成対象となる過去の時間外労働や協定等の条件は勤務間インターバル導入コースの支給要領へ進みます。

業種別課題対応は専用の表を使う

令和8年度の業種別課題対応コースの建設業で、36協定の時間外・休日労働の上限設定目標を初めて選択し、事業主・成果目標の要件を満たす場合の上限例です。加算を含まない上限額で、所定外労働時間の削減目標との同時選択はできません。

建設業の36協定の設定時間数の変更上限額
月80時間超 → 月60時間以下250万円

この建設業の表は一例で、ほかの変更幅には別の上限区分があります。他の業種や目標の上限を、この例から転用しないでください。建設業では所定休日の増加、病院等では医師の働き方改革の推進など、業種固有の目標があります。厚生労働省の業種別課題対応コースに、建設・運送・病院等・砂糖製造・情報通信業と宿泊業の別表があります。

補助率と加算の確認

令和8年度の企業向けコースの助成額は、成果目標・加算による上限と、対象経費に補助率を掛けた額の低い方で、1,000円未満を切り捨てます。

令和8年度の企業向けコースの補助率は3/4で、常時使用労働者30人以下の事業主が労務管理用ソフトウェア・機器等又は能率増進設備等を導入・更新し、改善事業の費用合計が30万円を超える場合は4/5です。

賃金引上げや割増賃金率引上げの加算は、目標を選んで達成した場合の上限への加算です。人数、引上げ率、賃金台帳等の条件があるため、基本の設備費にそのまま足すものではありません。

団体・荷主集団の経費と上限

令和8年度の団体向けの算定方法です。団体推進・取引環境改善は、主体要件と成果目標を満たすことを前提に、次の額のうち低い額を使います。令和8年度の団体推進・取引環境改善では、算定額の1,000円未満を切り捨てます。

コース助成額の算定経費・取組例
団体推進対象経費の合計額、総事業費から収入(寄付金を除く)を控除した額、上限500万円のうち最も低い額セミナー、巡回指導、構成事業主が共同利用する能率増進設備など
取引環境改善対象経費の合計額と上限100万円のうち低い額荷待ち・荷役短縮に向けた取引先調整、運送事業者等が利用する設備など

令和8年度の団体推進は、構成事業主の半数以上に改善事業の取組又は結果を活用してもらう目標があります。団体の成立・活動実績・構成についても要件があるため、単に複数社で機器を購入する制度ではありません。

令和8年度の取引環境改善では、代表事業主と構成員を合わせて3者以上の集団を対象とし、荷主又は倉庫事業者と運送事業者の双方を含むことが主な要件です。

集団に活動実績又は具体的な活動見込みがあり、構成運送事業者の中小企業割合が半数を超えることも必要です。

令和8年度の取引環境改善では、構成員である運送事業者の半数以上が改善事業に自ら関与することが成果目標の要件です。実際に削減された労働時間数など、改善事業そのものの直接的成果までは求めていません。構成要件の全体は取引環境改善コースの支給要領で確認します。

交付申請・事業完了・支給申請の期限

令和8年度の各コースの交付申請を電子申請で行う場合、標準期限は令和8年11月30日17時です(受付の例外は下の注)。

令和8年度の支給申請期限は、事業実施予定期間の終期から30日後と、表の支給申請の最終日のいずれか早い日です(例外は下の注)。

対象コース・区分事業実施の最終日支給申請の最終日
年休促進・インターバル・業種別課題対応(砂糖製造業を除く)令和9年1月31日令和9年2月5日
業種別課題対応の砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県)令和9年3月14日令和9年3月19日
団体推進・取引環境改善令和9年2月14日令和9年2月26日

郵送は交付申請・支給申請とも各期限当日の消印が有効です。主な例外:予算により交付申請の受付が早く終わる場合があります。事業実施期間や支給申請期限に労働局長の別段の決定・承認がある場合は、その内容によります。事業主の責任によらない大規模な障害・災害等の期日後申請にも、交付申請では後続事業に支障がないこと、支給申請では年度内の会計処理に支障がないこと等の条件があります。休日に当たる期限の取扱いと提出方法は管轄労働局へ確認します。

「実際に納品された日」から提出期限を数えると、交付決定で認められた予定期間とずれることがあります。社内の管理表には、交付決定通知に記載された事業実施予定期間の終期と、支給申請期限を別欄で残します。

交付決定前の着手と、実施後の報告を分ける

見積りの取得、交付申請、交付決定、事業実施、実績報告・支給申請の順に進みます。交付申請を出した時点を、購入や事業開始の許可と取り違えないことが要点です。

交付申請と支給申請は別の手続 交付申請 交付決定 事業実施 実績報告・支給申請
見積りは交付申請の準備。助成事業の実施は交付決定後の計画に沿って行います。

企業向けでは、交付決定前の発注・契約・支払を予定に入れず、決定後の事業実施予定期間で導入・運用を組みます。既に発注した案件を、申請書の日付を整えて対象に戻せると考えることはできません。

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、軽微なものを除く計画変更は事前承認が必要です。交付決定時に助成対象と認められなかった経費は、後の変更申請でも追加できません。機種や金額が変わる場合は、変更を実行する前に管轄労働局へ確認します。

対象経費は見積書の総額から切り分ける

以下は令和8年度の労働時間短縮・年休促進支援コースの経費の種類の例です。計上できる額は、事業との関係・対象期間・費目別上限などの要件を満たす範囲に限ります。業種別・団体向けに転用する一覧ではありません。

改善事業の例費用の例主な確認事項の例
労務管理・能率増進設備ソフトウェア、機器の購入・設定、リースなど成果目標との関係、通常業務用との区分、契約期間
研修・専門家の支援研修受講料、専門家謝金、委託費など実施内容と成果物、費目別上限、通常の顧問業務との区分
規程整備・人材確保就業規則の整備、採用に関する広告等法令上の義務の履行費用との区分、人材確保に関する費用か

主な対象外区分は、通常の事業活動費用、支払手数料、法令上の義務の履行費用です(PC等の例外は下の注)。包括的な顧問契約は改善事業に関係する範囲、広告宣伝や事業広報は人材確保の取組に係る範囲で確認します。

リース・サービス利用・保守契約等は、契約期間と事業実施予定期間を照合し、支給要領の利用契約等の費用算定を確認します。

パソコンは用途で扱いが変わる

同コースで長時間労働恒常化特例に該当しない一般事務用のパソコン・タブレット・スマートフォンは、対象外です。ただし、会計給与システム等の特定業務専用システムを稼働させるための導入が明らかな場合には、購入費を対象に含める扱いがあります。

専用システム用途のほかに、外的要因や協定の継続などの要件を満たす事業主向けの長時間労働恒常化特例があります。特例の判定には、支給要領の対象経費の節にある専用の要件を確認します。

経理担当が残す書類と支払証拠

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、労使の話合いの機会と苦情等の担当者を設けます。全指定事業場の改善が見込めるなら、話合いの機会は企業単位で整備できます。担当者の職氏名・役割と計画は、指定事業場の労働者に書面等で周知します(周知不要とされる情報を除く)。

同コースでは、取組の実施・費用の支出・成果目標の達成の各観点で、添付資料をそろえます。重複する書類を重ねて提出する必要はありません。請求書があっても、設備の導入や成果目標の達成まで証明できるわけではありません。

段階残す資料の例照合すること
交付申請の準備事業実施計画、見積書、仕様書、協定・規程、年休管理簿改善の目的、対象事業場、費用と日程
導入・研修の実施納品書、導入機器の写真、研修内容と実施日時、議事録・周知記録計画した取組が実際に行われたこと
費用の支払領収書、銀行振込受領書、通帳等の振込記録支払人の名義、金額、支払日
実績報告・支給申請支給申請書、事業実施結果報告書、新旧規程・協定、賃金台帳、勤怠等成果目標の達成と対象経費の支出

同コースで複数の見積書を取得できる取組は、事業者間の比較を準備します。同一グループ内でそろえた見積りは、複数の提出が困難な場合の例外を除き、必要な相見積りには当たりません。類似サービスがないなど複数の取得が困難な場合には、市場参考価格等の資料での確認が求められる場合があります。

同コースの支払は事業主本人・代表者又は法人名義で行います。後述する支払時期の例外に当たらない費用は、支給申請日までに支払を完了し、カード・小切手等では口座からの引落しも済ませる必要があります。

支払時期の主な例外として、事業実施予定期間中に支出義務が生じ、額が確定し、期間中に支出しない相当の事由がある費用は、申請後の支出も対象に含められます。専門家謝金から源泉徴収した所得税の納付等が例です。

消費税は、見積書の税込総額をそのまま転記せず、交付申請時の仕入控除税額の扱いと、受給後の確定報告を確認します。詳細は補助金・助成金と消費税の解説に分けています。

年次有給休暇の付与日数を確認する

よくある質問

設備を買ってから申請できますか?

企業向けコースは、交付申請・交付決定を経て計画に沿って事業を実施する流れです。購入後に申請する制度と取り違えず、発注・契約の前に対象コースの要綱と管轄労働局の案内を確認します。

交付決定があれば、入金まで手続は不要ですか?

不要ではありません。取組後に事業実施結果を報告し、支給申請を行います。支出と成果目標の達成について審査を受け、交付額が確定する手続が残っています。

休暇制度を新しく作るだけでも対象ですか?

制度を作ったことだけでは支給が決まりません。労働時間短縮・年休促進支援コースでは、選んだ休暇の成果目標、指定事業場の条件、対象経費等を確認します。時間単位年休と特別休暇の導入目標は、制度の導入済み状況を含めて確認します。

取引先と連携すれば取引環境改善コースになりますか?

連携するだけでは該当しません。集団の構成要件と成果目標の両方を満たす必要があります。具体的な要件は、上の「団体・荷主集団の経費と上限」で確認してください。

申請前にそろえる確認表

  • 申請主体と対象業種を確かめ、当年度のコースを選ぶ。
  • 設備の品名からではなく、現在の協定・休暇・休息制度と成果目標を対応させる。
  • 上限額、対象経費、補助率・加算を分けて確認する。
  • 交付決定後の実施と、実績報告・支給申請を別の工程にする。
  • 予定期間の終期、申請期限、支払の引落日を管理表に残す。

次に読む

出典

厚生労働省の令和8年度のコース別案内と、下記の交付要綱・支給要領を参照しています。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の受給可否の判断や申請代行を行うものではありません。実際の申請は、管轄の都道府県労働局、または社会保険労務士にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

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