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基準価額とは:1口と1万口・分配落ち・費用控除を公表データで検算

基準価額は投資信託の単位当たりの値段で、自分の保有残高そのものではありません。画面の表示単位と自分の口数をそろえると、保有評価額を計算できます。

以下では、運用報告書の純資産総額と総口数から公表価額を再現します。運用会社が示す金額と、自分の残高画面の金額を分けて読むための参照表です。

基準価額と評価額は、単価と合計額

基準価額の計算は、ファンド全体の純資産総額を総口数で割るところから始まります。純資産総額は、組入資産を時価評価し、配当・利息などの収入を加え、負債や運用費用を差し引いた額です。

一般的な投資信託は基準価額を1万口当たりで公表しますが、表示単位は商品ごとに確認します。以下は当初元本1口1円・基準価額を1万口表示する投資信託の計算です。

単価と保有額の区別
数字表しているもの使う口数
純資産総額ファンド全体の差引き後の資産全体の総口数で割る
基準価額表示単位当たりの値段公表されている表示単位
保有評価額自分の保有分を時価で表した額自分の保有口数を使う
ファンド全体から単価へ、自分の保有額へ換算する流れファンド全体から単価へ純資産総額 ÷ 総口数→ 公表する口数単位へ換算自分の保有評価額へ基準価額 × 自分の保有口数÷ 表示単位の口数
ファンド全体の総口数と、自分の保有口数は役割が違います。

公表された純資産と総口数から検算

運用報告書の全体版にある「資産、負債、元本及び基準価額の状況」では、純資産と受益権総口数を同じ決算日の列で確認できます。月次レポートの概数を混ぜず、円・口の実数が載る列を使います。

出典は楽天・高配当株式・米国VYMファンド(四半期決算型)の運用報告書全体版です。表は2026年7月15日・第5期末の分配落ち後の公表値と検算で、基準価額は1万口当たりです。検算の小数は小数第3位を四捨五入し、公表値との照合には円単位の四捨五入を使います。

同じ決算日の公表値をつなぐ検算表
報告書の項目公表値・検算値読む順番
A 資産6,279,120,366円マザーファンド評価額、現金相当の資産、未収利息など
B 負債41,213,211円未払分配金や未払信託報酬などを含む
C 純資産総額6,237,907,155円AからBを引く
D 受益権総口数4,640,795,415口このファンドの口数。投資先の口数とは別
C÷D×表示単位の口数約13,441.46円円単位に丸める前の検算値
基準価額の公表値13,441円検算値を円単位で四捨五入すると一致

この四捨五入は公表値との一致を調べるための検算です。各商品の約款に定める端数処理を一律に説明するものではありません。

報告書の元本と純資産総額も別の項目です。総口数を分母にするとき、元本やマザーファンドの残高を分子に置き換えないようにします。

自分の保有評価額に直す

保有評価額は、公表された基準価額に自分の保有口数を掛け、表示単位の口数で割ります。ここで使うのはファンド全体の口数ではありません。

2026年7月15日のVYMファンド(四半期決算型)の分配落ち後の基準価額を使い、1万口当たり13,441円・架空の保有口数100万口を固定して、購入・換金費用と税を除く保有評価額を計算します。

公表価額を使う架空の保有評価額
計算結果
基準価額 × 保有口数 ÷ 表示単位の口数13,441 × 1,000,000 ÷ 10,000 = 1,344,100円

これは換金後の手取り額ではありません。換金に使う基準価額の決まる日、信託財産留保額などの費用、税の扱いによって、実際の入金額は異なります。口座画面では、評価額・取得金額・評価損益・換金見込額の欄名も区別します。

注文時点の画面にある価額と、取引に適用される価額が同じとは限りません。受付日・約定日・受渡日の違いは基準価額の更新と注文の流れで説明しています。

分配落ちは負債の欄で確かめる

分配金はファンドの純資産から支払われるため、その分が基準価額の下落要因になります。ただし、前営業日との差には組入資産や為替の変動、運用費用なども含まれます。前日比と分配額がそのまま一致するとは限りません。

2026年7月15日・VYMファンド(四半期決算型)の運用報告書全体版では、次の未払額が負債に含まれています。上の純資産総額と1万口当たり基準価額は、これらの負債を差し引いた後の値です。

純資産を出す前に差し引かれた未払額の例
負債の内訳から抜粋公表額
未払収益分配金27,844,772円
未払信託報酬1,831,827円

未払分配金を含む負債を控除して基準価額を計算した後、同じ分配金をもう一度そこから引くと二重控除になります。分配後の保有評価額と、別に受け取る分配金を分けて確認します。

普通分配金・元本払戻金や再投資の扱いは、分配金と基準価額の関係を扱う記事で、別の商品の確定実績を使って説明しています。

控除済みの運用費用を二重に引かない

信託財産から控除された信託報酬などの運用費用は、基準価額に反映されています。その基準価額から保有評価額を計算した後に、同じ運用費用を再び引く必要はありません。

購入時手数料や換金時の費用、税は別に確認します。「運用費用が反映済み」という説明を、あらゆる支払いを差し引いた手取り額という意味には使いません。

運用中に差し引かれた費用の確認先は、運用報告書の費用明細や目論見書です。料率と実績額の違いは信託報酬の説明へ進むと確認できます。

数字が合わないときの確認表

公表資料と残高画面の照合
食い違い確認する欄
単価と残高が一致しない表示単位と自分の保有口数。基準価額は単価、評価額は保有分の合計
報告書から価額を再現できない同じ決算日の純資産総額と総口数か。母体と投資先の口数が混ざっていないか
小さな端数差が残る円・千円・百万円などの表示単位、資料の丸めと省略桁
分配時の値下がりが合わない分配前後の違いと、同時に起きた組入資産・為替・費用の変動
評価額と入金見込が違う換金価額の適用日、信託財産留保額などの費用、税の区分
確認の順番

資料の基準日と表示単位をそろえ、ファンド全体の価額を再現してから、自分の口数へ換算します。最後に、換金費用や税を含む入金見込額と区別します。

よくある質問

基準価額が上がれば、保有口数も増えますか?

値段の上昇だけでは口数は増えません。基準価額は単価で、買い増しや分配金再投資による購入とは別です。残高画面の価額と口数を分けて読みます。

基準価額が高い商品ほど、保有評価額も高くなりますか?

自分の保有口数も合わせないと評価額は比べられません。基準価額は単位当たりの値段なので、価額の高低だけで自分の資産額は決まりません。

評価額から信託報酬をさらに引きますか?

基準価額に反映済みの運用費用は再び引きません。購入や換金の費用、税を考慮した手取りとは区別します。

公表価額を使った計算は、そのまま換金時の入金額になりますか?

なりません。計算日の保有評価額であり、取引に適用される価額の決まる日や、換金費用・税の条件を別に確かめる必要があります。

算出過程を確認した後、仮定した利回りと費用が積立額に与える差は、次のツールで試算できます。ここで検算した実績を将来の利回りとして保証するものではありません。

積立シミュレーターで利回りと費用の仮定を変える

出典

実績の参照日は各表に記載しています。確認日以後に資料が差し替わっても、検算表は記載した決算日の履歴です。保有口数の設例は架空です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の商品の購入・売却を勧めるものではありません。個別の税務上の取扱いは所轄税務署・税理士にご確認ください。

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