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個人事業主の扶養|税の所得と健康保険の収入の確認表

個人事業主も、所得や生計などの要件を満たせば家族の扶養に入れます。ただし、税の控除と健康保険の被扶養者認定は別々です。税は合計所得金額、健康保険は加入先の基準による見込み収入で確認します。

売上だけを家族に伝えても、扶養の確認は終わりません。税の必要経費と、適用できる青色申告特別控除を反映した額を用意します。健康保険で差し引ける経費を確認した額は、別に用意します。

このページは、個人で事業を営む人が家族の扶養に入る場合の資料整理を扱います。家族を雇う事業主の年末調整は個人事業主の年末調整、学生の契約や親への確認は学生の起業と扶養で説明しています。

税と健康保険の確認表

税の手続きには年間の合計所得金額を、健康保険には加入先の基準による年間の見込み収入を使います。以下は確認の入口で、金額が小さいだけで控除や認定が決まるわけではありません。

個人事業主が家族の扶養に入るときの使い分け
確認先使う金額併せて確認すること
家族の所得税本人の年間の合計所得金額配偶者かその他の親族か、生計、専従者の除外など
家族の健康保険加入先の基準で求める年間の見込み収入主な生計維持、家族の範囲・同居、国内居住等の要件

開業届を出したことや、青色申告者であることだけで税の控除は決まりません。健康保険も、税の控除対象になったという理由だけで認定されるものではありません。

事業の資料から税と健康保険の確認を分ける流れ 総収入と経費の明細をそろえる 税の確認適用できる青色控除も反映合計所得金額を家族へ 健康保険の確認加入先が認める経費で集計見込み収入と生計維持を確認
家族の税の控除用に計算した所得を、健康保険の認定用収入へそのまま転記しないようにします。

税の合計所得金額を求める

事業所得に当たる収入は、総収入から税務上の必要経費を引き、適用できる青色申告特別控除を反映して計算します。総収入には売上のほか、自家消費などの経済的利益が含まれることもあります。

必要経費は、収入に対応する売上原価などの直接費や、その年に生じた業務上の費用です。家事費は含めません。仕事と私用が混ざる支出は、取引記録などから業務上直接必要だったと明確に区分できる額に限ります。

支払日だけで経費の年を決めず、債務確定や減価償却などの扱いも確認します。費用の内容・計上年・家族への支払いの特例は、個人事業主の経費の確認表と国税庁「必要経費の知識」に分けています。

青色控除と所得控除は引く段階が違う

青色申告特別控除は、適用要件を満たす額を所得の計算に反映します。一方、基礎控除や社会保険料控除は、家族の扶養判定に使う合計所得金額から差し引きません。

青色申告特別控除の額は、記帳・申告の要件や現金主義の特例の選択などで異なります。控除対象となる黒字所得が上限です。不動産所得もある場合は控除の順序も確認します。条件は国税庁「青色申告特別控除」を参照してください。

給与など別の所得も確認する

事業所得のほかに給与所得もある人は、それぞれ計算した所得を合計所得金額の確認に使います。給与所得控除を事業の売上から引くことはできません。

損失や譲渡所得・一時所得などがあると、単純な足し算では求められません。損益通算、繰越控除前の金額、非課税所得や申告不要を選択した対象所得の除外などを、国税庁「年末調整のしかた」の合計所得金額の説明で確認します。

以下の計算例は、事業所得のみで他の所得や損失がなく、家内労働者等の必要経費の特例を使わない場合に絞っています。

配偶者と親・子で確認する控除を分ける

配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除、配偶者以外の親や子などは扶養控除を確認します。配偶者について扶養控除の人数に加えることはできません。

配偶者の所得区間

次は令和8年分の通常の年末調整で、国内居住の法律上の配偶者と生計を一にし、控除を受ける本人の年間合計所得金額が1,000万円以下の場合です。配偶者がその年に青色事業専従者給与を一度も受けず、白色事業専従者にも当たらないことが前提です。配偶者特別控除の相互適用・源泉徴収による制限にも該当しない場合を扱います。

配偶者の年間合計所得金額と確認する控除
年間合計所得金額確認する控除
62万円以下配偶者控除の所得区間
62万円超133万円以下配偶者特別控除の所得区間
133万円超配偶者控除・配偶者特別控除の所得要件を満たさない

この表は控除額ではなく、確認する控除の区分です。控除額は控除を受ける本人の所得や配偶者の所得・年齢などで異なります。具体的な要件は国税庁「配偶者控除」と「配偶者特別控除」で確認できます。

この表は年の中途の死亡・出国や国外居住を扱いません。改正の施行前に行う準確定申告等は、上記の国税庁案内にある適用関係を別に確認します。住民税の控除額・非課税判定も、この所得税の表とは分けて確認します。

親や子などの扶養控除

配偶者以外の家族は、所得要件に加え、親族の範囲、生計、年齢、専従者の除外などを確認します。同じ家族について扶養控除を重複して申告することはできません。具体的な区分は扶養控除の要件と区分表で確認できます。

子などが扶養控除の所得要件を超えた場合は、年齢・所得等の条件に応じて特定親族特別控除を確認します。在学の有無だけで決まる制度ではありません。年齢や所得の区分は学生の起業と親の扶養に分けています。

健康保険で差し引ける経費を確認する

健康保険では、確定申告書の所得をそのまま認定用収入にしません。事業の総収入と経費の内訳を示し、どの経費を差し引けるかを加入先の保険者に確認します。

協会けんぽで障害者の区分に当たらない60歳未満の配偶者は、認定時点とその後の年間見込み収入130万円未満が収入要件です。生計維持等の別要件も必要です。

見込み収入には、事業分のほか、給与、失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金・出産手当金も含めて確認します。税で非課税になる給付も、健康保険では収入に含まれる点に注意が必要です。

被保険者に主として生計を維持されていることが必要です。同居なら収入の比較、別居なら仕送り額との比較もあります。同居時の比較には世帯全体で判断する例外があります。国内居住の要件・例外、親族の範囲、本人の他の保険資格も含め、社会保険の扶養の一般条件で確認してください。

費目だけで全国共通の可否を決めない

セキスイ健康保険組合の認定条件では、自営業者の収入は総収入から直接的必要経費を差し引いた額とされ、青色申告特別控除や減価償却費などは差し引けません。

同組合は、地代家賃や広告宣伝費などを、業務に関することが明確なら認める費目として挙げています。これは同組合の取扱いです。ほかの保険者への申請で、そのまま使う一覧ではありません。

加入先へ経費の扱いを尋ねるための準備例
用意する欄書く内容
税務上の経費科目名、年間額、事業との関係
業務分の根拠私用と混在する場合の区分額と記録
認定用の取扱い加入先が差引きを認める額、認めない額、回答の記録
今後の見込み受注や経費が変わる予定と、その根拠になる契約等

給与も受ける人は、給与と事業収入を分けて示します。日本年金機構が案内する労働契約内容による認定は、収入が給与収入のみの人を対象としています。事業収入がある人へそのまま当てはめることはできません。

同じ事業を別々に計算する設例

青色申告特別控除を使うと、税の所得と健康保険の認定用収入に差が出ることがあります。次は差引き計算を比べる設例で、特定の費目が健保で認められるという事例ではありません。

令和8年分・事業所得のみの設例で、他の所得・損失・家内労働者等の特例はなく、総収入は売上のみとします。税は正規の簿記による記帳・決算書等の要件を満たし、現金主義の特例を選ばず、申告書・決算書等を期限内にe-Taxで送信して青色控除を適用する仮定です。画像添付だけの送信ではありません。健保は同じ対象期間の見込みで、経費は加入先が認める額と仮定します。

税の事業所得と健康保険用収入の差引計算(設例)
計算するもの設例の差引計算
税の事業所得総収入180万円−必要経費60万円−青色控除65万円=55万円
健康保険用の見込み収入総収入180万円−認定用経費40万円=140万円

税の配偶者控除の所得区間と、健康保険の収入要件は一致しません。青色申告特別控除後の税の所得を、健康保険用の収入と読み替えないことが要点です。

家族・勤務先・保険者へ渡す確認票

家族の年末調整担当へは税の所得見積り、健康保険の担当へは認定用収入の資料を渡します。次は資料の取り違えを防ぐ確認票の例で、所定の申告書・認定用書類の代わりではありません。

本人と家族の勤務先で共有する内容
目的共有するもの確認する点
家族の年末調整対象年分、総収入、必要経費、適用する青色控除、ほかの所得配偶者本人の合計所得金額の見積りが、売上や課税所得になっていないか
健康保険の認定事業内容、経費明細、ほかの収入、今後の見込み資料加入先の基準で経費を引いたか、生計維持等の条件を満たすか
見積りの変更受注増減、経費変更、給与や給付の開始など税と健康保険の訂正・届出の要否

協会けんぽの収入確認では、自営収入がある人の資料に直近の確定申告書の写しが挙げられています。ただし、税法上の控除対象配偶者・扶養親族は、事業主の証明で収入確認書類を省略できます。非課税の年金・給付等の受取額の通知書等は別途必要です。

続柄・仕送りなど収入以外の確認書類もあるため、日本年金機構の添付書類一覧で該当区分を確認します。

開業直後で確定申告書がまだない場合や、健康保険組合へ申請する場合は、代わりに何を提出するかを加入先に確認します。提出資料と経費の認定基準は、別々に尋ねると取り違えを減らせます。

まとめ

個人事業主が家族の扶養に入るときは、税の合計所得金額と健康保険の認定用収入を分けて集計します。税の青色申告特別控除と健康保険で認める経費を混同せず、家族の勤務先へ渡す数字にも用途を書き添えましょう。

税の扶養控除の区分・控除額を確認する親や子など、扶養控除の要件を確認した家族の試算用です。配偶者控除・健康保険の認定用には使いません。

よくある質問

個人事業主が開業届を出したら、家族の扶養から外れますか?

開業届だけでは決まりません。税は合計所得金額や生計・親族関係などの控除要件、健康保険は加入先の収入認定や主な生計維持などの要件で確認します。開業後の収入見込みや、提出資料の変更も加入先へ確認します。

基礎控除を引いたら所得が少なくなります。家族の税扶養の判定にも使えますか?

基礎控除を引いた後の課税所得は使いません。家族の税の控除では、本人の合計所得金額を確認します。青色申告特別控除は適用要件を満たす額を所得計算に反映しますが、基礎控除や社会保険料控除とは引く段階が違います。

税の配偶者控除の対象なら、健康保険の扶養にも入れますか?

税の控除対象でも、健康保険の認定は別です。事業の見込み収入から差し引ける経費を加入先に確認し、給与・給付などほかの収入や、主な生計維持などの条件も合わせて確認します。税の所得欄をそのまま認定用収入にしないでください。

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出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。個別の税務・労務相談には応じられません。税の申告は税務署・税理士、健康保険の認定は加入先保険者にご確認ください。

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