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リファラル採用とは|紹介受付・報奨金の規程と給与処理の確認表

リファラル採用は、従業員が友人や知人を自社の採用候補者として紹介する方法です。会社側では、紹介の受付と採用選考を分け、報奨金を設けるなら支給条件と給与処理まで決めて運用します。

経理担当が受け取るのは「紹介してくれたので謝礼を払って」という依頼だけでは不十分です。対象となる紹介か、規程の条件を満たしたか、誰が承認したかを確認できる記録が必要です。

以下は自社従業員による紹介を中心にした確認表です。社外の人への募集委託は別に確認し、報酬額だけで適法性を判断しません。

紹介受付から支給までの担当と記録

採用の判断は人事・採用部門が行い、給与担当へは支給判定の結果を引き継ぐ形にすると、選考情報と支払情報を整理できます。次の表は社内運用の例で、法定様式ではありません。

段階担当の例残す記録の例
募集内容の共有人事・募集部門募集職種、応募条件、求人票の版、応募窓口
紹介の受付人事紹介者、受付日時、本人の応募意向、応募経路の重複
選考・採否連絡採用部門・人事選考結果、本人への連絡、紹介者への共有範囲
入社・支給条件の確認人事・承認者適用規程、条件を満たした根拠、承認記録
給与への反映給与担当・経理支給対象者、支給額、支払時期、処理済みの記録
紹介と支給を分けて記録する流れ紹介受付・選考人事が窓口支給条件の判定規程・根拠・承認給与処理・記録支給済みを照合選考情報と支払情報を分けて管理
社内運用の例。紹介受付の記録を、支給判定と給与の記録へつなぎます。

紹介で広がる接点と、選考で守ること

紹介を通じて、求人を探していなかった人に仕事内容を伝えられる点が特徴です。ただし、紹介だから採用するという運用にすると、能力・経験の確認や不採用の連絡が曖昧になります。

厚生労働省掲載の「企業等の採用手法に関する調査研究」にも、紹介経由でも不合格があり、他の経路と同じ採用過程で判断する企業の例が載っています。紹介と採用の決定は分けて案内できます。

期待できる点運用で気をつける点
従業員から仕事の実情を伝えられる個人の経験と正式な労働条件を混ぜず、会社の求人票で確認する
応募前に会社との接点を作れる説明を聞く段階と、選考へ応募する段階を分ける
外部への採用費を比較できる紹介手当だけでなく、面接・連絡の工数も記録する
紹介者が候補者を知っている知人関係を採否の保証にせず、辞退や不採用の窓口を人事に置く

費用削減や入社後の定着を、紹介という経路だけで保証することはできません。制度を比べる際は、同じ募集職種・期間で応募、採用、辞退と費用を記録し、採用人数だけで評価しない運用が考えられます。

自社従業員への紹介報奨金は、賃金等として支払う実態を確認します。職業安定法40条は、募集に従事する被用者や募集受託者への報酬を制限し、賃金・給料等の支払と、認可に係る報酬を除外しています。

規程に「紹介手当」と書いただけで、支払の実態を確かめなくてよいわけではありません。同条には、金額だけで適法と判断できる安全額の定めはありません。

以下は職業安定法36条の募集委託と、上記の報酬制限の整理です。従業員以外への単なる情報提供依頼と募集委託の区別など、個別の該当性は労働局に確認します。

依頼先と支払の形確認すること
自社従業員に賃金等として支給募集業務の実態、賃金規程、支給条件、給与処理を確認する
自社の被用者以外に有償で募集を委託厚生労働大臣の許可と、報酬額の事前の認可が必要
自社の被用者以外に無償で募集を委託厚生労働大臣への届出の規定がある

退職者や取引先への謝礼を、在籍従業員向けの制度へそのまま混ぜないようにします。また、募集者・募集受託者は応募者からその募集に関する報酬を受け取れません(職業安定法39条)。

報奨金の規程で決める項目

先に対象者・支給条件・時期を決め、紹介を受け付けた時点の規程を確認できる形にします。以下は規程を点検する項目例です。完成した就業規則のひな形ではありません。

項目確認内容の例
紹介者の対象自社従業員の範囲、採用担当者を対象とするか
募集の対象職種、雇用形態、既応募者・選考中の人の扱い
支給条件紹介受付・入社・在籍確認のどの事実で判定するか
支給額と時期額の決め方、支給日、給与担当への連絡期限
重複する経路複数社員の紹介、直接応募、人材紹介経由との優先関係
辞退・退職条件達成前の辞退や退職、支給後に退職した場合の扱い
制度の変更施行時点、旧制度との境界、承認者と問い合わせ窓口

常時10人以上の労働者を使用する事業場で、紹介手当を臨時の賃金等として定める場合は、就業規則の記載・届出事項を確認します(労働基準法89条)。

上記の臨時の賃金等は退職手当を除きます。通常の賃金、退職手当には同条の別の記載事項があります。就業規則の作成・変更時の意見聴取と周知は、同法の作成手続・周知義務も確認します。

別規程に分ける場合も、就業規則や賃金規程との関係を確認します。規程の基本構成は就業規則の作成と変更で扱っています。

架空の制度で支給判定を照合する

架空の設例では、人事担当者を除く自社従業員が紹介し、候補者の入社を確認した後に紹介手当50,000円を支給する制度とします。法定額や相場ではなく、税引前の支給額を仮定した例です。

受付後の状態設例での処理判定の記録
入社を確認した規程上の対象者であることを確認し、支給を承認する受付記録、適用規程、入社確認、承認者
内定を辞退し、入社しなかった入社の条件を満たさないため支給しない辞退の事実と、支給条件未達の記録
別の社員からも紹介されていた規程の優先関係で対象紹介を確定し、二重に支給しない受付日時、他経路の記録、決定理由

紹介者が支給前に退職した場合など、設例で決めていない条件は規程に戻って確認します。支給後の候補者の退職を理由に、紹介者の次回給与から自動で差し引く運用にはしません。返還の根拠と賃金控除の可否を分けて確認します。

賃金の全額払いと控除の例外は労働基準法の賃金支払の規定にあります。規程に返還条項があることと、給与から控除できることは別の確認です。

給与課税と、支給記録への反映

従業員に業務の対価として金銭で支給する紹介手当は、給与所得として扱います。「謝礼」「報奨金」という名称だけで非課税にはなりません。根拠となる給与・手当の範囲は国税庁「給与所得となるもの」で確認できます。

紹介手当の支給額と、本人に振り込む手取り額は分けて管理します。会社が給与を支払う場合の源泉徴収は国税庁「源泉徴収義務者とは」を参照し、支給方法に応じた給与・賞与の計算へつなぎます。

人事から渡す情報給与担当の照合先
紹介者の社員番号・氏名支払先の従業員情報
適用規程・条件達成の記録承認された紹介手当の支給依頼
支給額・支給時期給与明細の支給項目、適用する給与・賞与の処理
受付案件と処理済みの記録過去の支給記録。再申請時の重複を確認

賃金台帳は各事業場ごとに作成し、賃金計算の基礎となる事項や賃金額等を支払の都度、遅滞なく記入します(労働基準法の賃金台帳の規定)。紹介案件の記録と支給記録が対応する形を考え、選考評価の共有は必要な範囲にとどめます。

従業員への業務対価の紹介手当を商品券に替えても、それだけで給与課税を回避できるわけではありません。旅費等の実費精算、特定の非課税手当、現物給与の特別な取扱いとは分けます。社会保険の報酬・賞与の区分も、所得税の所得区分とは別に確認します。

給与の源泉徴収税額を確認する

給与・賞与の区分を確認したうえで、対応する計算方法を使用します。紹介手当だけを入力して、給与全体の手取りとみなす計算ではありません。

候補者の情報と、募集内容の管理

候補者自身が応募窓口へ連絡できる形にすると、紹介者が履歴書や連絡先を転送しなくても受付できます。紹介者には求人案内と応募先を渡し、本人の応募意向を確認する運用が考えられます。

募集者は、募集目的に必要な範囲で、目的を明らかにして個人情報を収集し、その目的内で保管・使用することが求められます(例外は下の注)。職業安定法の個人情報の取扱いを参照してください。

上記の範囲には本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合の例外があり、同法は適正管理のための措置も求めています。本人が応募する窓口は運用例で、唯一の法定手続きではありません。

受付票には、応募意向、情報の利用目的の案内、必要な情報の共有範囲と担当者を残します。紹介者へ知らせる進捗と、本人だけへ通知する評価・合否理由を事前に分け、社内チャットへ広く転載する運用を避けます。

会社が広告等で提供する募集情報は、虚偽や誤解を生じさせる表示をせず、正確かつ最新に保ちます(職業安定法の的確な表示の規定)。社内で共有する求人票にも版と更新担当を付けると、紹介者の古い説明との食い違いを点検できます。

よくある質問

紹介されたら採用しなければなりませんか?

採用を保証する制度として運用する必要はありません。紹介は候補者との接点、採否は会社の選考で決めることを、紹介者と候補者へあらかじめ説明する運用が考えられます。

紹介報奨金は少額なら問題ありませんか?

金額だけでは判断できません。募集に従事する自社従業員への支払が賃金等に当たるかを確認し、社外の人への募集委託は許可・認可・届出の規定を別に確認します。

従業員への紹介手当は謝礼として非課税にできますか?

名称だけでは非課税になりません。従業員へ業務の対価として金銭で支給する紹介手当は給与所得として扱い、非課税手当や実費精算と区別します。

候補者が辞退した場合も支払いますか?

事前に定めた支給条件で判断します。入社確認を支給条件にした制度なら、入社前の辞退では条件を満たしません。紹介受付だけで支給する制度とは分けて確認します。

紹介受付の記録、規程による支給判定、給与への反映をつなぐと、経理で確認すべき情報が揃います。支給依頼には対象者・適用規程・条件を満たした根拠・承認を付け、処理済みかも照合します。

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出典

制度の確認時点は2026年10月28日。確認表と支給判定の設例は社内運用を整理するための例です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務・労務相談への回答ではありません。実際の税務判断は税務署・税理士へ、労務上の判断は労働局・社会保険労務士等へご確認ください。

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