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労働審判とは|申立書が届いた会社の答弁書・証拠・期日対応

労働審判の申立書が会社に届いたら、答弁書の提出期限と期日を確認し、会社の説明を裏付ける証拠をそろえます。受領した書面を人事・経理・経営者で共有し、弁護士へ依頼する場合は速やかに相談できるよう準備します。

労働審判は、解雇や賃金不払いなど、個々の労働者と事業主の労働関係に関する民事上の紛争を扱う裁判所の手続です。この記事は、申立書を受け取った会社の事務対応に絞ります。

申立書が届いてからの対応表

最初に見るのは、届いた書類の指定期限です。裁判所のQ&Aでは、指定期限までに答弁書と証拠書類の写し等を裁判所へ提出すると案内しています。申立人への写しの送付は、下の答弁書の節で確認します。

段階会社の確認・準備
書類を受領呼出状などを確認し、提出期限と期日を社内で共有する。
答弁書の提出前認否・会社の説明・争点と証拠をそろえ、指定期限までに提出する。
期日への出席説明できる関係者・資料・調停案を検討する体制を確認する。
調停が成立調書の条項を確認し、支払いなど合意内容の履行を管理する。
審判が出た送達・告知の日を記録し、異議の要否と期限を確認する。

特別の事由がある場合を除き、初回期日は申立てがされた日から40日以内の日に指定されます(労働審判規則13条)。会社が書類を受け取った日から数える期限ではなく、答弁書の提出期限は審判官が別に定めます。

申立書・呼出状を受領指定期限までに答弁書・証拠期日で審理・調停 合意できた調停成立まとまらない労働審判 適法な異議訴訟へ移行
日本の裁判所に管轄権がある事件の主な流れ。申立ての取下げなどによる終了もあり、手続が適当でないと判断された場合は事件が終了し、訴訟に移行します。

答弁書の記載事項

答弁書は、申立人の説明のどこを認め、どこを争うかを示す書面です。労働審判規則16条の記載事項を、社内で資料を集めるための確認表にすると次のようになります。

記載事項整理する内容
申立ての趣旨への答弁求められている結論に対する会社の答弁。
事実に対する認否申立書の事実ごとに、認める点と争う点を区別する。
答弁を理由づける具体的事実会社側が説明する出来事、日付、関係者。
予想される争点と重要な事実何について食い違いがあり、判断にどの事実が関わるか。
争点ごとの証拠各説明を裏付ける書類と、その書類で示したい事実。
交渉など申立てに至る経緯当事者間のやり取り、あっせん等で交渉した経緯。

このほか当事者・代理人などの一般的な記載事項も必要です。争点についての証拠書類があれば写しを添付します。提出前には、担当裁判所の案内も確認します。

会社が提出する答弁書や添付する証拠書類の写し等は申立人へ直送しますが、直送が困難など相当の事由がある場合は、裁判所書記官からの送付を申し出ることができます(労働審判規則20条)。

書式は裁判所「労働審判で使う書式」で確認できます。

証拠を争点ごとに整理する

資料は種類だけでなく、どの事実を説明するかで整理すると、答弁書との対応を確認できます。次の表は、裁判所Q&Aにある証拠書類の例を参考にした会社内の準備例です。

確認したい内容手元で探す資料の例
契約・賃金の定め雇用契約書、就業規則、賃金規程、給与明細。
勤務時間出勤簿、タイムカード。争われている期間と照合する。
退職・解雇の経緯退職証明書、解雇通知書、解雇理由書。
交渉の経緯当事者間の連絡や面談の記録、あっせんで交渉した記録。

たとえば賃金額が争点なら、契約上の定めと支払記録を同じ期間で並べます。未確認の記憶と書類で確認できる事実は分け、法的な評価や提出する範囲は弁護士に確認します。

賃金資料の確認に:残業代の概算を試す

この試算は、賃金資料を整理する際の参考用です。

期日と調停に備える

初回期日前に、主張と証拠の準備を進めます。特別の事情がある場合を除き、労働審判は3回以内の期日で審理を終結する手続です(労働審判法15条)。

主張と証拠書類の提出は、やむを得ない事由がある場合を除き、第二回期日が終了するまでに終える必要があります(労働審判規則27条)。答弁に対する反論は期日で口頭でする扱いで、補充書面を提出することもできます。

期日では、必要に応じて会社の代表者や従業員などから事情を聴かれます。会社内の準備例として、出来事を直接知る人、説明に使う資料、調停案が示された際の決裁・連絡体制を整理しておきます。

審理が終わるまでの期日で、話合いによる解決の見込みがあれば調停が試みられます。合意する前の確認例は、支払額・支払日・退職日・書類交付・費用負担です。合意した調停の内容は調書に記載され、条項によっては強制執行の申立ても可能です。

本人での対応を禁じる制度ではありません。代理人は法令上の代理人や裁判所が許可した場合を除き、弁護士であることが必要です(労働審判法4条)。

審判への異議と訴訟移行

審判に不服がある場合は、担当裁判所へ異議申立書を提出します。審判書の送達、または期日での審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間の不変期間内が期限です(休日の扱いは下の注、労働審判法21条・裁判所Q&A)。

期間の末日が土日祝または年末年始の裁判所の休業日なら、次の開庁日まで延びます。年末年始の対象日は出典の期間計算の規定を参照し、具体的な最終日は担当裁判所で確認してください。

日本の裁判所に管轄権がある請求で適法な異議申立てがあれば、審判は効力を失って訴訟へ移り、労働審判申立て時に訴えが提起されたものとみなされます(労働審判法22条)。

適法な異議申立てがなければ、審判は裁判上の和解と同じ効力を持ちます。金銭の支払いを命じる審判が確定した場合は支払いが必要で、履行しなければ強制執行の手続につながります。

会社の対応の要点

  • 受領した書面の提出期限と期日を確認する。
  • 答弁書の各説明と証拠を対応させ、指定期限までに提出する。
  • 調停で合意した内容、または審判後の異議・履行の対応を管理する。

よくある質問

会社は申立書を受け取ったら何をしますか?

まず答弁書の指定期限と期日を確認します。申立書と証拠を読み、会社側の認否・説明と証拠を整理して裁判所へ提出します。申立人への写しの送付方法も確認します。

弁護士に依頼することは義務ですか?

本人対応も可能です。ただし代理人となれる人には制限があり、法令上の代理人や裁判所の許可がある場合を除き弁護士が必要です。依頼する場合は書類の受領後、速やかに相談できるよう準備します。

労働審判は公開されますか?

非公開です。ただし、労働審判委員会が相当と認める人の傍聴を許すことはあります。

審判に異議を申し立てれば事件は終わりますか?

日本の裁判所に管轄権がある請求で適法な異議申立てがあれば、審判の効力は失われ、訴訟へ移行します。異議申立てだけで紛争が終わるとは限りません。

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出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する法律相談や税務・労務相談ではありません。具体的な紛争への対応は弁護士に、提出方法や書類は担当裁判所にご確認ください。

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