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販管費とは?内訳と売上原価・営業外費用との区分表

販管費は、商品を売るための販売費と、会社全体を運営するための一般管理費を合わせた費用です。営業担当者の給与、出荷運賃、広告費、本社の事務費用などが該当し、売上総利益から差し引いて営業損益を求めます(黒字は営業利益、赤字は営業損失)。

区分は何に使った費用かで決まります。同じ給与や減価償却費でも、通常の製造活動に関するものは製造原価です。このページでは、日本基準の一般事業会社を対象に、用途別の区分表と月次集計の例を示します。

販管費の内訳と費用の区分表

販売費は営業・販売活動、一般管理費は経理・総務など会社全体の管理活動の費用です。まず用途を分け、その後で給与・運賃・広告宣伝費などの科目へ集計すると、工場費用の混入を見つけやすくなります。

次の表は、一般事業会社の通常の販売・管理活動と製造活動を対比した代表例です。科目名だけで分類せず、使用する部門と業務の内容を確認します。

用途から確認する費用区分
費用の使い道集計先確認する資料
営業担当者の給与・会社負担の社会保険料販売費(販管費)所属・業務内容、給与明細
経理・総務担当者の給与、本社事務費用一般管理費(販管費)所属、費用の目的
販売促進の広告、売上比例の契約による販売手数料販売費(販管費)広告の内容、販売委託契約
販売商品の荷造り・出荷の運賃販売費(販管費)配送伝票の発送元・届け先
原材料を仕入先から引き取る運賃材料の購入原価材料仕入に伴う引取費用か
工場の製造担当者・製造補助担当者の給与製造原価の労務費作業内容、部門・作業時間
本社・営業部門が使う設備の減価償却費販管費固定資産台帳、使用部門
工場で製造に使う機械の減価償却費製造原価の経費固定資産台帳、使用目的
通常の資金借入れにかかる支払利息営業外費用借入契約、利息の計算明細

特殊な資産取得に伴う利息、リース、研究開発費、異常な損失や遊休設備の費用は、この表の通常業務の例による判定の対象外です。金融業・建設業などの業種別表示やIFRSの取扱いも対象外です。

範囲の根拠は、財務諸表等規則第84条と金融庁の同規則ガイドライン84です。ガイドラインは販売・管理業務の給料、福利厚生費、通信費、減価償却費などを例示しています。

運賃・人件費・減価償却費の境界

運賃は「何をどこへ運んだか」を見る

販売出荷の運賃と、原材料を買い入れる引取運賃は分けます。前者は販売費の例、後者は材料の購入原価に含める費用です。請求書に「運賃」とだけ書かれている場合は、配送伝票や発注内容を確認します。

原価計算基準「十一 材料費計算」は、材料買入の引取運賃等を購入原価へ加算する扱いを示しています。材料の値引・割戻等の控除や、予定配賦率・予定価格等による計算の取扱いもあるため、実際の運賃を個別に足す方法に限定されません。

通常の工場の間接作業も製造原価になる

製品に直接ひも付かない費用でも、通常の製造活動のためなら製造原価に含まれます。工場の製造補助作業の人件費を、「間接部門だから」という理由で本社の一般管理費へまとめないようにします。

原価計算基準「八 製造原価要素の分類基準」は、機能による分類と、製品に対する直接費・間接費の分類を分けています。給与の支給項目や労務費の詳細は、労務費の内訳と人件費との違いで確認できます。

減価償却費は設備の使用部門で分ける

本社用の設備なら販管費、通常の製造に使う工場設備なら製造原価へ集計します。設備の購入額と当期の減価償却費も区別し、固定資産台帳にある使用部門と償却費の明細を確認します。

売上原価の計算と税務上の計上時期は、売上原価の記事に分けています。

販管費と固定費は同じ意味ではない

販管費は費用の用途による区分、固定費・変動費は活動量の変化に対する増減の区分です。売上比例の契約による販売手数料のように、売上とともに増減する販管費もあります。損益分岐点を調べるときは、販管費の合計をそのまま固定費に置き換えず、費用の性質を分けて入力します。

固定費・変動費を分けて損益分岐点を計算する

月次明細から営業利益まで集計する例

販管費の明細を合計し、売上総利益から差し引きます。

以下は月次の架空設例で、単位は万円です。販売・管理部門の費用は全額を当月に計上済みとし、営業外収益はなく、営業外費用は表の支払利息だけとします。税額や現金支払額を示す表ではありません。

架空設例:販管費明細から営業利益・経常利益へ(万円)
項目金額集計方法
販売・管理部門の人件費180万円販管費へ
販売出荷の運賃40万円販管費へ
広告宣伝費30万円販管費へ
本社の事務費用50万円販管費へ
販売・管理設備の減価償却費20万円販管費へ
販管費合計320万円上の明細の合計
売上総利益500万円売上高から売上原価を控除した額
営業利益180万円売上総利益−販管費合計
支払利息10万円営業外費用へ
経常利益170万円営業利益−支払利息
売上総損益 − 販管費 = 営業損益 営業損益 + 営業外収益 − 営業外費用 = 経常損益 損失の場合は、負の損益として 次の計算へ渡す
販管費は営業損益を求める段階で控除し、営業外費用とは分けて集計します。

計算の根拠は会社計算規則第90条と第91条です。営業損益や経常損益が負なら、それぞれ営業損失・経常損失として表示します。

損益計算書での表示と明細の確認先

販管費が合計表示されていても、内訳の確認は必要です。自社の元帳・補助科目・部門別集計と、損益計算書に載る販管費の合計を照合します。

年次財務諸表の一括表示で、財務諸表等規則第85条の主要費目は、少額を除く減価償却費・引当金繰入額と、それ以外で販管費合計額の10%を超える費目です。合計で一括表示するときは、同規則ガイドライン85-1により、販売費と一般管理費のおおよその割合も注記します。

業種別の法令・準則が適用されない株式会社の年次計算書類では、会社計算規則第117条が附属明細書に販管費の明細を表示することを求めています。財務諸表等規則の注記ルールを、同規則の適用のない会社へそのまま義務付けるものではありません。決算書全体の構造は損益計算書の見方をご覧ください。

元帳から集計するときの確認手順

次は、自社の管理用に区分表を整える手順例です。科目名に加えて、使用部門と取引の目的を残すと、翌月以降も同じ区分で比較できます。

  1. 元帳から費用科目を取り出す。給与・法定福利費・運賃・減価償却費などを、部門情報と合わせて確認します。
  2. 用途ごとに振り分ける。販売、全社管理、製造、通常の資金借入れなどを分け、分類理由を摘要や区分表に残します。
  3. 共通費の扱いを確認する。本社と工場が共同利用する設備などは、使用時間・使用面積等と用途の対応を検討します。配賦基準を便宜的に変えて利益を動かさないよう、採用理由を残します。
  4. 明細と合計を照合する。決算整理で追加した償却費や未払費用が元帳にも集計表にも重複していないかを確認し、販管費合計を損益計算書へつなぎます。

迷う取引は、勘定科目一覧で候補を確認したうえで、契約・配送・作業内容などの資料に戻ります。科目名を変えるだけで、取引の性質や費用の計上時期が変わるわけではありません。

販管費の集計は、費用の用途をそろえるところから始まります。販売・管理業務の費用を集め、製造原価と営業外費用を分け、内訳の合計を損益計算書へ照合します。

よくある質問

販管費に人件費は含まれますか?

販売・管理業務に従事する人の給与や福利厚生費は含まれます。通常の製造活動に従事する人の費用は製造原価として集計するため、会社の人件費をまとめて販管費に入れる扱いではありません。

売上原価と販管費はどう違いますか?

売上原価は販売した商品・製品等に対応する原価、販管費は販売・一般管理業務に関する費用です。

支払利息は販管費ですか?

一般事業会社の通常の資金借入れの支払利息は営業外費用として区分します。特殊な資産取得に伴う利息、リースや金融業の表示はこの説明の対象外です。

販管費を減らすと粗利も増えますか?

売上高と売上原価が変わらなければ、粗利は変わりません。その条件で販管費が減ると営業利益が増えます。費用を売上原価から販管費へ付け替えて粗利を変えることと、費用そのものを減らすことは区別します。

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出典

金額表は分類と集計を説明する架空例です。個別の取引は契約内容と適用される会計基準に応じて判断します。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する助言ではありません。個別の判断については税理士・公認会計士へご確認ください。

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