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介護保険法とは|保険者・被保険者・要介護認定・給付の仕組み

介護保険法は、介護が必要になった人に保険でサービスの費用を給付する仕組みを定めた法律です。保険を運営するのは市町村(特別区を含む)で、被保険者は市町村に住所がある65歳以上の人(第1号)と、市町村に住所がある40〜64歳の医療保険加入者(第2号)です(障害者支援施設の入所者などの除外と、施設入所時の特例あり)。

介護給付・予防給付を受けるには、保険者の市町村の要介護認定・要支援認定を受けます(第2号は原因が特定疾病の場合に限る)。会社員の介護保険料は、第2号の分を健康保険などの医療保険者が医療保険の保険料と一緒に集めます。

早見表:介護保険法の骨組み

介護保険法(平成9年法律第123号)の、2026年10月1日時点で施行されている条文で確かめた骨組みです。右の列は根拠の条です。

項目内容条
目的要介護状態などの人に、保健医療・福祉サービスの給付を行う1条
保険者市町村と特別区3条
被保険者第1号と第2号(次の節)9条
認定市町村が要介護認定・要支援認定をする19条・27条
保険給付介護給付・予防給付・市町村特別給付18条
保険料第1号は市町村が集める(年金からの天引きを含む)、第2号は医療保険者が集める129条・150条
被保険者(第1号・第2号) 市町村に申請 職員の調査・主治医の意見 介護認定審査会 → 市町村が認定 要支援 予防給付 要介護 介護給付 第2号は、原因が特定疾病の場合だけ
認定を受けてから給付を受けるのが基本の流れです(認定の効力が生じる前に緊急でサービスを受けた場合などは、市町村が必要と認めれば特例の給付、42条)。第2号被保険者は、原因が特定疾病の場合に限られます。

被保険者は第1号と第2号

介護保険法9条は、市町村の区域内に住所がある人を、年齢と医療保険の加入で2つに分けています。表の対象のうち、施行規則170条の施設に一定の条件で入所・入院している人は被保険者になりません(適用除外、住所地特例などとあわせて表の下で説明)。労災保険など政令で定めるほかの法令の給付とは、介護保険の給付が調整されます(20条)。

区分対象給付の対象になる場合保険料を集める人
第1号被保険者65歳以上の人原因を問わず要介護・要支援と認定されたとき市町村
第2号被保険者40歳以上65歳未満の医療保険加入者原因が特定疾病で要介護・要支援と認定されたとき医療保険者

医療保険に入っていない40〜64歳の人は、市町村に住所があっても第2号被保険者になりません(医療保険加入者の範囲は7条8項)。

資格は、市町村に住所がある医療保険加入者が40歳に達したとき、医療保険加入者でない住民が65歳に達したときなどに得ます(10条、適用除外の人を除く)。住所が無くなった日の翌日(同じ日に別の市町村へ移ればその日、住所地特例の人を除く)に失い、第2号は医療保険加入者でなくなった日に失います(11条)。

主な例外は次のとおりです。

40歳になった月のどこから給与で介護保険料を引くかは介護保険料はいつから引かれるかで扱っています。

要介護認定・要支援認定の流れ

介護給付を受けるには要介護認定、予防給付を受けるには要支援認定を、市町村から受けます(19条)。手順は次のとおりです(要介護認定は27条、要支援認定は32条)。

  1. 申請書に被保険者証を添えて(証の交付を受けていない第2号は不要)市町村に出す。地域包括支援センターや、省令の要件に当たる指定居宅介護支援事業者などに手続を代わってもらえる
  2. 市町村の職員が本人に会って心身の状況などを調べ(委託や遠隔地の市町村への嘱託もある)、市町村が主治の医師に意見を求める(主治医がいないときなどは、市町村が指定する医師の診断)
  3. 介護認定審査会が審査・判定する(第2号は、原因が特定疾病かも判定する)
  4. 市町村が結果を本人に通知する(該当しないときは理由を付けて通知)

市町村は申請日から30日以内に処分しますが、調査に時間がかかるなど特別な理由があるときは、30日以内に見込期間と理由を通知して延期できます(27条11項)。要介護認定は申請日にさかのぼって効力を持ちます(27条8項)。30日以内に処分も延期の通知もないときなどは、申請が却下されたものとみなすことができます(27条12項)。

要介護状態・要支援状態は、6か月間継続すると見込まれる状態です(第2号の末期がんで余命が6か月に満たないと判断される場合は、死亡までの間。施行規則2条・3条)。

区分は7つあり、厚生労働省令(平成11年厚生省令第58号)1条・2条が区分ごとに「要介護認定等基準時間」の幅を定めています。時間だけで決まるのではなく、その状態に相当すると認められるかで判定されます。

区分要介護認定等基準時間
要支援125分以上32分未満
要支援232分以上50分未満(継続見込期間にわたり、状態の軽減・悪化防止に特に資する支援を要すると見込まれるもの)
要介護132分以上50分未満(要支援2を除く)
要介護250分以上70分未満
要介護370分以上90分未満
要介護490分以上110分未満
要介護5110分以上

第2号被保険者の特定疾病は、介護保険法施行令2条が定める16の疾病です。

個別の人が認定を受けられるかは、この記事では判定しません。申請先は保険者の市町村(通常は住所のある市町村)で、地域包括支援センターに手続を代わってもらうこともできます。

保険給付の種類と給付の割合

保険給付は3種類です(18条)。

給付対象主なもの
介護給付要介護認定を受けた被保険者居宅介護サービス費・地域密着型介護サービス費・施設介護サービス費・福祉用具購入費・住宅改修費・居宅介護サービス計画費・高額介護サービス費など(40条)
予防給付要支援認定を受けた被保険者介護予防サービス費・地域密着型介護予防サービス費・介護予防サービス計画費など(52条)
市町村特別給付要介護認定を受けた被保険者・居宅の要支援認定を受けた被保険者要介護状態などの軽減・悪化防止のため市町村が条例で定める給付(62条)

このほか市町村は、保険給付とは別に、地域支援事業として介護予防・日常生活支援総合事業などを行います(115条の45)。

下の表は、要介護認定を受けた居宅の被保険者が指定事業所のサービスを受け、市町村が必要と認めたときの額です(41条1項・2項、46条1項・7項)。居宅介護サービス費は、市町村から種類の指定(37条)を受けた人が指定外のサービスを使うと支給されず(41条1項ただし書)、9割の割合は所得・災害・保険料の時効で変わります(49条の2・50条・69条)。

給付額
居宅介護サービス費食費・滞在費などと特定福祉用具の購入費を除き、国の基準額(実費が低ければ実費)の9割(41条4項)。区分ごとなどの支給限度額を超える分は給付されない(43条)
居宅介護サービス計画費(ケアプランの作成)国の基準額(実費が低ければ実費)そのもので、9割ではない(46条2項)

第1号被保険者のうち政令で定める所得以上の人は、居宅・施設のサービス費や福祉用具購入費・住宅改修費などの給付が8割または7割になり、負担は2割または3割です(49条の2、世帯の年金収入・非課税・災害・保険料の滞納などによる例外は下の注)。第2号被保険者は、この所得による2割・3割の対象外です。

保険料の納め方

第1号被保険者の保険料は、市町村が政令の基準に従い条例で定める保険料率で計算します(129条2項)。納め方は、年金から差し引く特別徴収か、市町村から届く納入通知書などで納める普通徴収です(131条)。

特別徴収になるのは、4月1日現在で政令で定める老齢・障害・遺族の年金を受け、6月〜翌年5月のその総額が18万円以上の見込みの第1号被保険者です(支給停止・災害などの人や一部の市町村は例外、134条・135条)。年度の途中で年金を受け始めた人などは、別の時点の見込額で判定します(134条2項〜)。

第2号被保険者から市町村は保険料を集めません(129条4項)。健康保険などの医療保険者(国民健康保険では都道府県)が介護給付費・地域支援事業支援納付金を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構に納め、そのために医療保険の保険料(国民健康保険では市町村が保険料・保険税)と一緒に介護分を集めます(150条)。

協会けんぽの介護保険料率は健康保険料率の一覧、国民健康保険の介護分は国民健康保険料の決まり方にあります。

3年を1期とする事業計画と保険料率

市町村は、3年を1期とする介護保険事業計画を定めます(117条1項)。

第1号被保険者の保険料率は、事業計画のサービス見込量などから、おおむね3年を通じ財政の均衡を保てるように定めます(129条3項)。

2026年の改正(2027年4月施行分)

2026年(令和8年)の社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)で、介護保険法も改正されました。厚生労働省の概要では、施行日は2027年(令和9年)4月1日が原則で、事項によって異なります。

2027年4月1日施行の条文では、主に次の点が変わります。

同じ改正で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新制は、法律の公布後1年6月以内の政令で定める日に廃止されます(定期的な研修の受講は続く)。夜間対応型訪問介護は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に統合されます。

会社の実務で関わるところ

社会保険料 計算機で介護保険料を含めて計算する →

まとめ

  • 介護保険の保険者は市町村と特別区です。被保険者は、市町村に住所がある65歳以上の人(第1号)と40〜64歳の医療保険加入者(第2号)です(施設入所者などの例外あり)。
  • 介護給付・予防給付を受けるには、市町村の要介護認定・要支援認定を受けます。第2号は原因が特定疾病の場合に限られます。
  • 保険給付は介護給付・予防給付・市町村特別給付(条例で定めるもの)の3種類です。第2号の保険料は医療保険者が集めます。

よくある質問

介護保険法はいつから施行されていますか?

2000年(平成12年)4月1日から施行されています(附則1条。一部の規定は別の日)。

40歳になれば介護サービスを使えますか?

40〜64歳の医療保険加入者(第2号被保険者)が使えるのは、要介護・要支援の原因が特定疾病(末期のがん・関節リウマチ・脳血管疾患など16の疾病)で、市町村の認定を受けた場合です。

介護サービスの自己負担は何割ですか?

居宅サービスの負担は原則1割です(41条4項)。所得が政令の基準以上の第1号被保険者は2割か3割です(世帯の年金収入などによる除外や、災害の特例、保険料を長く納めなかった場合の給付減額あり)。支給限度額を超えた分や、市町村からサービスの種類を指定された人が指定外の種類を使った場合は給付されません。指定事業者によるケアプランの作成は負担がなく、通所や短期入所の食費・滞在費などは別にかかります。

要介護認定の結果はいつ出ますか?

市町村は申請日から30日以内に処分します。調査に時間がかかるなど特別な理由があるときは、申請日から30日以内に延期の通知が来ます。認定は申請日にさかのぼって効力を持ちます。

会社員の介護保険料は誰が集めていますか?

40〜64歳の会社員(第2号被保険者)の分は、加入している健康保険などの医療保険者が、医療保険の保険料と一緒に集めます。市町村は第2号からは集めません。

次に読む

出典

e-Gov法令検索の介護保険法・同施行令・同施行規則・同施行法・認定の基準の省令と、厚生労働省の資料で確認して作成。確認日:2026年10月15日。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の認定や給付の可否などの判断は、お住まいの市町村の窓口にご確認ください。

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