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固定費と変動費の違い・一覧|分類表の作り方

固定費は一定の期間・操業範囲で活動量が変わっても総額が一定の費用、変動費は活動量に比例して増減する費用です。家賃や給与でも、定額か歩合かで分類は変わります。

経理で分類表を作るときは、科目を丸ごと振り分けず、契約と請求明細に戻ります。下の表で家賃・材料費・給与・光熱費の分け方を確認し、分類の根拠まで残す手順を示します。

固定費・変動費の分類表

科目名より「何に連動して金額が変わるか」を見ます。費用を固定費と変動費に分けることを固変分解と呼びます。以下は、税務上の法定区分ではなく、社内の費用分析に使う分類例です。

以下は本記事独自の単月の分類例です。設備・人員と契約条件は変えず、材料単価と製品あたりの使用量も一定と仮定します。操業度は生産量・販売量など事業活動の量を指し、分類ごとに基準とする量を決めます。

契約条件を置いた費用明細の分類例
費用明細と条件この例の分類確認する根拠
家賃:売上歩合のない定額契約固定費賃貸借契約の月額賃料
材料費:生産量に比例して使う材料変動費材料の使用量と仕入単価
給与:操業度で月額が変わらない基本給固定費雇用条件・給与明細の内訳
給与:数量に比例する出来高部分変動費数量と単価、最低保証の有無
光熱費:使用量によらない基本料金固定費料金表・請求書の基本料金欄
光熱費:使用量が生産量に比例する従量部分変動費使用量と従量単価、設備の稼働記録
外注費:成果数量に比例する加工料金変動費発注単価・数量、最低発注額の有無
外注費:数量と関係のない月額保守料金固定費保守契約の対象範囲と月額料金

数量連動でも最低保証や段階料金があれば、その部分を別に確かめます。従量料金の単価が変わる場合や、季節で使用量が動く場合は、生産量に比例するとは限りません。

架空の単月契約で、売上歩合や別途加算のない月額家賃が10万円なら、その家賃を固定費として記録します。売上歩合の賃料が加わる契約なら、定額部分と歩合部分を分けて記録する方法があります。

分類前にそろえる条件

対象期間・活動量・契約条件を先に決めると、分類のぶれを減らせます。次は本記事の社内運用例です。公的な提出様式ではありません。

分類表の冒頭に残す前提
決める項目記録する内容の例
対象期間と部門当月の工場費用、店舗別の月次費用など
操業度の基準生産個数、販売個数、出荷件数など、費用と対応する活動量
契約・体制の範囲既存設備・現行人員の範囲、料金改定や増床の予定
金額の集計基準費用の発生期間、税込・税抜、使用する試算表の版

固定費も契約や体制の変更で増減する

固定費は「将来も変わらない費用」ではありません。店舗の増床、採用、契約更新があれば、家賃や月給の総額は変わります。現在の体制で販売量を増減させる話と、体制そのものを変える話を分けます。

たとえば増産のために別の倉庫を借りるなら、既存倉庫だけの期間と、追加倉庫も使う期間を分けた方が比較しやすくなります。分類表には、どの操業範囲の見積もりかを残します。

売上金額と活動量を同じものにしない

値上げで売上金額が増えても、生産個数が同じなら、材料の使用量まで増えるとは限りません。材料費を見るなら生産量、出荷にかかる費用なら出荷件数など、契約と実態に合う量を選びます。

また、仕入れた材料の量と、当月に消費した材料の量は違うことがあります。材料費の分類では購入時の支払額と消費額を混ぜず、元にした明細を記録します。原価集計の詳細は原価計算の記事で扱います。

給与・光熱費を明細から分ける

固定と変動が混ざる科目は、内訳を分けてから集計します。次の図は、本記事の契約条件による分解の考え方です。

光熱費の請求明細 基本料金使用量によらない固定費 従量部分生産量に比例する仮定変動費 単価一定・設備と契約条件が同じ単月の例実際の請求内訳で確認する
記事独自の仮定による分解例。従量部分の使用量が生産量に比例する場合を示しています。

給与は雇用形態より支給条件を読む

月給の基本給と数量連動の出来高部分を含む給与なら、まずその内訳を確認します。パート・アルバイトという呼称だけで変動費にはしません。勤務時間が一定なら、販売量が減っても同じ額が発生することがあるためです。

残業代や賞与も、忙しさと比例するとは限りません。支給条件、実際の時間・数量、最低保証を確認し、説明できない部分は「確認中」として残す方法があります。ここでの分類は人員削減や給与減額の可否を判断するものではありません。

光熱費は請求書の内訳と使用実態を合わせる

基本料金と従量料金が分かれていれば、契約・請求内訳を起点に整理できます。ただし、空調など季節で動く使用量を、生産量の増減と同じものとして扱わないようにします。

請求書が総額だけなら、料金明細や契約先への確認で分解できるかを調べます。根拠なく固定割合を置くより、確認できた部分と暫定部分を分けておく方が、後で修正の理由を説明できます。

実績から混合費を推計する高低点法は、損益分岐点の記事で扱います。契約条件から分類する今回の表と、実績から推計した分類は、根拠欄で区別します。

公的資料の分類例との違い

公的な分類表を使う場合も、業種と費用の所属を読みます。中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」には、業種別の費用分解基準が掲載されています。

次は同指針の参考資料にある業種別費用分解基準から、給与と光熱費に関係する項目を抜粋したものです。全費目の一覧ではなく、上の独自分類例を一律に裏付ける表でもありません。

BCP指針の業種別費用分解基準から抜粋
業種・費用項目資料の分類
製造業:直接労務費固定費
製造業:直接材料費変動費
製造業:水道光熱費固定費
建設業:現場従業員給料手当固定費
建設業:労務費変動費
建設業:動力・用水・光熱費の一般管理費分のみ固定費
建設業:動力・用水・光熱費の完成工事原価分のみ変動費

同じ指針の製造原価報告書の組替表には、電力費やガス・水道費を変動費に置く例もあります。資料内でも表の目的や集計範囲が違うので、「水道光熱費はいつでも固定費」といった読み方はできません。

自社に当てはめるときは、公表例の名称だけを写さず、どの業種のどの表を参照したか、自社の契約と違う点は何かを分類根拠に残します。この表は税務申告で使う法定区分の説明ではありません。

分類根拠を残す表と確認手順

元の費用明細に戻れるよう、分類理由と確認資料を同じ行に残します。次は本記事が提案する社内管理用の記録例です。

分類根拠の記録表の列と記入例
記録する列記入内容の例
元明細・集計期間当月の電力請求書、工場部門、水道光熱費の補助元帳
分析する活動量当月の生産個数
固定費に置く部分使用量によらない基本料金
変動費に置く部分単価一定で、使用量が生産量に比例する従量部分
根拠・仮定契約料金表、請求明細、同じ設備・稼働条件
確認状況担当者が確認済み、または料金内訳を照会中
見直すきっかけ料金改定、設備追加、待機電力や季節要因の判明

元明細と分類後の合計を照合する

対象期間・部門・税込税抜の基準をそろえ、固定部分と変動部分の合計が元明細の金額と一致するか確認します。科目総額を残したまま内訳も足すと、同じ費用が重複します。

分類できなかった金額も別欄に残し、分類漏れと照会中を区別します。材料など在庫を伴う費用は、支払額をそのまま費用合計とせず、分析対象の費用と対応させます。管理表での組替えと、会計帳簿の仕訳変更は別の作業です。

迷った費用は仮置きと確認先を残す

上記のBCP指針の費用分解の説明には、不明な費用を固定費に算入すれば固めの計算ができる旨が書かれています。これはBCPの財務診断の説明で、税務上の分類ルールではありません。

本記事の記録例では、迷った部分を「暫定」とし、確認資料・担当・確認予定を残します。過去の分類を変えるなら、変更理由と比較への影響も記録し、未確認の仮置きを確認済みの分類と混ぜないようにします。

分類表は、科目名に印を付けるだけでなく、契約条件と根拠まで残して仕上げます。固定・変動が混在する部分と、まだ確認できていない部分を分けておくと、次月に同じ基準で集計しやすくなります。

分類後の売上目標の試算は、同じ対象期間の費用を使って損益分岐点ツールで確認できます。月次の予算と実績の比較は予実管理の記事へ進めます。

分類した固定費・変動費で損益分岐点を計算する

よくある質問

固定費と変動費の違いは何ですか?

一定の期間・操業範囲で、活動量が変わっても総額が一定の費用が固定費、活動量に比例して増減する費用が変動費です。何を活動量にするかと契約条件を決めて分類するため、同じ勘定科目でも内訳によって分かれます。

給与は固定費と変動費のどちらですか?

支給条件で分けます。操業度で月額が変わらない基本給は固定費に、数量に比例する出来高部分は変動費に置く例があります。雇用形態だけで決めず、最低保証や支給内訳も確認します。

水道光熱費は変動費ですか?

内訳と使用実態によります。本記事の単月・単価一定の例では、使用量によらない基本料金を固定費に、使用量が生産量に比例する従量部分を変動費に分けます。季節や設備の影響で、生産量に比例しない部分は別に確認します。

前月と分類を変えてもよいですか?

契約条件や分析目的が変わった場合には、見直す方法があります。本記事の記録例では、変更日・理由・根拠を残し、分類変更による差と実際の費用の増減を区別します。過去と比較するときは、期間と集計範囲もそろえます。

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出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。具体的な申告や判断は、顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。

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