楽天・VYM vs 楽天・JEPIの違い|指数連動とカバードコール・分配・費用
結論から言うと、楽天・VYMは米国の高配当株の指数(FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス)に連動をめざすETFに投資する方針です(市況の急変時などは例外あり)。楽天・JEPIは、米国株を持ちながらコール・オプションを売る「カバード・コール戦略」のETFに投資する方針で(市況の急変時などは例外あり)、ベンチマークはありません。
- 分配金:楽天・VYMは年1回(7月15日、休業日は翌営業日)の決算で、分配金は2026年7月15日の第9期決算まで設定来0円です。
- 楽天・JEPIは毎月決算で、2026年7〜9月の3回の分配金は1万口当たり・税引前で65円・60円・55円でした。
- NISA:交付目論見書では、楽天・VYMは成長投資枠とつみたて投資枠の対象です(販売会社により取扱いが異なる場合あり)。楽天・JEPIはNISAの対象ではありません。
- 費用:投資先ETFの報酬を含む実質的な信託報酬は、交付目論見書の税込の概算で楽天・VYMが年0.172%程度、楽天・JEPIが年0.658%程度です(組入状況などで変わる目安)。
- 実績:2026年5月11日〜2026年9月30日の142日間に一括投資した100万円の評価額は、税引前の分配金再投資ベースで楽天・VYMが1,018,740円、楽天・JEPIが1,036,804円でした(売却前)。
楽天・JEPIの設定日(2026年5月11日)からの比較で、期間は約4か月半しかありません。この短い期間の差で、2本の優劣は判断できません。この記事では、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドを「楽天・VYM」、楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)を「楽天・JEPI」と書きます。
基準価額は楽天・VYMと楽天・JEPIとも運用会社の公表する分配金再投資基準価額で、どちらも2026年9月30日までのデータです。費用は2026年10月14日に確認した交付目論見書・交付運用報告書・月次レポートの記載です。どちらかの購入や売却を勧めるものではなく、資料で確かめられる事実を並べています。
2本の違いの早見表
次の表は、2026年10月14日に確認した交付目論見書(楽天・VYMは使用開始日2026年4月16日、楽天・JEPIは使用開始日2026年4月27日)と運用報告書の記載です。運用方針は、資金動向や市況動向に急激な変化が生じたときなどは、そのとおりに運用できない場合があります。
| 項目 | 楽天・VYM | 楽天・JEPI |
|---|---|---|
| 運用の型 | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)への連動をめざす | 投資先ETFがカバード・コール戦略。ベンチマークなし |
| 投資先のETF | バンガード・米国高配当株式ETF | JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETFなど2本 |
| 決算 | 年1回(7月15日。休業日は翌営業日) | 毎月(原則15日。休業日は翌営業日。第1期は2026年7月15日) |
| 分配金の実績 | 設定来0円(2026年7月15日の決算まで) | 2026年7〜9月に3回(下の表) |
| NISA | 成長投資枠・つみたて投資枠の対象 | 対象ではない |
| 特化型運用の表示 | 記載なし | あり |
| 設定日 | 2018年1月10日 | 2026年5月11日 |
| 信託期間 | 無期限(繰上償還の場合あり) | 2036年4月14日まで(延長・繰上償還の場合あり) |
NISAの取扱いは販売会社によって異なる場合があります。2本とも、分配金は委託会社が決め、必ず分配を行うものではありません。信託報酬などの料率は「費用」の節の表にまとめています。
同じ期間の実績を、分配金再投資で比べる
次の表の値は、比較期間(2026年5月11日〜2026年9月30日)の基準価額から計算した、税引前の分配金を再投資した場合の売却前の値です。購入時・換金時の手数料と投資者ごとの税金は含みません。期間が1年未満のため、年率換算はしていません。
| 項目(2026年5月11日〜2026年9月30日の142日間) | 楽天・VYM | 楽天・JEPI |
|---|---|---|
| 比較期間 | 2026年5月11日〜2026年9月30日 | 2026年5月11日〜2026年9月30日 |
| 累積騰落率(比較期間・税引前分配金再投資) | +1.87% | +3.68% |
| 100万円の終了時評価額(売却前・税引前・比較期間・分配金再投資) | 1,018,740円 | 1,036,804円 |
| 比較期間内の最大下落率(税引前分配金再投資) | -7.64% | -6.53% |
最大下落率は、比較期間内のそれまでの高値から、その後の安値までの下落を日次で測った値です。将来の損失の上限ではありません。共通期間が1年未満のため、年率換算と直近1年の欄は載せていません。短い期間の騰落を1年分に引き延ばすと、実際より大きな印象を与えるためです。
比較期間(2026年5月11日〜2026年9月30日)の税引前分配金再投資ベースの累積騰落率は、楽天・VYMが+1.87%、楽天・JEPIが+3.68%でした。比較期間(2026年5月11日〜2026年9月30日)の日次騰落率の相関は0.79です。比較期間は約4か月半で、上昇した相場・下落した相場のどちらを多く含むかで結果は入れ替わりえます。
仕組みの違い:指数に連動するか、オプションを売るか
楽天・VYMは、マザーファンドを通じて「バンガード・米国高配当株式ETF」に投資し、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします(市況の急変時などは例外あり)。この指数は、米国株式市場の高配当利回りの銘柄(REITを除く)で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。楽天・VYMの交付目論見書と月次レポートには、オプションやカバード・コール戦略の記載はありません。
楽天・JEPIは、マザーファンドを通じて、米ドル建ての「JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF」と、同じ名前の「アクティブUCITS ETF」を実質的な投資対象とします(第1期の交付運用報告書)。2026年8月31日作成基準の月次レポートでは、マザーファンドの純資産総額に対する比率は前者が98.1%で、後者は「-」です。交付目論見書の2026年1月末現在の情報では、投資先ETFは株式の配当金とオプションのプレミアムを原資に毎月分配をめざします(今後変更の場合あり)。
カバード・コール戦略は、一定の水準以上の株価上昇による値上がり益を放棄する代わりに、コール・オプションの売却によるプレミアム(収益)の獲得をめざす手法です。そのため、米国株価指数などが目標水準を超えて上昇しても、その上昇分を享受できず、楽天・JEPIの基準価額の上昇が制限される可能性があります。株式の価格が下落した場合は、基準価額の下落要因になります。
次の表は、2本の投資先ETFの組入銘柄数と、組入1位・業種の最大の比率です。比率はETFの純資産総額に対する割合(楽天・VYMの業種は組入株式に対する割合)です。基準日と業種の分類が違うため、目安として並べています。
| 項目 | 楽天・VYMの投資先ETF | 楽天・JEPIの投資先ETF |
|---|---|---|
| 基準日と業種の分類 | 2026年7月末・ICB | 2026年8月末・GICS |
| 組入銘柄数 | 604 | 135 |
| 組入1位 | Broadcom 7.3% | マイクロソフト 2.0% |
| 最大の業種 | 金融 21.3% | 情報技術 15.4% |
仕組みも組入銘柄も違うため、2本の値動きの差は費用の差だけでは説明できません。
分配金:年1回決算と毎月決算
楽天・VYMの決算は毎年7月15日(休業日は翌営業日)の年1回です。1万口当たりの分配金は、2026年7月15日の第9期決算まで設定来0円です。楽天・JEPIの決算は原則として毎月15日(休業日は翌営業日)で、第1期の決算日は2026年7月15日でした。
次の表は、比較期間(2026年5月11日〜2026年9月30日)に決算日が来た楽天・JEPIの分配金の全件です。過去の実績で、将来の水準を示すものではありません。
| 決算日 | 楽天・JEPIの分配金(1万口当たり・税引前) |
|---|---|
| 2026年7月15日 | 65円 |
| 2026年8月17日 | 60円 |
| 2026年9月15日 | 55円 |
2本とも、分配金額は委託会社が決め、必ず分配を行うものではありません。分配金は投資信託の純資産から支払われるので、支払われるとその金額相当分、基準価額は下がります。楽天・JEPIの交付目論見書は、分配金が計算期間中の収益を超えて支払われる場合があり、その場合は決算日の基準価額が前期決算日より下がると書いています。このため実績の表は、分配金を受け取らずに再投資したものとして2本をそろえています。
楽天・JEPIの第1期(作成対象期間2026年5月11日〜2026年7月15日)の交付運用報告書では、分配金65円(1万口当たり・税込)の内訳は「当期の収益」が65円、「当期の収益以外」が「-」です。2026年8月・9月の決算の内訳は、確認日に掲載されていた交付運用報告書の作成対象期間より後なので、まだ載っていません。受け取った分配金が普通分配金か元本払戻金(特別分配金)かは、ファンドの内訳とは別に、投資者ごとの購入価額(個別元本)で決まります。
2026年9月30日の純資産総額は、運用会社の公表データで楽天・VYMが388.34億円です。同じ日の楽天・JEPIの純資産総額は29.45億円です。
楽天・JEPIの交付目論見書は、資産運用業協会の規則で定める寄与度が10%を超える(または超える可能性の高い)支配的な銘柄が投資先ETFにあるとして、「特化型運用」と表示しています。その銘柄のエクスポージャーは、純資産総額の35%を超えないように運用するとしています。
目論見書の料率と、総経費率(参考値)を分けて見る
次の表は、2026年10月14日に確認した交付目論見書と交付運用報告書の記載で、料率は税込の年率です。実質的な信託報酬は交付目論見書の概算で、組入状況や運用状況で変わります。信託報酬の2行は、その他の費用と、有価証券の貸付を行った場合の報酬を含まない率です。
| 項目(2026年10月14日に確認した資料) | 楽天・VYM | 楽天・JEPI |
|---|---|---|
| 信託報酬(税込年率・ファンド本体・貸付時の追加分を除く) | 年0.132%(国内ファンド分) | 年0.308% |
| 投資先ETF等を加味した実質的な信託報酬(税込年率・交付目論見書の概算。その他の費用と貸付時の報酬を除く) | 年0.172%程度(投資先ETF年0.04%程度を含む) | 年0.658%程度(投資先ETF年0.35%程度を含む) |
| 総経費率(年率換算の参考値。購入時手数料・売買委託手数料等を除く) | 0.22%(2025/7/16〜2026/7/15) | 0.65%(2026/5/11〜2026/7/15) |
| 為替ヘッジ(交付目論見書の運用方針) | 原則なし | 原則なし |
| 購入時手数料/信託財産留保額 | なし/なし | なし/なし |
楽天・VYMの実質的な信託報酬(年0.172%程度)は、国内ファンド分の年0.132%に、投資先ETFの管理報酬等の年0.04%程度(2026年2月末現在)を加えた概算で、組入状況などで変わります。投資先ETFの年0.04%程度は、2026年2月2日付で変更された後の率です。楽天・JEPIの実質的な信託報酬(年0.658%程度)は、国内ファンド分の年0.308%に、投資先ETFの報酬の年0.35%程度(2026年1月末現在)を加えた概算で、組入状況などで変わります。2つの概算(組入状況などで変わる目安)の差は年0.486ポイント程度で、100万円を1年間持ち続けたと仮定すると約4,860円です(実際の損益の差ではありません)。
総経費率は、交付運用報告書の作成対象期間の費用を年率に直した参考値で、原則として売買委託手数料などを含みません。総経費率は、楽天・VYMの0.22%が直近1年、楽天・JEPIの0.65%が設定日から第1期決算日までの約2か月の値です(対象期間は表のとおり)。対象期間の長さが違い、資料も実際に発生した費用の比率とは異なるとしているため、2つの差をそのまま負担の差としては読めません。
監査報酬や売買委託手数料などの「その他の費用・手数料」は、運用状況で変わるため料率や上限額を事前に示せないとされ、表の信託報酬には含まれません。2本とも、有価証券の貸付を行った場合は、品貸料に0.55(税抜0.5)を乗じた額の貸付有価証券関連報酬がかかります(委託会社が一部を負担する場合あり)。
計算条件と、この比較からは分からないこと
2026年10月14日に取得した日次データを使い、2026年5月11日以降で、2本とも基準価額がある日だけを比べました。この比較は、終点から3年さかのぼった日を起点にするのを既定にしています。ただし楽天・JEPIの設定日(2026年5月11日)が終点の3年前(2023年9月30日)より後なので、2本の基準価額がそろう最初の日であるこの設定日を起点にしました。終点は月末の2026年9月30日に固定しました(取得したデータは2026年10月14日分までありますが、月末で区切っています)。
比較期間の終了時評価額は「100万円×終点の再投資基準価額÷起点の再投資基準価額」で計算しました。基準価額は信託報酬などを差し引いた後の値なので、費用をもう一度引いてはいません。投資者ごとの税金(分配金や換金時の差益にかかる税金)は含めていないため、実際に受け取る手取り額とは異なります。2本とも、交付目論見書の購入時手数料と信託財産留保額は「ありません」と書かれています。
開始日を変えれば実績の差も変わります。この記事は費用・投資対象・下落率を並べるところまでとし、総合順位や購入判断にはまとめていません。総経費率は次の運用報告書が出た時点で、実績は四半期ごとに期間を更新する予定です。
積立額と仮定の年率から将来額を計算するシミュレーターに入れる年率は仮定です。過去の実績が将来も続く前提にはしないでください。
よくある質問
楽天・VYMと楽天・JEPIの違いは何ですか?
楽天・VYMは、米国の高配当株の指数(FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス)に連動をめざすETFに投資する方針です(市況の急変時などは例外あり)。楽天・JEPIは、米国株を持ちながらコール・オプションを売るカバード・コール戦略のETFに投資する方針で(市況の急変時などは例外あり)、ベンチマークはありません。決算も違い、楽天・VYMは年1回、楽天・JEPIは毎月です。
楽天・VYMは分配金を出していますか?
1万口当たりの分配金は、2026年7月15日の第9期決算まで設定来0円です。分配金額は委託会社が決め、必ず分配を行うものではありません。
カバード・コール戦略で上昇が制限されるとは、どういうことですか?
株価が一定の水準を超えて上がっても、その上昇分を受け取れない代わりに、オプションを売ったプレミアムの獲得をめざすということです。株価が下がったときは、基準価額の下落要因になります。
楽天・JEPIはNISAで買えますか?
交付目論見書(使用開始日2026年4月27日)には、楽天・JEPIはNISAの対象ではないと書かれています。楽天・VYMは、交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)で成長投資枠とつみたて投資枠の対象です(販売会社により取扱いが異なる場合があります)。
表の評価額は売却して受け取れる金額ですか?
違います。税引前の分配金を再投資した基準価額で計算した売却前の金額で、投資者ごとの税金(分配金や換金時の差益にかかる税金)は含みません。2本とも、交付目論見書の購入時手数料と信託財産留保額は「ありません」と書かれています。基準価額に反映済みの信託報酬を二重に引いてもいません。
出典
- 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)
- 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 交付運用報告書(第9期・作成対象期間2025年7月16日〜2026年7月15日)
- 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 月次レポート(2026年8月31日作成基準)
- 楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)交付目論見書(使用開始日2026年4月27日)
- 楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)交付運用報告書(第1期・作成対象期間2026年5月11日〜2026年7月15日)
- 楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型)月次レポート(2026年8月31日作成基準)
- 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド:基準価額データ(運用会社公表・2026年10月14日取得)
- 楽天・米国大型株式・プレミアム・インカム・ファンド(毎月決算型):基準価額データ(運用会社公表・2026年10月14日取得)
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融商品の取得・売買を勧めるものではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言を行うものでもありません。数値は記載した期間の過去の実績であり、将来の運用成果を示しません。費用・運用方針は変更されるため、最新の交付目論見書をご確認ください。
資料確認日: 2026年10月14日。運用会社の交付目論見書・交付運用報告書・月次レポートと、運用会社公表の基準価額データ。