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収支内訳書の書き方:一般用の様式と帳簿を照合する

収支内訳書(一般用)は、帳簿から収入・売上原価・必要経費を集計し、所得金額を計算する書類です。先に売上先・仕入先や資産の明細を整理し、集計欄へ移すと、二重計上や転記漏れを確認しやすくなります。

以下は、国税庁の令和7年分の記載要領と、令和5年分以降用の一般用様式を使った記入工程です。農業所得・不動産所得の記入方法、現金主義の特例を使う場合は対象にしていません。申告する年分に対応する様式・案内で作成してください。

提出が必要かは確定申告の必要書類で、申告書本体への転記は確定申告書の書き方で確認できます。

公式様式と記載要領をそろえる

一般用の用紙と、同じ年分の書き方を手元に置きます。用紙の空欄だけを見て推測せず、対象となる収入や経費の注記まで確認できます。

一般用の区分は、事業所得なら「営業等」、業務に係る雑所得なら「雑(業務)」を選びます。業種名には実際の事業・業務の内容を書きます。会社員の副業という呼び方だけで、所得区分が決まるわけではありません。

青色申告決算書は別の書類です。青色・白色の制度差や事業専従者控除の要件は、白色申告の解説で確認してください。

帳簿から記入欄への対応表

まず「どの帳簿の合計を、どの欄へ移したか」が追える集計表を作ります。次の表は、一般用の記入準備として使う対応例です。専用の帳簿名をそろえることを義務づけるものではありません。

一般用の集計元・記入先・照合点
集計元記入先照合する内容
売上帳・請求書売上金額と売上先明細本年中の売上に、未収の掛売りも含めたか
自家消費・贈与記録家事消費販売代金を受け取らない分の記載が漏れていないか
仕入帳・請求書仕入金額と仕入先明細本年中の仕入に、未払の掛買いも含めたか
棚卸表期首・期末商品棚卸高数量と評価額の根拠が残っているか
経費帳・按分記録該当する経費科目適切な基準で家事分を除いているか
固定資産台帳償却計算・経費欄経費欄へ、本年分の必要経費算入額を移したか
家賃・借入利子地代家賃・利子割引料明細の総額と必要経費算入額を区別したか
帳簿・棚卸表元の金額を集計内訳・明細事業分を計算集計欄・所得合計を照合金額が合わなければ、集計元へ戻って確認
作業順の一例。帳簿と記入欄を対応させ、転記後も計算の根拠をたどれる形にします。

売上は入金額と分けて集計する

本年中の売上には、まだ代金を受け取っていない掛売りも含めます。銀行の入金合計をそのまま売上にせず、請求書や売上帳で年末の未収分を照合します。過年分の売掛金の回収を、本年の売上に重ねていないかも確認します。

売上先別の明細には、相手先ごとの金額と、それ以外の売上先の計を記入する欄があります。明細全体の合計が売上金額と合うかを確認します。軽減税率対象の欄は内数なので、売上合計へ重ねて加算しません。

家事消費欄では、商品を自分や家族で消費した分に加え、贈与した分も確認します。評価額は記載要領の家事消費欄に沿って算定し、自家消費・贈与の記録と照合します。

「その他の収入」は、空箱の売却代金やリベートなどの欄です。助成金・補助金なども、事業所得・業務に係る雑所得として課税対象となるものは含めます。消費税の還付など、経理方式や計上年で扱いが変わるものは、記載要領の消費税等の経理処理を確認します。

棚卸から原価を計算する記入例

仕入れた商品のうち、期末に残っている分は、売上原価から差し引きます。一般用の様式では「期首商品棚卸高+仕入金額−期末商品棚卸高」が差引原価です。製造業では、仕入金額欄に製品製造原価を記入します。

通年で営業した場合、本年1月1日の商品棚卸高を期首、本年12月31日の商品棚卸高を期末に記入します。仕入金額は本年中の掛買いによる未払分も含めます。

以下は令和7年分・通年営業の白色申告の小売業という架空例です。金額は仮定額、単位は円です。税込経理で集計済みとします。現金主義の特例、家事消費・その他収入、専従者控除、家内労働者等の必要経費特例や他の調整はありません。経費計は減価償却と家事分の除外を反映済みです。

棚卸と経費から所得を計算する記入例
記入欄金額(円)仮定・計算
収入金額の計3,000,000売上金額を集計
期首商品棚卸高200,000期首の棚卸表から
仕入金額1,200,000年中の仕入帳から
小計1,400,000期首棚卸高+仕入金額
期末商品棚卸高300,000期末の棚卸表から
差引原価1,100,000小計−期末棚卸高
差引金額1,900,000収入金額の計−差引原価
経費計600,000各経費の合計
控除前所得1,300,000差引金額−経費計
専従者控除なし設例では控除なし
所得金額1,300,000控除前所得−専従者控除

表の「控除前所得」は、様式の「専従者控除前の所得金額」に当たります。所得金額は納付税額ではありません。申告書本体では、この所得と他の所得、所得控除などから税額を計算します。棚卸を省いて仕入金額をそのまま差し引くと、期首・期末の在庫の差を所得に反映できません。

経費は家事分と明細を確認する

経費は家事分を除き、明細から必要経費算入額を集計欄に移します。

家事分を除いてから科目別にまとめる

店舗兼住宅の家賃や電気代などは、事業・業務分と家事分に分けます。使用面積・点灯時間などの適切な基準で分け、家事分を必要経費から除きます。按分の考え方と記録例は家事按分の解説で扱っています。

所得税・住民税・国民年金保険料などは、租税公課に入れません。事業用口座から支払っていても、事業の必要経費になるとは限りません。

明細から移すのは必要経費算入額

減価償却費の計算欄では、資産名・取得年月・取得価額・償却方法などを固定資産台帳と照合します。経費欄へ移すのは、事業専用割合を反映した本年分の必要経費算入額です。購入代金や未償却残高とは区別します。

地代家賃と利子割引料も、内訳にある総額と必要経費算入額を分けて確認します。事業・業務用の借入利子は経費の確認対象ですが、借入金の元本返済を利子として集計しないようにします。利子割引料の内訳欄は金融機関を除く欄なので、その合計だけで経費欄の全額を決めません。

給料賃金は、内訳の計を給料賃金の集計欄と照合します。税理士・弁護士等への報酬は、内訳の必要経費算入額を該当する経費科目に含めます。経費の空欄には、該当する経費科目を設けられます。必要経費への算入に明細書の添付が求められるものは、別途その明細書もそろえます。

事業専従者控除は、事業所得について要件・限度額を確認して記入します。業務に係る雑所得の計算では適用できません。家族へ支払った金額をそのまま控除欄へ移さず、白色申告の事業専従者控除と照合します。

完成前の照合と次の手続き

完成前に集計欄と明細を照合し、元の資料まで戻れるかを確認します。次は作成担当者と確認担当者で共有できるチェック例です。

完成した内訳書から申告書本体へ進むときは、収入金額と所得金額の転記先を確認します。作成・送信や受付確認は、確定申告のやり方へ進んでください。

帳簿を集計し、明細と集計欄を照合してから所得を計算します。特に、入金額と売上、仕入と原価、支払総額と必要経費算入額の違いを確認します。

減価償却計算機で資産の償却計算を確認する

計算機の対象となる資産・償却方法を確認して使います。事業専用割合などの申告上の調整は、内訳書の記載要領と照合してください。

よくある質問

収支内訳書は、領収書の合計を書けば完成しますか?

領収書の合計だけでは完成しません。一般用では売上・仕入の未収未払、期首期末の棚卸、減価償却や家事分の除外などを反映して集計します。この記事は現金主義の特例を使わない場合を扱っています。

一般用の売上には、まだ入金されていない分も入れますか?

本年中に売り上げた掛売りは、未収でも本年分の売上に含めます。現金主義の特例を使わない場合の扱いです。入金明細だけでなく、請求書や売上帳と照合します。

期末の商品在庫は、仕入金額から差し引きますか?

一般用の差引原価は、期首商品棚卸高に本年の仕入金額を加え、期末商品棚卸高を引いて計算します。期末在庫だけでなく期首在庫も使う点に注意します。

青色申告決算書や申告書本体と同じものですか?

別の書類です。一般用の収支内訳書は収入や経費の内訳から所得を計算するもので、青色申告決算書とは様式が異なります。計算した収入金額と所得金額は、申告書本体の対応する欄へ別々に移します。

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出典

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談には応じられません。実際の申告・判断は、税務署・税理士にご確認ください。

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