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退職金は年末調整に含める?本人・配偶者・扶養親族の申告欄【令和8年分】

退職所得に当たる退職金は、給与の年末調整では精算しません。ただし、所得税の基礎控除・配偶者控除・扶養控除などの所得判定には、退職所得の金額を含めます。

「年末調整の給与に足さない」と「年末調整の申告書に書かない」は別です。本人が受け取った場合は基礎控除申告書、家族が受け取った場合は配偶者や親族の所得欄を確認します。

以下は国内の居住者について、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整で確認する申告欄です。年金形式の受取り、死亡退職金、給与扱いの前払退職金は扱いません。

誰が受け取ったかで申告欄を分ける

退職所得に当たる一時金について、所得税の年末調整で使う欄を示します。「退職所得の金額」は、受取総額から退職所得控除などを反映した後の所得です。各人の退職所得の金額を、それぞれの所得欄に反映します。

受け取った人所得税の申告欄記入の要点
給与所得者本人基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」本人の退職所得を含める。給与の収入金額には足さない
配偶者配偶者控除等申告書の「給与所得以外の所得の合計額」配偶者の退職所得を含める。本人の所得と混ぜない
扶養親族に当たる子・親など扶養控除等申告書の「所得の見積額」その親族の退職所得を含めて所得要件を確認する
特定親族特別控除を申告する親族特定親族特別控除申告書の「本年中の合計所得金額の見積額」その親族の退職所得を含める。扶養控除とは別の控除

表は所得の記入先を示しています。控除の適用には、本人の所得、生計を一にすること、年齢、専従者の除外、国外居住親族の書類など、それぞれの控除の要件も確認します。

退職所得に当たる一時金を受け取った 給与の税額精算 退職所得は合算しない 給与と分けて課税 所得税の控除判定 退職所得の金額を含める 本人・家族それぞれの所得欄へ
退職所得の税額を精算することと、所得税の控除に使う合計所得金額を確認することは、別の作業です。

受取額ではなく退職所得を使う

合計所得金額に加えるのは、退職金の支給総額でも振込手取り額でもなく、退職所得の金額です。一般退職手当等では、退職所得控除を引いた残りの半額を使います。

令和8年分の設例で、一般退職手当等だけを受ける非役員が、税法上の勤続20年・退職金1,000万円なら、退職所得控除800万円を引いた半額の100万円が退職所得です(調整・加算なし、下の注参照)。

設例では、同じ年の他の退職手当、過去の退職金等との勤続期間の重複調整、障害退職による控除加算はないものとしています。

短期退職手当等や特定役員退職手当等では、半額計算の扱いが異なります。同じ年に複数の退職金を受けた場合や、過去の退職金・確定拠出年金の一時金がある場合も、上の設例をそのまま当てはめません。

所得の計算と区分の詳細は退職金の税金と退職所得の計算方法で確認できます。支給明細や退職所得の源泉徴収票にある収入・控除・勤続期間を確認し、申告に使う退職所得を求めます。

本人が受け取ったとき

本人の退職所得は、基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」に含めます。給与の源泉徴収票の支払金額に、退職金の支払金額を足す処理はしません。

上の設例が本人の退職金なら、基礎控除申告書に加えるのは設例の退職所得です。退職所得を除いたまま本人の合計所得金額を見積もらないようにします。

退職金から所得税が源泉徴収され、退職所得について確定申告が不要であっても、所得税の控除判定から退職所得を外すわけではありません。基礎控除の額のほか、本人の所得要件がある配偶者控除・配偶者特別控除にも関係します。

土地や株式の譲渡などもある場合、合計所得金額の計算には特別控除前・繰越控除前で見る区分などがあります。退職所得以外の計算は、国税庁の「合計所得金額の計算について(令和8年分)」で確認してください。

配偶者・子・親が受け取ったとき

配偶者の退職所得は配偶者の欄に入れる

配偶者が受け取った場合は、配偶者控除等申告書の配偶者の所得見積りに退職所得を含めます。本人の基礎控除申告書に配偶者の退職所得を足すことはしません。

上の設例を配偶者が受けた場合、記入先は配偶者控除等申告書の「給与所得以外の所得の合計額」です。退職所得以外の所得がある場合は、国税庁の計算資料で合計所得金額への算入可否も確認します。

扶養控除等申告書に配偶者の所得見積額を記載している場合は、そちらも見直します。配偶者控除・配偶者特別控除の適用は、配偶者の合計所得金額だけでなく、給与所得者本人の合計所得金額などの要件も満たす必要があります。

配偶者の控除は配偶者特別控除の解説、申告欄全体は扶養控除等申告書の書き方に分けて確認できます。

子・親の所得見積りにも退職所得を含める

扶養親族に当たる子や親が退職金を受けた場合も、その人の退職所得を所得税の所得見積りに含めます。退職所得以外にも所得がある場合は、合計所得金額への算入可否を確認します。

特定親族特別控除を申告する場合も、親族の合計所得金額に退職所得を含めます。年末調整で特定親族特別控除を受けるには、特定親族特別控除申告書を提出します。

扶養控除の区分を確認できたら、税負担の減少額を試算する

扶養控除シミュレーターは、退職所得を含む所得要件の判定や配偶者控除・特定親族特別控除の計算をするものではありません。対象となる控除と区分を先に確認してください。

住民税の扶養判定は別に確認する

住民税の扶養親族等の所得要件では、源泉徴収される退職手当等に係る退職所得の金額を除きます。所得税の判定結果を、そのまま住民税の扶養判定に写すことはできません。

家族が源泉徴収される退職手当等を受けた場合の、扶養判定等に使う所得の扱いです。ほかの所得や生計などの要件は、それぞれ別に確認します。

確認する税家族の退職所得申告書で確認する場所
所得税合計所得金額に含める配偶者・扶養親族等の所得見積額
住民税扶養親族等の所得要件では除く扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」

扶養控除等申告書には「退職手当等を有する配偶者・扶養親族・特定親族」欄があります。所得税と住民税の扶養判定を分けるための欄です。

ここでの除外は住民税の扶養判定等の話です。本人の基礎控除の判定にそのまま広げたり、退職金自体に住民税がかからないと考えたりしないでください。

用紙はその年分を使います。年少の扶養親族の欄との書き分け、障害者や寡婦・ひとり親の欄などは、令和8年分の扶養控除等申告書の記載例を確認し、住民税の記載は市区町村へ確認してください。

会社の担当者の確認順

  1. 受け取った人を確認する。本人・配偶者・親族で、記入する所得欄を分けます。
  2. 退職所得の金額を確認する。支給総額や振込額を、そのまま所得欄へ転記しません。
  3. 所得税の控除判定に反映する。源泉徴収済みでも、退職所得を合計所得金額に含めます。
  4. 住民税の家族の欄を確認する。住民税の扶養要件等では、源泉徴収される退職手当等に係る退職所得を除いて確認します。

前職の書類を受け取ったときは、給与所得の源泉徴収票と退職所得の源泉徴収票を区別します。退職所得の源泉徴収税額を給与の年末調整の精算に合算しません。

退職した人の給与を年末調整するかは、年末調整の対象とならない人と退職時の例外で別に判断します。退職金があることだけで、給与の年末調整まで不要とは決めません。

退職所得の受給に関する申告書を提出しなかった場合の退職所得の税額精算は、受給者本人の確定申告で行います。給与の年末調整で返す処理ではありません。手続きは退職所得の受給に関する申告書を参照してください。

まとめ

  • 退職所得に当たる一時金の税額は、給与の年末調整では精算しません。
  • 所得税の控除判定では、本人・家族それぞれの退職所得を各人の合計所得金額に含めます。
  • 住民税の扶養親族等の所得要件では、源泉徴収される退職手当等に係る退職所得を除きます。

よくある質問

退職金は基礎控除申告書に書きますか?

本人の退職所得は、基礎控除申告書の「給与所得以外の所得の合計額」に含めます。記入するのは退職金の支給総額や振込手取り額ではなく、退職所得控除などを反映した退職所得の金額です。

源泉徴収済みの退職所得も合計所得金額に含めますか?

所得税の基礎控除・配偶者控除・扶養控除などの所得判定には含めます。退職所得の確定申告が不要であることと、所得税の控除判定から外せることは別です。

配偶者が退職金を受け取った場合、本人の所得に足しますか?

本人の所得には足しません。配偶者の退職所得は、配偶者控除等申告書の配偶者の「給与所得以外の所得の合計額」に含め、配偶者自身の合計所得金額を求めます。

所得税で扶養から外れた家族は、住民税でも外れますか?

同じ結果になるとは限りません。住民税の扶養親族等の所得要件では、源泉徴収される退職手当等に係る退職所得を除くためです。ほかの所得や生計などの要件も確認し、扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」を確認します。

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出典

本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談への回答ではありません。実際の申告や控除の判断は、所轄の税務署・市区町村または税理士にご確認ください。

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