年末調整の対象とならない人 — 6つの区分と、年の途中で辞めた人でも年末調整をする4つの例外
結論から言うと、年末調整は会社に扶養控除等(異動)申告書を出している人の全員に行うのが原則で、国税庁の令和8年分「年末調整のしかた」は、その例外として年末調整の対象とならない人を6つの区分で挙げています。①本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人(令和8年分)、②災害減免法により本年分の給与の源泉所得税・復興特別所得税の徴収猶予か還付を受けた人、③他の会社に申告書を出している人や年末調整の時までに申告書を出していない人(乙欄の適用者)、④年の中途で退職し、後で説明する4つの例外に当たらない人、⑤非居住者(年の中途で非居住者となった人を除く)、⑥日雇労働者など日額表の丙欄を適用する人、です。
いちばん判定を誤りやすいのは④の年の中途で退職した人です。死亡退職や、12月中に支給期の到来する給与を受けた後の退職など、後で説明する4つの例外に当たる人は、扶養控除等(異動)申告書を出していて①②など他の対象外の区分に当たらなければ、年の中途で辞めても退職の時に年末調整をします。4つの例外のうちパートタイマーなどの退職者の基準額は、年末調整を行う時期で変わります。年の中途で海外の支店へ転勤するなどして非居住者になった人も、同じく他の対象外の区分に当たらなければ、非居住者となった時に年末調整をします。
年末調整の対象とならない人の税額は会社の年末調整では精算されないので、必要に応じて本人が確定申告(還付申告を含む)で精算します。確定申告をしなければならないかは、給与を受ける先の数や給与の全部が源泉徴収の対象かといった区分と、本人の所得・税額で決まります(後の章)。この記事は、会社の経理・給与担当者が「この従業員は年末調整に含めるか」を区分ごとに確かめられるように、国税庁の資料の表をそのまま区分にして整理します。個々の従業員がどの区分に当たるかの判断はしません。
対象になる人・ならない人の一覧(令和8年分)
国税庁の令和8年分「年末調整のしかた」は、年末調整の対象となる人とならない人を左右2列の表で示しています。左列のどれかに当たる人でも、右列のどれかに当たれば年末調整の対象になりません。左右の項目は1対1に対応しているわけではないので、下では左列と右列を別々に並べます。
年末調整の対象となる人(扶養控除等(異動)申告書を出している人で次のいずれかに当たる人。ただし、下の「対象とならない人」のいずれかに当たる人を除く)
- 1年を通じて勤務している人
- 年の中途で就職し、年末まで勤務している人
- 年の中途で退職した人のうち、死亡退職など年の中途で退職した人の章の4つの例外に当たる人
- 年の中途で、海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人
年末調整の対象とならない人(次のいずれかに当たる人)
- 左列の人のうち、本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人(令和8年分)
- 左列の人のうち、災害減免法の規定により本年分の給与に対する源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予か還付を受けた人
- 2か所以上から給与を受けていて他の給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を出している人や、年末調整を行う時までに申告書を出していない人(月額表又は日額表の乙欄適用者)
- 年の中途で退職した人で、左列3の退職の例外に当たらない人
- 非居住者(その年を通じて非居住者の人など。年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人は、上の「対象となる人」4のとおり非居住者となった時に年末調整の対象)
- 継続して同一の雇用主に雇用されないいわゆる日雇労働者など(日額表の丙欄適用者)
同じ表の注意事項は、外国人の労働者でも、国内に住所を有するか引き続いて国内に1年以上居所を有することで居住者となる人は、この表の区分で年末調整の対象となるかどうかを判定するとしています。国籍ではなく、居住者か非居住者かで分かれます。
対象とならない6つの区分
① 主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人(令和8年分)
令和8年分の「年末調整のしかた」は、年末調整の対象となる人のうち、本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人を対象外にしています。1年を通じて勤務している人でも、年の中途で就職して年末まで勤務している人でも同じです。この判定に使う給与の範囲は、後の判定に使う給与の数え方で説明します。この人の税額は年末調整では精算されないので、必要に応じて本人が確定申告(還付申告を含む)で精算します。
② 災害減免法で本年分の給与の源泉所得税等の徴収猶予・還付を受けた人
災害により被害を受けて、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」の規定により、本年分の給与に対する源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予か還付を受けた人は、年末調整の対象になりません。この人の本年分の税額も年末調整では精算されないので、必要に応じて本人が確定申告で精算します。
③ 他社に申告書を出している人・申告書を出していない人(乙欄の適用者)
年末調整は扶養控除等(異動)申告書を出している人に行うので、その年最後に給与を支払う時までに申告書を出していない人には、年末調整を行いません。源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、申告書を出していない人は通常、2か所以上から給与を受けていて他の給与の支払者に申告書を出している人(いわゆる乙欄適用者)、日額表の丙欄を適用する給与を受ける日雇労働者など、非居住者の3つだとしています。
掛け持ちで働く従業員の年末調整をするのは扶養控除等(異動)申告書を受け取った会社(主たる給与の支払者)で、その会社でも①②など対象とならない区分に当たる人には年末調整をしません。自社が申告書を受け取っていない従たる給与の支払者(乙欄で源泉徴収している会社)なら、自社では年末調整をしません。1か所からだけ給与を受ける人がまだ申告書を出していないなら、「年末調整のしかた」の注意事項は、提出するよう指導してくださいとしています。申告書の書き方と回収は扶養控除等申告書の書き方にまとめています。
④ 年の中途で退職した人(4つの例外に当たらない人)
年の中途で退職した人は、次の章の4つの例外のどれかに当たる人を除いて、年末調整の対象になりません。年の中途で転職した人は、4つの例外に当たらない限り前の会社では年末調整をしません。次の会社に扶養控除等(異動)申告書を出して年末まで勤務し、他の対象外の区分に当たらなければ、次の会社が年末調整をします。前の会社に扶養控除等(異動)申告書を出して受けていた給与があれば、次の会社はその給与と徴収された税額も集計に含め、前の会社から交付された源泉徴収票などで確かめます(確認できるまでは、その人の年末調整を見合わせます)。
⑤ 非居住者(年の中途で非居住者となった人を除く)
非居住者は、国内に住所も1年以上の居所も有しない人のことで、その年を通じて非居住者の人などは年末調整の対象になりません(年の中途で非居住者となった人の扱いは次のとおりです)。一方、年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人は、「年末調整の対象となる人」の側に入っており、申告書を出していて①②など他の対象外の区分に当たらなければ、非居住者となった時に、それまでの給与について年末調整をします。その年を通じて非居住者の人は対象外で、年の途中で非居住者になった人は(他の対象外の区分に当たらなければ)対象になる点に注意します。
⑥ 日雇労働者など(丙欄の適用者)
継続して同一の雇用主に雇用されないいわゆる日雇労働者など、日額表の丙欄を適用する人は、年末調整の対象になりません。源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、このような人の例として、労働した日又は時間によって算定され、しかも労働した日ごとに支払われる給与(日額表の丙欄を適用する給与)の支払を受けている日雇労働者などを挙げています。
①②は、扶養控除等(異動)申告書を出して1年を通じて勤務している人でも対象外です。④も、申告書を出していた人が年の中途で退職すれば、4つの例外に当たらない限り対象外です。申告書の回収だけでは判定が終わりません。
年の中途で退職した人 — 年末調整をする4つの例外と、行う時
令和8年分の「年末調整のしかた」は、年の中途で退職した人のうち次の4つの人を年末調整の対象とし、いずれも退職の時に年末調整を行うとしています(主たる給与の収入金額が基準を超える人や災害減免法の適用者など、対象とならない区分に当たる人を除きます)。
| 年の中途で退職した人のうち年末調整の対象となる人 | 年末調整を行う時 |
|---|---|
| 死亡により退職した人(扶養控除等(異動)申告書を出していて、他の対象外の区分に当たらない人) | 退職の時 |
| 著しい心身の障害のため退職した人で、その退職の時期からみて本年中に再就職ができないと見込まれる人(源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、かつ、退職後その年中に給与の支払を受けることとなっていないとき、としている)(扶養控除等(異動)申告書を出していて、他の対象外の区分に当たらない人) | 退職の時 |
| 12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人(扶養控除等(異動)申告書を出していて、他の対象外の区分に当たらない人) | 退職の時 |
| いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が一定額以下である人(金額は表の下。退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる人を除く)(扶養控除等(異動)申告書を出していて、他の対象外の区分に当たらない人) | 退職の時 |
パートタイマーなどの退職者の基準額は、年末調整を行う時期で変わります。令和8年分の「年末調整のしかた」は令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整について作られた資料で、本年中に支払を受ける給与の総額が136万円以下(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる場合を除く)としています。「年末調整のしかた」は、令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等が原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されるとしています。
一方、同じ「年末調整のしかた」は、令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じないとしており、源泉徴収のあらまし(令和8年版)の「年末調整を行う時期」の説明は、パートタイマーなどの退職者の基準を、その年中に支払を受ける給与の総額123万円以下(退職後その年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる場合を除く)としています。令和8年11月30日までに退職の時の年末調整をするパートタイマーなどは123万円以下、令和8年12月1日以後に行う年末調整では136万円以下で判定することになり(いずれも退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる場合を除く)、123万円超136万円以下の人は年末調整を行う時期で扱いが分かれます。
著しい心身の障害による退職も、資料で書き方が少し違います。「年末調整のしかた」は「その退職の時期からみて本年中に再就職ができないと見込まれる人」、源泉徴収のあらまし(令和8年版)はそれに加えて「かつ、退職後その年中に給与の支払を受けることとなっていないとき」としているので、退職後その年中に給与の支払を受ける予定がある人はこの例外に当たるかを慎重に確かめます。
年の中途で行う年末調整はほかに、年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人(申告書を出していて他の対象外の区分に当たらない人)について、非居住者となった時に行います。退職者の源泉徴収票の書き方と交付は退職者の源泉徴収票、年末調整の期限と12月退職者の扱いは年末調整はいつまで?で整理しています。
判定に使う給与の数え方
源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、年末調整の対象となる給与を、その年1月1日から12月31日までの間に支給日が到来して支払うことが確定した給与だとしています(支払が確定する時期には、支給日が定められていない給与などについて別の定めがあり、後で説明します)。実際にその給与を支払ったかどうかに関係なく、その年中に支払うことが確定している給与は、たとえ未払であってもその年中の給与に含めます。主たる給与の収入金額が2,000万円を超えるか(令和8年分)や、パートタイマーなどの退職者の給与の総額が基準額以下かを見るときも、原則としてこの物差しで数えます。ただし、給与の収入が確定する時期は、支給日が定められていない給与はその支給を受けた日、利益を基礎として支給金額が定められる役員賞与はその決議等があった日(総額だけを決議して各人ごとの支給金額を定めていない場合は、各人ごとの支給金額が具体的に定められた日)など、給与の区分ごとに別の定めがあります(源泉徴収のあらまし(令和8年版)「給与所得の収入すべき時期」)。
「年末調整のしかた」は、年の中途で就職した人で、就職前に他の給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を出して受けていた給与がある人は、その前職分の給与を含めて年末調整をする(前職分を源泉徴収票などで確認できるまでは、その人の年末調整を見合わせる)としています。前職分の給与と徴収税額は前の給与の支払者が交付した源泉徴収票などで確かめ、確認できるまではその人の年末調整を見合わせます。2か所以上から給与を受けていて年の中途で申告書の提出先を変えた人は、前の提出先から変更の時までに受けた給与と、後の提出先から受けた給与の全部が、後の提出先の年末調整の対象になります。
源泉徴収税額の計算ツールで、甲欄・乙欄の毎月の税額を確かめる対象とならない人に会社がすること
「年末調整のしかた」の注意事項は、年末調整の対象とならない人は自分で確定申告をして税額の精算をすることになるので、期限までに住所地の所轄税務署長に確定申告書を提出するよう指導してください、としています。源泉徴収のあらまし(令和8年版)によると、令和8年分の所得税の確定申告の相談と申告書の受付は令和9年2月16日(火)から同年3月15日(月)までで、税務署の閉庁日(土・日曜・祝日などの休日)は通常は相談・受付をしませんが、e-Taxによる送信や郵便・信書便による送付、時間外収受箱への投函で申告書を出せます(還付申告の人は確定申告期前でも申告書を出せます)。
- 源泉徴収票を渡す — 源泉徴収のあらまし(令和8年版)によると、居住者に給与を支払う者は、その年に支払の確定した給与の金額や源泉徴収税額などを記載した給与所得の源泉徴収票を作り、受給者に交付しなければなりません(所得税法226条1項)。年の中途で退職した人の源泉徴収票の作り方は退職者の源泉徴収票、再発行を頼まれたときの対応は源泉徴収票の再発行にまとめています。
- 申告書を出していない人に提出を求める — 1か所からだけ給与を受ける人が扶養控除等(異動)申告書を出していないなら、提出を求めます(③の区分を減らせます)。
- 年末調整を受けていない理由を伝える — 主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人(令和8年分)など①②の人は、毎月の源泉徴収を受けていても年末調整は受けていないので、必要に応じて本人の確定申告で精算します。
源泉徴収そのものの仕組みは源泉徴収とは、確定申告の期限は確定申告はいつまで?で整理しています。
「年末調整の対象外」と「確定申告が必要」は別の話
年末調整の対象かどうかと、確定申告をしなければならないかどうかは、別の基準で決まります。源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、令和8年分の確定申告をしなければならない給与所得者を、各種の所得金額の合計額から所得控除を差し引いて算出した税額が、配当控除額と年末調整で控除を受けた住宅借入金等特別控除額の合計額より多い人(還付申告に該当する人を除く)のうち、次のような人としています。その1つが、1か所から給与を受ける給与所得者で給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、給与所得及び退職所得以外の所得(地代、家賃、原稿料など)の合計額が20万円を超える人で、年末調整を受けた人でも当たります(主な例外: 源泉分離課税の所得や、確定申告をしないことを選択した所得はこの20万円に含めない)。この基準は、年末調整の対象から外れる要件ではありません。
2か所以上から給与を受ける人(③の乙欄の人を含む)は、同じ資料によると、令和8年分は給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、年末調整を受けた主たる給与以外の従たる給与の収入金額と、給与所得及び退職所得以外の所得(源泉分離課税の所得などを含めない)との合計額が20万円を超えると、上の税額の条件を満たすときに確定申告が必要です。ただし、令和8年分は2か所以上から給与を受ける人でも、給与の合計額(社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除又は特定親族特別控除を受ける場合はそれらを差し引いた金額)が150万円以下で、かつ給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の人は、確定申告をする必要はありません(この20万円にも、源泉分離課税の所得や確定申告をしないことを選択した所得は含めません)。同じ資料は、このほかにも、上の税額の条件を満たす場合に、同族会社の役員などでその会社から給与のほかに貸付金の利子や不動産の賃貸料などを受けている人などを、確定申告が必要な給与所得者として挙げています。副業の所得の扱いは副業の確定申告で整理しています。
- 年末調整は扶養控除等(異動)申告書を出している人の全員に行うのが原則で、令和8年分の「年末調整のしかた」は対象とならない人を6つの区分で挙げている
- 対象とならない人: 本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人(令和8年分)、災害減免法により本年分の給与の源泉所得税・復興特別所得税の徴収猶予か還付を受けた人、乙欄の適用者(他社に申告書を出している人・年末調整の時までに申告書を出していない人)、4つの例外に当たらない年の中途の退職者、非居住者(年の中途で非居住者となった人を除く)、丙欄の適用者(日雇労働者など)
- 年の中途の退職者でも、死亡退職など本文の4つの例外(著しい心身の障害による退職は、退職の時期からみて本年中に再就職できないと見込まれることなどの条件つき)に当たる人は、他の対象外の区分に当たらなければ退職の時に年末調整をする。4つの例外のうちパートタイマーなどの退職者の基準額は、本年中の給与の総額が、令和8年11月30日までに行う年末調整では123万円以下、令和8年12月1日以後に行う年末調整では136万円以下(退職後本年中に他から給与を受ける見込みがある人を除く)
- 年の中途で海外転勤などにより非居住者となった人は、他の対象外の区分に当たらなければ非居住者となった時に年末調整をする
- 対象とならない人の税額は会社の年末調整では精算されないので、必要に応じて本人が確定申告(還付申告を含む)で精算する。会社は居住者の従業員に給与所得の源泉徴収票を交付し、申告書を出していない1か所勤務の人には提出を求める
よくある質問
パートやアルバイトも年末調整の対象になりますか?
雇用の形ではなく、扶養控除等(異動)申告書を自社に出しているか、年末まで勤務するか(年の中途で退職する人は4つの例外に当たるか)、他の対象外の区分に当たらないかで決まります(年の中途で海外転勤などにより非居住者となる人は、非居住者となった時の年末調整の対象)。申告書を出して1年を通じて勤務している(または年の中途で就職して年末まで勤務している)パート・アルバイトは、他の対象外の区分に当たらなければ年末調整の対象です。他の会社に申告書を出している人(乙欄)や、日雇で日額表の丙欄を適用する人は対象になりません。
11月に退職した従業員の年末調整はしなくてよいですか?
年の中途で退職した人は、死亡退職、著しい心身の障害で退職の時期からみて本年中に再就職できないと見込まれる人(源泉徴収のあらまし(令和8年版)は、かつ、退職後その年中に給与の支払を受けることとなっていないことも条件としている)、12月中に支給期の到来する給与を受けた後の退職、パートタイマーなどで本年中の給与の総額が一定額以下(退職後本年中に他の勤務先等から給与を受ける見込みがある人を除く)の4つに当たらなければ年末調整の対象になりません。パートタイマーなどの基準額は、源泉徴収のあらまし(令和8年版)では123万円以下で、令和8年12月1日以後に行う年末調整を扱う令和8年分の「年末調整のしかた」では136万円以下なので、令和8年11月の退職の時に行う年末調整では123万円以下で判定します。4つのどれかに当たり、扶養控除等(異動)申告書を出していて他の対象外の区分に当たらなければ、退職の時に年末調整をします。居住者の退職者には給与所得の源泉徴収票を交付します。年末調整をしなかった退職者が転職先で年末まで勤務し、転職先に申告書を出して他の対象外の区分に当たらなければ、転職先の年末調整で精算されます(前職に申告書を出して受けていた給与は、前職分の源泉徴収票などで確かめて含め、確認できるまでは年末調整を見合わせます)。そうでなければ、必要に応じて本人の確定申告で精算します。
令和8年分で主たる給与の収入金額が2,000万円を超える役員も、年末調整の対象外ですか?
令和8年分の「年末調整のしかた」は、本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人を年末調整の対象外としていて、その表に役員と使用人を分ける区分はありません。源泉徴収のあらまし(令和8年版)によると、年末調整の対象となる給与は原則として支給日がその年中に到来して支払うことが確定した給与で、未払の給与も含めます。役員の賞与のうち利益を基礎として支給金額が定められるものは、その決議等があった日(総額だけを決議した場合は各人ごとの支給金額が具体的に定められた日)に収入が確定します。対象外の人の税額は、必要に応じて本人の確定申告で精算します。
年の途中で海外に転勤した社員は年末調整をしますか?
国税庁の令和8年分「年末調整のしかた」は、年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人を年末調整の対象とし(主たる給与の収入金額が基準を超える人など、対象とならない区分に当たる人を除く)、非居住者となった時に年末調整を行うとしています。非居住者とは、国内に住所も1年以上の居所も有しない人です。その年を通じて非居住者の人は年末調整の対象になりません。
出典
国税庁の令和8年分「年末調整のしかた」、源泉徴収のあらまし(令和8年版)の原文を読んで確認。
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」 Ⅱ 年末調整とは(2 年末調整の対象となる人・3 年末調整を行う時)、昨年と比べて変わった点、扶養親族等の説明、年税額の速算表
- 国税庁「源泉徴収のあらまし(令和8年版)」 第2 給与所得の源泉徴収事務(給与所得の収入すべき時期・年末調整を行う時期・年末調整の対象とならない人・年末調整の対象となる給与)、第13 給与所得者の確定申告、給与所得の源泉徴収票
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。特定の従業員が年末調整の対象かどうか、確定申告が必要かどうかは、その人の給与の支払状況や居住の実態ごとに判断されます。具体的な対応は、税理士または所轄の税務署にご相談ください。