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事業所得とは?収入・必要経費の計算例と申告前の確認表

事業所得は、個人が営む事業の総収入金額から必要経費を差し引いた所得です。売上や通帳への入金額が、そのまま所得になるわけではありません。

まず下の計算例で収入・経費・所得を分けます。そのうえで、年末の売掛金や未払費用、家事費の混入を確認します。不動産の貸付けや山林・資産の譲渡には別の所得区分があるため、本稿は通常のサービス業などの事業収支を中心に扱います。

収入から所得を求める計算例

基本の式は「総収入金額 − 必要経費 = 事業所得」です。青色申告特別控除などを使うときは、その適用を別に確認します。

次は令和8年分の白色申告をする居住者のサービス業の仮定例です。経費は親族でない外注先への業務専用の委託料とします。同年末までに債務が成立し、役務提供を受け、金額を合理的に算定できた額です。追加控除なしとし、経費の特例・在庫・消費税・源泉徴収は考えません。

年間の事業収支を所得に直す設例
項目金額集計する内容
総収入金額480万円その年の収入に計上すべきサービス売上の合計
必要経費180万円設例の条件で計上する外注費の年額
事業所得300万円総収入金額から必要経費を引いた差額

この例で求めたのは所得であり、納付する所得税額ではありません。所得控除や他の所得、税額控除などを含む税額の計算は、個人事業主の税金で確認できます。

事業収支を集計する流れ 総収入金額を集計 必要経費を差し引く 所得を求め、適用する控除を確認
売上の集計と経費の集計を分けると、入金額だけでは分からない収支を確認できます。

総収入金額に入れるものと計上時期

総収入金額には、売上以外の事業に付随する収入も含めます。売上帳だけで集計を終えず、事業の入出金記録と照合しましょう。

次は通常の事業収入の例です。収入の計上時期は、現金主義の特例を適用している場合を除いて確認します。

事業から生じる収入の確認例
収入の内容見落としやすい点
商品の販売・サービスの提供未入金でも、その年に収入すべき権利が確定していないか確認
金銭以外で受け取る物・権利等経済的利益の価額も収入に含める
商品の自家消費・贈与代金を受け取らなくても、収入計上の対象となる
棚卸資産の損失に対する保険金・損害賠償金個人の身体被害などの保険金と混同しない
空箱・作業くずの売却、仕入割引・リベート本業の売上と別の科目でも、事業から生じる収入として確認

上の表は収入の範囲の例です。自家消費等の評価額や保険金の性質が不明なら、国税庁「収入金額とその計算」と取引の資料を確認します。

収入を計上する年を確認する

現金主義の特例を適用する場合を除き、収入は、取引内容・性質・契約・慣習に照らして収入すべき権利が確定した年に計上します。請求書をまだ発行していないことだけでは、翌年の収入に移せません。

たとえば、現金主義の特例を除き、年末に収入すべき権利が確定したサービス売上が翌年入金されるなら、その年の売上として集計します。請求書、納品・検収の記録、契約書を並べ、売上の年と回収の年を分けて記録するのが確認の入口です。

現金主義は希望すれば自由に使える処理ではありません。青色申告の小規模事業者等に要件と届出があるため、適用の有無を確認してから計上方法を決めます。

必要経費と年末の未払費用

経費の集計では、業務に使った支出と私生活の支出を分け、計上する年も確認します。事業用口座から支払ったという理由だけで、私生活の費用まで経費にすることはできません。

支出を集計するときの確認例
支出の内容確認すること
売上原価、外注費、事務所家賃など業務との関係と、その年に計上する金額を確認
親族以外から借りる自宅兼事務所の家賃記録等で、業務に直接必要な部分を明確に区分できる金額を経費にする
生活費、個人の所得税・住民税事業所得の必要経費に含めない
長く使う設備・備品減価償却や少額資産の取扱いを確認し、支払額をそのまま経費にしない

家事と事業で共用する費用の分け方は家事按分、設備購入の処理は少額減価償却資産で確認できます。生計を一にする親族への支払には別の扱いがあるため、通常の従業員給与等と混ぜず、専従者給与・控除も確認してください。

未払でも、その年の経費になることがある

費用は、現金主義の特例を除き、次の条件を満たすときは未払いでもその年に計上します。減価償却費等は別です。

年末の請求書と役務提供の記録、翌年の支払明細を照合しましょう。年内に払った金額でも翌年分の前払い等はそのまま当年の経費にはせず、前払費用等の取扱いを確認します。

商品仕入れを扱う事業は、売れ残りを含む仕入代金の支払額と売上原価を分けます。棚卸しと原価計算は売上原価、経費算入の基本は国税庁「必要経費の知識」へ。

雑所得との境界は活動の実態で確認

所得区分は、自分で選んだ呼び方や開業届の提出だけでは決まりません。所得税基本通達の雑所得関係は、所得を得る活動が社会通念上、事業と呼べる程度かどうかで判定するとしています。

帳簿書類を保存していることも確認点ですが、保存しているだけで事業所得に確定するものではありません。収入額だけの機械的な線引きや、「副業だから雑所得」とする判断は避け、活動の実態と記録を確認します。

帳簿を保存していない場合の区分と例外、業務に係る雑所得の保存義務は、雑所得との境界と帳簿保存の確認表にまとめています。判断に迷う具体的な所得区分は税務署・税理士に確認してください。

事業所得の記帳と書類保存

事業所得のある人は、白色申告でも収入・必要経費の記帳と帳簿書類の保存が必要です。確定申告の時だけ通帳を足し合わせるのではなく、取引の内容が分かる記録を残します。

事業収支を集計するために残す記録
記録・書類確認できるようにする内容
売上・仕入・経費の帳簿取引年月日、相手方、金額、取引の内容
請求書・領収書・納品書など帳簿の取引と対応する根拠
売掛金・未払費用の記録売上・経費を計上した年と、入出金の時期
決算に用いる棚卸表等年末の在庫や集計額の根拠

白色申告では、日々の合計額をまとめるなど簡易な記帳方法も認められています。青色申告は、適用する控除等に合った記帳方法を確認します。帳簿と証憑は種類で保存期間が異なるため、国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」と「青色申告制度」で保存対象を確認してください。

青色申告と赤字の取扱い

青色申告の特別控除と、事業の必要経費は分けて確認します。青色申告には申請・承認のほか、控除額ごとの記帳・申告などの要件があります。承認を受けたという点だけで最高額になるわけではありません。

控除を使う年分と、帳簿・決算書・電子申告等の条件は青色申告特別控除、申請の手続は青色申告承認申請書で確認できます。

事業所得の損失は他の所得との損益通算の対象ですが、生活に通常必要でない資産の損失や、分離課税の株式・先物・土地建物等の所得との通算には制限があります。赤字ならどの所得からも差し引けるとは考えず、損益通算の対象と例外を確認してください。

青色申告による純損失の繰越控除には、対象期間、損失年の青色申告とその後の連続申告などの条件があります。すでに控除・繰戻しに使った損失との重複や、災害損失等の特例も含め、国税庁「青色申告制度」と所得税法の純損失の繰越控除で対象を確認します。

申告前の確認表

帳簿の集計を終えてから、申告する所得金額を確認します。白色申告の収支内訳書や青色申告決算書は、取引記録を集計して作成するものです。

事業所得の集計から申告まで
確認する順序作業の内容
所得区分活動の実態、帳簿保存、他の所得区分を確認
総収入金額売上以外の事業収入、年末の未回収売上の漏れを確認
必要経費家事費、未払・前払、在庫、減価償却を整理
決算・収支の書類帳簿と資料を照合し、青色申告決算書・収支内訳書を作成
申告内容控除、他の所得、損失処理、申告の要否を確認

事業所得の金額だけで確定申告の要否や税額を決めず、所得控除等も含めて確認してください。申告準備は確定申告の必要書類、会社員の副業の申告は副業の確定申告と住民税へ進めます。

住民税計算機所得を整理した後の計算に使う。対応条件は計算機で確認

よくある質問

事業収入と事業所得は何が違いますか?

事業収入は経費を引く前の総収入金額、事業所得はそこから必要経費を差し引いた金額です。青色申告特別控除などがある場合は、その適用も別に確認します。

会社員の副業でも事業所得になりますか?

副業という呼び方だけでは決まりません。社会通念上、事業と呼べる活動の実態があるか、帳簿書類を保存しているかなどを確認します。個別の区分は税務署・税理士に確認してください。

開業届を出せば事業所得で申告できますか?

開業届を提出したという点だけでは所得区分は確定しません。収入を得る活動の実態を確認し、事業所得と雑所得を区別します。

白色申告なら帳簿を付けなくてもよいですか?

いいえ。事業所得のある人は白色申告でも収入・必要経費の記帳と帳簿書類の保存が必要です。日々の合計額をまとめるなど簡易な記帳方法も認められています。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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