税金・経理・補助金ツールズ

個人事業主の税金一覧|支払い時期・所得別の計算例と控除

個人事業主がまず確認する税金は、所得税・住民税・個人事業税・消費税です。税額は売上だけでは決まらず、経費・控除・業種・消費税の課税状況で変わります。

国保加入者・国民年金第1号被保険者は、その保険料も税金とは別に見込みます。下の一覧で納付先と計算の基礎を確認し、カレンダーで支払い月を押さえてください。事業用の資産や契約があれば、固定資産税・印紙税なども別途確認します。

税金と社会保険料の一覧

国内居住者の総合課税の事業所得についての一覧です。税は申告・納付が必要な場合、保険は加入対象の場合の手続を示します。会社の健康保険・厚生年金に加入している兼業者などは、社会保険の欄をそのまま当てはめないでください。

種類何にかかる・いくらか納付先・手続き
所得税・復興特別所得税所得税は課税所得を基に計算。復興特別所得税は基準所得税額を基に計算税務署へ確定申告し、国へ納付
住民税前年所得を基に計算する所得割と定額の均等割。森林環境税も併せて徴収市区町村。普通徴収は納税通知書に従う
個人事業税法定業種の所得が対象。青色申告特別控除は使わず、事業主控除などを適用都道府県。都税・県税事務所等からの通知書で納付
消費税・地方消費税課税事業者が対象。課税売上と適用する計算方式によって納付額が変わる税務署へ申告し、国・地方分を併せて納付
国民健康保険自治体の料率、前年所得、世帯の加入者数や年齢などで変わる市区町村。保険料の通知書で確認
国民年金第1号被保険者の通常月払いは、令和8年度は月額17,920円日本年金機構の納付書や口座振替など。市区町村窓口では納付できない

国民年金の前納・付加保険料・免除や猶予は別扱いです。国保には軽減・減免や賦課限度額があり、全国共通の保険料額はありません。

税目ごとの条件は、所得税率の見方、住民税の計算、個人事業税の対象業種と控除で確認できます。社会保険料は国保の保険料と国民年金保険料に分けて見ます。

年間の支払いカレンダー

申告・納付が必要な場合の通常期限です。土日祝日等に当たる期限は翌平日・翌営業日へ延びます。死亡・出国、災害による延長、振替納税の引落日、延納、消費税の短縮課税期間は別扱いです。地方税・国保は通知書の納期限も確認してください。

税金・保険料支払い時期確認するもの
所得税・復興特別所得税の確定申告と納付翌年3月15日確定申告書。源泉徴収税額・予定納税額を精算
消費税・地方消費税。個人の課税事業者の暦年課税期間翌年3月31日消費税申告書。所得税とは別に申告する
住民税の普通徴収。港区の例6月・8月・10月・翌年1月の各末納税通知書。給与・年金からの特別徴収は別
所得税・復興特別所得税の予定納税。特別農業所得者を除く通常の納期7月末・11月末税務署から届く予定納税額の通知
個人事業税。東京都の通常の納期8月末・11月末都税事務所等の通知書。修正申告・廃業等では別の納期もある
国民健康保険通知書に記載の各納期市区町村の保険料決定通知書
国民年金の通常月払い納付対象月の翌月末年末年始等の金融機関休業日は翌営業日

予定納税は、予定納税基準額が15万円以上の人が対象です。前年の税額をそのまま当年の追加負担と考えず、確定申告で精算する前払いとして扱います。

令和8年の予定納税には、その年の基礎控除改正は反映されず、確定申告時に精算されます。減額申請の条件や特別農業所得者の扱いは、予定納税の解説と国税庁「予定納税」で確認してください。

所得別の税額を試算する

同じ売上でも経費や控除が違えば税額は変わります。比較のため、売上から経費を引いた利益だけを変えた例を示します。国保・年金の実際の額と消費税は、この表の税額には含みません。

試算の共通条件:日本の居住者、他の所得・扶養等の控除なし。青色申告の承認を受け、複式簿記・決算書等の期限内e-Tax送信により青色申告特別控除65万円を適用し、社会保険料は各年の実払60万円と仮定します。所得税は令和8年分、住民税は同額の所得が前年にある場合の令和8年度の標準税率・均等割等で計算。個人事業税は通年営業の税率5%の法定業種で、既払事業税を含めた必要経費の後の利益を使います。源泉徴収・予定納税・損失繰越・専従者なし。税額控除は住民税の調整控除だけ適用します。死亡・出国の準確定申告、家内労働者等の必要経費特例は対象外です。

共通条件による税額の比較(円)
計算項目利益が低い例中間の例利益が高い例
売上5,000,0007,000,00010,000,000
必要経費2,000,0002,000,0002,000,000
青色控除前の利益3,000,0005,000,0008,000,000
青色控除後の事業所得2,350,0004,350,0007,350,000
所得税の基礎控除1,040,0001,040,000620,000
所得税の課税所得710,0002,710,0006,130,000
所得税・復興特別所得税の納付額36,200177,100815,200
住民税の課税所得1,320,0003,320,0006,320,000
住民税・森林環境税の年額134,500334,500634,500
個人事業税の年額5,000105,000255,000

社会保険料は保険料率から計算した額ではなく、比較用の仮定です。住民税は所得割から調整控除を引き、均等割・森林環境税を加えています。課税所得は千円未満、復興特別所得税は円未満、所得税の納付額は百円未満を切り捨てています。

「税額の年額」と「その年の口座から出ていく額」は一致しません。予定納税や源泉徴収があれば確定申告での納付額が減り、事業を継続する場合の事業所得に対する住民税・個人事業税は、前の年の所得に対応するためです。

自分の所得と控除で所得税を計算する →

売上から税額までの計算順

税目ごとに計算の土台を作り直します。事業の総収入金額から必要経費を引き、青色申告特別控除を適用できる場合はその控除後の事業所得を求めます。事業所得に当たらない不動産・給与などの所得がある場合は、合算や別計算の確認も必要です。

総収入金額 − 必要経費 → 事業の利益所得税・住民税青色控除を確認所得控除を確認個人事業税青色控除は使わない事業主控除を確認消費税利益とは別に課税取引から計算同じ「課税所得」を税目間で流用しない
個人事業税の所得計算には専従者・損失控除などの調整もあります。消費税は利益に所得税率を掛ける計算とは別です。

所得税は、総合課税の所得から所得控除を引いた課税所得に速算表を使い、税額控除や復興特別所得税を反映してから、源泉徴収・予定納税を精算します。全体の計算手順は所得税率の解説へ、申告が必要かどうかは確定申告はいくらから必要かへ進めます。

個人事業税の事業主控除は、通年営業なら290万円で、年途中の開廃業は月割です。青色申告特別控除を引く前の金額に戻すなど、個人事業税の計算方法に沿って判定します。

消費税は、前々年の課税売上高が1,000万円以下でも、インボイス登録・課税選択・特定期間の判定などによって納税義務が生じます。「開業直後」「売上が少ない」という理由だけで免税と決めないことが確認点です。

消費税の主な確認先は国税庁「納税義務の免除」です。期中登録した免税事業者の申告対象は登録日以後の課税取引です。特定期間、課税選択後や資産取得後の免税復帰制限、相続等の例外も同ページで確認できます。

税金を減らすために確認するもの

経費と所得控除を分けて、適用できる項目の計上漏れを確かめます。同じ支払いを経費と所得控除に重ねて入れないよう、帳簿と申告書の欄を区別します。

確認するもの税額への反映と注意点詳しい確認先
青色申告特別控除事業所得等から控除する制度。帳簿・決算書・申告方法で額が変わる年分別の要件表
事業の必要経費私生活の支出は除く。自宅兼事務所などは事業上必要な部分を明確に区分する家事按分・租税公課
国保・国民年金の保険料本人が自分の保険料をその年に実際に支払った額は、社会保険料控除の対象社会保険料控除
小規模企業共済(旧第二種共済契約を除く)・iDeCo本人の加入者掛金のうち、その年に支払った額は小規模企業共済等掛金控除の対象掛金控除・iDeCoの控除額

令和8年分の青色申告特別控除は、帳簿と申告方法などの要件に応じて額が変わります。上の試算は、青色の承認を受け、複式簿記で記帳し、決算書等を期限内にe-Tax送信するケースです。

青色控除は黒字所得が限度で、現金主義の特例を選ぶ場合はこの試算の対象外です。青色申告特別控除のe-Taxの要件は、申告書・決算書等の画像添付だけでは満たせません。優良電子帳簿による別ルートや翌年分以後の改正は、青色申告特別控除の要件表で確認してください。

家族への給与には、生計を一にする親族への支払いと専従者の特例の確認が必要です。また、家内労働者等には必要経費の特例があるため、上の試算をそのまま使わず、家内労働者等の必要経費の特例で確認します。

小規模企業共済とiDeCoの本人掛金は、事業の必要経費として処理するものではなく所得控除です。加入資格や掛金の上限、受け取り時の課税も、それぞれの制度の確認が必要です。

通知書が届く前に確認したいこと

所得税の申告を出した後は、税務署から納付書が届くのを待たずに納税手続きを確認します。申告書の送信と税金の支払いは、同じ作業ではありません。

事業所得に対する住民税の所得割は、その年度の1月1日現在の住所を基に、前年の所得から計算されます。開業初年度でも、前年に給与などの所得があれば住民税が発生する場合があります。

国保の所得割では、前年の所得から国保用の基礎控除を引いた算定基礎額を使い、負になる場合はゼロとします。所得税の課税所得をそのまま使わず、世帯全体の加入状況も確認します。国保の計算の例は新宿区「保険料の計算方法」で確認できます。

支払いの見通しを立てる順番
  • 帳簿で売上・必要経費・青色控除後の所得を分ける。
  • 所得税は申告書、住民税・事業税・国保は通知書で納付額と期限を確認する。
  • 税額の年額、既に納めた源泉税・予定納税、これから支払う保険料を分けて資金繰りに反映する。

よくある質問

売上だけで税金の額は分かりますか?

分かりません。必要経費や所得控除、業種、消費税の課税状況などで変わるためです。売上などの総収入金額から必要経費を引き、税目ごとに控除や対象を確認します。

所得税がかからなければ住民税や国保もかかりませんか?

同じ結論にはなりません。所得税と住民税は控除や非課税基準が違い、国保も独自の計算をします。所得税の納付額だけで他の負担がないと判断せず、市区町村の通知や申告の案内を確認します。

予定納税は確定申告の税金に追加でかかりますか?

予定納税は所得税等の前払いで、確定申告で計算した税額から差し引いて精算します。納め過ぎなら還付になるため、年額を見積もるときに重ねて足さないようにします。

次に読む

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・市区町村・都道府県税事務所・税理士等にご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。

この内容をXで共有