還付申告とは?出せる期間の早見表・必要書類・更正の請求との違い
還付申告は、源泉徴収や予定納税で納め過ぎになっている所得税を戻してもらうための確定申告です。所得税法122条が定めており、条文の語尾は「提出することができる」なので、出すかどうかは本人が決めます。
還付申告書を提出できる期間は、期限内の提出が要件の特例を使う申告を除き、その年の翌年1月1日から5年間です。この数え方で、令和3年分の所得税の還付申告は令和8年12月31日までが提出できる期間です。
この記事は、国内に住む個人(居住者)の所得税の還付申告に絞って、年分ごとの期間の早見表、添付・提示・保存に分けた必要書類の表、更正の請求との違いをまとめます。消費税の還付はこの記事では扱わず、消費税の還付の記事にまとめています。
出せる期間 — 年分ごとの早見表
次の表は、居住者の所得税の還付申告書を提出できる期間を、年分ごとに並べたものです。還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(No.2030)。法定申告期限までの提出が要件の特例を使う申告は、還付申告でもこの表ではなく法定申告期限までに提出します。
| 年分 | 提出できる最初の日 | 提出できる最後の日 |
|---|---|---|
| 令和3年分 | 令和4年1月1日 | 令和8年12月31日 |
| 令和4年分 | 令和5年1月1日 | 令和9年12月31日 |
| 令和5年分 | 令和6年1月1日 | 令和10年12月31日 |
| 令和6年分 | 令和7年1月1日 | 令和11年12月31日 |
| 令和7年分 | 令和8年1月1日 | 令和12年12月31日 |
| 令和8年分 | 令和9年1月1日 | 令和13年12月31日 |
No.2030は、青色申告特別控除のうち期限内の提出が要件の区分など、法定申告期限までの確定申告書の提出が要件となっている特例を適用する場合には、還付申告であっても法定申告期限までに提出する必要があるとしています。還付になるかどうかと、その特例に期限内の提出という要件があるかどうかは、別々に確かめます。
表の数え方は、国税庁の質疑応答事例「還付請求の消滅時効の起算日」と同じです。令和7年分の行は、国税庁「令和7年分 確定申告の手引き」が還付申告について示す「令和12年12月31日まで」と一致します。
令和2年分の所得税の還付申告は、令和3年1月1日から令和7年12月31日までが還付請求できる期間で、すでに終わっています(国税庁の質疑応答事例)。同じ質疑応答事例は、令和2年分の所得税の還付申告書を令和8年1月31日に提出しても還付請求は認められないとしています。
表の期間は「還付請求ができる期間」です。還付申告に付く還付加算金の数え方や、還付金が振り込まれるまでの目安は、確定申告の還付金が振り込まれる時期の記事にまとめています。確定申告期間を待たなくてよい理由と、期間の長さの根拠になる条文は、確定申告の期限の記事の還付申告の節で条文を並べて説明しています。
還付申告になる場面 — 国税庁の例と、年末調整で受けていない控除
次の表は、No.2030が、給与所得者が原則として還付申告をすることができる場合として挙げる11の例です(令和8年4月1日現在法令等)。どの例も、源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が納め過ぎになっている場合に限って、還付申告で還付を受けられます。例示なので、これ以外の場面もあります。
| 給与所得者が還付申告をすることができる場合の例 |
|---|
| (1)年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき |
| (2)一定の要件を満たしたマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき(住宅借入金等特別控除) |
| (3)借入金を利用して特定の改修工事をしたとき(特定増改築等住宅借入金等特別控除、令和3年居住開始分までの適用) |
| (4)マイホームに特定の改修工事をしたとき(住宅特定改修特別税額控除) |
| (5)認定住宅等の新築等をした場合(認定住宅等新築等特別税額控除) |
| (6)耐震改修工事をしたとき(住宅耐震改修特別控除) |
| (7)災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除) |
| (8)特定支出控除の適用を受けるとき(給与所得者の特定支出控除) |
| (9)多額の医療費を支出したとき(医療費控除) |
| (10)特定の寄附をしたとき(寄附金控除) |
| (11)上場株式等に係る譲渡損失の金額を、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき |
給与所得者以外について、国税庁の手引きは、源泉徴収された税金や予定納税をした税金が納め過ぎになっている場合に還付申告で還付される人として、次の人を挙げています。
- 所得が公的年金等の雑所得のみで、生命保険料控除・地震保険料控除・雑損控除・医療費控除・寄附金控除などを受ける人
- 総合課税の配当所得や原稿料などがあり、年間の所得が一定額以下である人
- 退職所得があり、一定の場合に当たる人
年末調整で受けていない控除を、還付申告で申告する
年末調整を受けていない人や、年末調整で受けていない控除がある人は、源泉徴収された所得税額が納め過ぎになっていれば、還付申告で還付を受けられます。代表的な場面は次の4つです。
- 年の途中で退職し、その年に再就職しなかった — 年末調整を受けられないので、所得税及び復興特別所得税が納め過ぎとなっている場合があります。中途退職した年の翌年以降5年以内に確定申告をすれば、還付を受けられます(No.1910、No.2030)。
- 医療費控除・寄附金控除・雑損控除 — No.2030の例の7・9・10に当たります。国税庁の手引きも、給与所得者が還付申告で受ける控除の例にこの3つを挙げています。
- 年末調整で控除されなかった保険料 — 生命保険料控除や地震保険料控除は確定申告書にも書けます。年末調整で控除されなかった保険料は、確定申告書にこれらの控除を書いて申告します。証明書の扱いは必要書類の節に書いています。
- 住宅借入金等特別控除(年末調整で控除を受けている場合を除く) — No.2030の例の2に当たります。要件は住宅ローン控除の要件で扱っています。
中途退職には補足が2つあります。
- 令和9年分以後は、所得税及び復興特別所得税に防衛特別所得税が加わります。
- 同じ年に再就職した場合は、原則として新しい勤務先が前の勤務先の給与を含めて年末調整をするので、納め過ぎは解消します。
5年の期間の例外は、出せる期間の節に書いています。医療費控除でいくら戻るかの見当は医療費控除 計算機で付けられ、対象になる金額の考え方は医療費控除はいくらからで扱っています。
還付申告でも、ほかの所得を含めて申告する
給与所得者や公的年金等の雑所得がある人が還付申告をする場合は、その他の各種の所得も申告が必要です(国税庁「令和7年分 確定申告の手引き」)。同じ手引きは、退職所得のある人が還付申告などで確定申告書を提出する場合は、退職所得を含めて申告する必要があるとしています。医療費控除の分だけを申告書に書く、という出し方にはなりません。
還付申告をしても戻らない場合
戻るのは、すでに納めた所得税のうち納め過ぎになっている分です。源泉徴収された所得税額も予定納税をした所得税額もない人は、申告しても還付される所得税額はありません(No.2030)。No.2030は、源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額がない人の例として、給与の源泉徴収票の源泉徴収税額が0と記載されている人を挙げています。
No.2030は、確定申告によって所得税の還付を受けることができない所得の具体例として、次の4つを挙げています。4つとも、源泉分離課税とされる所得です。
- 源泉分離課税とされる預貯金の利子
- 源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益
- 源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益
- 源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が5年以下のもの、および保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもの)
還付申告の必要書類 — 添付・提示・保存に分ける
次の表は、居住者が所得税の還付申告書を書面で提出する場合の主な書類を、場面ごとに並べたものです。扱いは「申告書に添付する」「添付するか、提出の際に提示する」「添付せず手元に保存する」に分かれ、源泉徴収票のように添付も提示も不要なものもあります。
| 場面 | 書類 | 扱い |
|---|---|---|
| 共通 | 確定申告書 | 提出する |
| 給与・年金がある | 源泉徴収票 | 添付も提示も不要。税務署等で申告書を作成する場合は持参する |
| 医療費控除 | 医療費控除の明細書 | 添付する(提示では足りない) |
| 医療費控除 | 保険者などが発行する、所定の事項が記載された医療費通知 | 明細の記載を省略する場合に限り添付する。添付した通知に記載された分は、明細書への記載を省略できる |
| 医療費控除 | 明細書に記載した医療費の領収書 | 添付しない。手元に保存する |
| 寄附金控除 | 寄附した団体などから交付された寄附金の受領証 | 添付するか提示する |
| 生命保険料控除 | 支払額などの証明書 | 添付するか提示する。旧生命保険料に係るもので1契約9千円以下のものは、証明書が要らない |
| 地震保険料控除 | 支払額などの証明書 | 添付するか提示する |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 支払額などの証明書 | 添付するか提示する |
| 国民年金の保険料と国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除 | 支払額などの証明書 | 添付するか提示する |
| 雑損控除 | 雑損控除の金額の計算の基礎となる、政令で定めるやむを得ない支出をした金額の領収書 | 添付するか提示する |
表の行ごとの補足は、次のとおりです。
- 源泉徴収票 — 添付も提示も不要ですが、申告書に書く源泉徴収税額などは源泉徴収票から写すので、手元には要ります。
- 医療費通知 — 通知に要る記載事項と番号部分の塗り潰しは、手引きとNo.1120によります。
- ふるさと納税 — 受領証の代わりに、特定事業者が発行する年間寄附金額を記載した「寄附金控除に関する証明書」でもかまいません。
- 寄附先による追加の書類 — 特定の公益法人や学校法人などに対する寄附と、一定の特定公益信託の信託財産とするための支出は、その法人や信託が適格であることなどの証明書又は認定証の写しが加わります。
- 保険料・掛金の証明書 — 年末調整で控除された保険料・掛金に係る証明書は不要です(所得税法施行令262条1項ただし書)。
- 社会保険料控除 — 証明書類の添付又は提示が定められているのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金だけです(所得税法120条3項1号のかっこ書)。
- 本人確認書類 — 書面で提出する場合に申告者本人のマイナンバーについて求められる本人確認書類は、国税庁の手引き「申告書に添付・提示する書類」の表で確かめます。
医療費の領収書を保存する期間
明細書に記載した医療費の領収書は、申告書に添付しません。税務署長は、次の期間、領収書の提示または提出を求めることができるので、その間は手元に保存します(所得税法120条5項・122条3項)。
- 領収書を求められる期間は、確定申告期限の翌日から起算して5年を経過する日までです。
- 法定申告期限後に提出した還付申告書など、還付請求申告書に当たる場合は、領収書を求められる期間を、確定申告期限ではなくその提出があった日の翌日から数えます。
- 5年を経過する日の前6月以内に更正の請求があった場合は、領収書を求められる期間が、更正の請求があった日から6月を経過する日までになります。
2つ目の数え方は、122条3項が120条5項を還付申告書に準用するときの、還付申告に固有の読み替えです。
e-Taxで提出する場合
e-Taxで確定申告書を提出する人は、一定の書類について、提出又は提示に代えて記載内容を入力して送信できます(確定申告の手引き)。その場合、税務署長は原則として法定申告期限から5年間、入力内容の確認のためにその書類の提出又は提示を求めることができます。これに応じないと、提出又は提示をしたことになりません。
表の根拠と、載せていない書類
還付申告の書類は、所得税法122条3項が、書類について定めた120条3項から7項までを還付申告書の提出に準用することで決まります。表の根拠は、所得税法120条3項から5項・122条3項、所得税法施行令262条1項、国税庁「令和7年分 確定申告の手引き」の「申告書に添付・提示する書類」です。
表は主な書類に絞っており、非居住者である親族に係る書類、勤労学生控除の書類、おむつ使用証明書などの各種証明書、政治献金の書類、本人確認書類は載せていません。表に載せていない書類、旧生命保険料の証明書が要らない範囲、医療費の領収書を保存する期間の数え方、e-Taxで入力送信に代えた書類の扱いは、確定申告の必要書類で条文を引いて説明しています。
国税庁の手引きは、確定申告を行う場合は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があるとしています。ワンストップ特例を申請した年分について医療費控除などの還付申告をするときは、その年分のふるさと納税の受領証や証明書も用意します。手順はふるさと納税の確定申告で扱っています。
更正の請求との違い
納め過ぎた所得税を戻してもらう手続は、還付申告のほかに更正の請求があります。分かれ目は、その年分の申告書をすでに提出しているかどうかです。国税通則法23条1項は、更正の請求ができる人を「納税申告書を提出した者」としています。
次の2つの場合は、上の分かれ目のとおりになりません。
- 申告書を提出済みでも、法定申告期限内である — 更正の請求ではなく、正しい確定申告書を作成し直して期限までに提出します(確定申告の手引き)。
- 申告書を提出していないが、税務署長の決定を受けた — 判決などの後発的な理由による更正の請求があります(国税通則法23条2項)。
次の表は、居住者の所得税について、還付申告と、法定申告期限を過ぎた後に行う更正の請求を比べたものです。
| 比べる点 | 還付申告 | 更正の請求 |
|---|---|---|
| 使う場面 | その年分の申告書をまだ提出しておらず、源泉徴収税額や予定納税額が納め過ぎになっている(確定損失申告書を提出できる場合を除く) | その年分の申告書を提出済みで法定申告期限を過ぎており、計算の誤りなどにより納める税金が多過ぎた、または還付される税金が少な過ぎた |
| 出す書類 | 確定申告書 | 更正の請求書 |
| 出せる期間 | 期限内の提出が要件の特例を使う申告を除き、その年の翌年1月1日から5年間 | 原則として法定申告期限から5年以内。還付申告書を提出していた人は、原則として還付申告書を提出した日から5年以内 |
| 税務署の処理 | 記載された金額が過大であると認められる事由がある場合を除き、申告書に記載された還付金に相当する所得税を還付する | 内容を検討し、納め過ぎがあると認めた場合に減額更正をして還付する |
| 根拠 | 所得税法122条・138条、国税通則法74条 | 国税通則法23条 |
還付申告の「税務署の処理」には補足があります。源泉徴収税額のうちまだ納付されていない部分は、納付があるまで還付されません。同じ年分の未納の所得税に充当されることもあります。
更正の請求の期間に付いている「原則として」の外には、判決などで計算の基礎となった事実が変わった場合のように、後発的な理由による別の期間があります(国税通則法23条2項)。更正の請求書の書き方と、税額を増やす側の修正申告との違いは、修正申告と更正の請求で扱っています。
提出先・提出方法と、源泉徴収税額の確かめ方
還付申告書の提出先は、提出するときの納税地を所轄する税務署長です(No.2030)。数年前の年分をさかのぼって出す場合でも、その年分の当時の住所地ではなく、提出する時点の納税地で見ます。
還付申告で提出する書類は確定申告書です(No.2030)。作成から提出までの流れは確定申告のやり方、スマートフォンでの作成はスマホで確定申告、郵送は確定申告の郵送で扱っています。
給与所得に係る源泉徴収税額は、勤務先が交付する給与所得の源泉徴収票で確かめます。公的年金等に係る源泉徴収税額は、公的年金等の支払者が交付する源泉徴収票で確かめます。会社の担当者が従業員から源泉徴収票の再発行を頼まれたときの対応は源泉徴収票の再発行にまとめています。
根拠の条文と通達
国税庁のタックスアンサーNo.2030は、確定申告書を提出する義務のない人でも還付申告ができるとしています。給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が、年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときです。このとき、確定申告をすることで納め過ぎの所得税の還付を受けられます。
根拠の条文は所得税法122条1項です。
居住者は、その年分の所得税につき第一号から第三号までに掲げる金額がある場合には、次条第一項の規定による申告書を提出することができる場合を除き、第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)又は第百三十九条第一項若しくは第二項(予納税額の還付)の規定による還付を受けるため、税務署長に対し、第百二十条第一項各号(確定所得申告)に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
1号から3号に挙がっているのは、税額の計算上控除しきれなかった外国税額控除の額、源泉徴収税額、予納税額の3つです。「次条第一項の規定による申告書」は123条の確定損失申告書のことで、これを提出できる場合は122条1項の対象から除かれています。
年末調整を受けた会社員のように確定申告書の提出を要しない人が出した申告書の扱いについては、国税庁の質疑応答事例があります。所得税法121条1項1号に当たり確定申告書の提出を要しない人が出した申告書で、還付金の額が記載されているものは、122条の還付申告書に当たるものとして取り扱われます(所得税基本通達121-1)。この質疑応答事例は、年末調整済みの給与所得と不動産所得の赤字を通算する照会を前提にした一般的な回答です。
まとめ
- 還付申告は、源泉徴収や予定納税で納め過ぎになっている所得税の還付を受けるための申告で、根拠は所得税法122条です。源泉徴収された所得税額も予定納税をした所得税額もない人には、還付される所得税額はありません。
- 還付申告書は、期限内の提出が要件の特例を使う申告を除き、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
- 書類の扱いは控除ごとに違います。本文の表で、申告書に添付するもの、提示でもよいもの、手元に保存するものを分けています。
- その年分の申告書をまだ提出しておらず、源泉徴収や予定納税の納め過ぎがあれば、確定損失申告書を提出できる場合を除き、還付申告です。
- 申告書を提出済みで、納める税金が多過ぎた、または還付される税金が少な過ぎた場合は、法定申告期限内なら正しい確定申告書を出し直します。
- 法定申告期限を過ぎていれば、更正の請求です。期間と例外は、更正の請求との違いの節にまとめています。
よくある質問
還付申告は、いつからいつまで出せますか?
期限内の提出が要件の特例を使う申告を除き、その年の翌年1月1日から5年間です(国税庁タックスアンサーNo.2030)。たとえば令和8年分の所得税の還付申告は、令和9年1月1日から令和13年12月31日までです。青色申告特別控除のうち期限内の提出が要件の区分のように、法定申告期限までの提出が要件の特例を使う場合は、還付申告でも法定申告期限までに提出します。
還付申告に源泉徴収票は添付しますか?
添付も提示も不要です(国税庁「令和7年分 確定申告の手引き」)。ただし、申告書に書く源泉徴収税額などは源泉徴収票から写すので手元には必要で、税務署等で申告書を作成する場合は持参します。
年末調整で生命保険料控除の証明書を出し忘れました。還付申告で申告できますか?
年末調整で控除されなかった保険料は、確定申告書に生命保険料控除を書いて申告できます。その結果、源泉徴収された所得税額が納め過ぎになっていれば還付されます。書面で提出するときは、旧生命保険料に係るもので1契約9千円以下のものを除き、支払額などの証明書を添付するか提示します。年末調整ですでに控除された保険料の証明書は、確定申告で出し直す必要がありません。e-Taxで提出する場合の扱いは、本文の必要書類の節に書いています。
還付申告をした後で、控除の漏れに気づきました。もう一度還付申告をするのですか?
更正の請求という手続で還付を受けられます。すでに還付申告をした年分について、還付を受けるべき税金を少なく申告していた場合の手続です。更正の請求ができる期間は、原則として還付申告書を提出した日から5年以内です(国税庁タックスアンサーNo.2030)。法定申告期限内であれば、正しい確定申告書を作成し直して期限までに提出します。
ワンストップ特例を申請したふるさと納税があります。医療費控除の還付申告をすると、どうなりますか?
国税庁の手引きは、確定申告を行う場合は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があるとしています。ワンストップ特例を申請した年分の還付申告書には、その年分のふるさと納税も寄附金控除として書きます。
出典
国税庁のタックスアンサー・質疑応答事例・確定申告の手引きと、所得税法・所得税法施行令・国税通則法の条文(e-Gov法令検索)で確認して作成。確認日:2026年10月11日。
- 国税庁「No.2030 還付申告」(令和8年4月1日現在法令等)。還付申告の定義、提出できる期間と期限内の提出が要件の特例、還付申告の具体例、対象とならない所得の具体例、提出先、還付申告後の更正の請求。
- 国税庁 質疑応答事例「還付請求の消滅時効の起算日」。令和2年分の還付請求できる期間、所得税基本通達121-1の取扱い。
- 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」の「確定申告をすれば税金が還付される方」と「申告書に添付・提示する書類」。令和7年分の還付申告の期間、その他の各種の所得の申告、ワンストップ特例、源泉徴収票、本人確認書類、控除ごとの書類。
- 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」の「申告に誤りがあった場合など」。法定申告期限内の出し直しと、期限後の更正の請求。
- 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」。医療費通知の記載事項。
- 国税庁「No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき」。
- 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」。更正の請求の手続と期間。
- e-Gov法令検索「所得税法」120条3項〜5項、121条、122条、138条。122条は令和8年12月1日施行の改正後も同じ条文です。
- e-Gov法令検索「所得税法施行令」262条1項、267条4項。
- e-Gov法令検索「国税通則法」23条、74条1項。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。