共働きの年末調整 — 子の扶養・配偶者控除・保険料控除を夫婦どちらの申告書に書くか(令和8年分)
結論から言うと、共働きの夫婦がそれぞれの勤務先で年末調整を受けるときは、子を扶養親族とする申告は夫婦のどちらか一方の扶養控除等申告書に書き、生命保険料や本人が直接支払った社会保険料などの保険料控除は、その保険料を支払った本人の保険料控除申告書に書きます(給与から差し引かれた社会保険料は申告書に書かず、給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものは本人が支払ったものとして扱います)。国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」は、共働きなど同一世帯に2以上の所得者がいる場合、扶養親族等はどの所得者の扶養親族等としても差し支えなく、いずれの所得者の扶養親族等とするかは、その所得者が提出した扶養控除等申告書等に記載されたところによるとしています。
一方で、夫婦の両方が受けられるものもあります。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(以下、手引(令和8年分))は、所得金額調整控除(年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人が対象)と、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例(それぞれが支払った令和8・9年分の新生命保険料に係る一般生命保険料控除)について、年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族である子がいるような同一世帯の夫婦の両方が適用を受けられると書いています。
この記事は、夫婦それぞれが給与所得者で、家族が国内に住んでいる場合を前提に、どちらの申告書に何を書くかを一覧にします。各控除の額や申告書の欄ごとの書き方は、それぞれの記事にリンクします。夫婦のどちらに書くと税額が少なくなるかという個別の判定はしません。
夫婦どちらの申告書に書くか(一覧)
次の表は、夫婦それぞれが給与所得者で、各自の勤務先に令和8年分の年末調整の申告書を出す場合を、手引(令和8年分)と国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」の記載で整理したものです。令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整では、配偶者控除は所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしている配偶者で、他の所得者の扶養親族とされる人、青色事業専従者等を除く)の合計所得金額が62万円以下の場合、配偶者特別控除は所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で同じ範囲の配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下の場合で、夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除を受けることはできず、配偶者特別控除の対象となる配偶者が他の所得者の特定親族にも該当する場合は、その配偶者はこれらの所得者のうちいずれか1人の配偶者特別控除の対象となる配偶者又は特定親族にのみ該当するものとみなされ、年の中途で配偶者と死別しその年中に再婚した所得者の配偶者控除又は配偶者特別控除の対象となる配偶者は、死亡した配偶者か再婚した配偶者のいずれか1人に限られます。
| 項目 | 誰の申告書に書くか | 使う申告書 |
|---|---|---|
| 子などの扶養親族(年齢16歳以上の控除対象扶養親族は扶養控除) | 夫婦のどちらか一方 | 扶養控除等(異動)申告書 |
| 特定親族(特定親族特別控除) | 夫婦のどちらか一方 | 特定親族特別控除申告書 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除 | 要件に当たる一方(配偶者特別控除を夫婦の双方がお互いに受けることはできない) | 配偶者控除等申告書 |
| 所得金額調整控除(給与の収入金額が850万円を超え、年齢23歳未満の扶養親族がいる場合など) | 要件に当たれば夫婦の両方 | 所得金額調整控除申告書 |
| 生命保険料控除 | 保険料を支払った本人(給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものは、本人が支払ったものとして扱う) | 保険料控除申告書 |
| 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例(令和8・9年分の新生命保険料) | 要件に当たれば夫婦の両方 | 保険料控除申告書 |
| 社会保険料控除・地震保険料控除 | 保険料を直接支払った本人(給与から差し引かれた社会保険料は申告書に書かず、給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものは、本人が支払ったものとして扱う) | 保険料控除申告書(給与から差し引かれた社会保険料は申告書に書かない) |
| 住宅ローン控除(連帯債務) | 夫婦それぞれが、負担すべき割合(原則として、適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した計算明細書に記入した負担割合)の分(控除を受けようとする最初の年分は確定申告により、その後の年分は年末調整で) | 住宅借入金等特別控除申告書(最初の年分は確定申告により控除を受け、その後の年分の年末調整で使う) |
扶養控除の対象になるのは年齢16歳以上の控除対象扶養親族で(年齢16歳未満の扶養親族は扶養控除等(異動)申告書の「住民税に関する事項」欄に書きます)、所得金額調整控除は、年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人のうち、本人が特別障害者に該当する人又は年齢23歳未満の扶養親族、特別障害者である同一生計配偶者若しくは特別障害者である扶養親族を有する人が対象で、生命保険料控除の特例は、年齢23歳未満の扶養親族を有し、令和8・9年分の新生命保険料を支払った人が対象です(これらの年齢は、その年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)。手引(令和8年分)によると、住宅借入金等特別控除を受けようとする最初の年分(居住の用に供しなくなった後に再び居住の用に供して適用を受ける最初の年分を含む)は確定申告により控除の適用を受ける必要があり、その後の年分は、年末調整の際に住宅借入金等特別控除申告書に基づいて控除を受けられます。
扶養親族に該当する子を、夫婦のどちらの扶養控除等申告書に書くか
国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」は、二以上の所得者の扶養親族に該当する人は、いずれか一の所得者の扶養親族にのみ該当するものとみなされるとしています。同じ子を、夫婦の両方の扶養控除の対象にすることはできません。
共働きなど同一世帯に2以上の所得者がいる場合、夫婦のどちらの扶養親族とするかは、その所得者が提出した扶養控除等申告書等に記載されたところによります。同一世帯の夫婦の扶養親族に該当する子が2人いる場合に、1人を夫の扶養控除等申告書等に、もう1人を妻の扶養控除等申告書等に書くこともできます。
扶養親族に当たる人
手引(令和8年分)によると、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整では、扶養親族とは、所得者と生計を一にする親族(6親等内の血族と3親等内の姻族をいい、配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く)で、令和8年分の合計所得金額が62万円以下の人をいい、児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子や老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる養護老人で、所得者と生計を一にし、合計所得金額が62万円以下の人も含まれます。手引(令和8年分)は、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整について、扶養親族の所得が給与所得だけの場合、本年中の給与の収入金額が136万円以下であれば、合計所得金額が62万円以下になると書いています。給与以外の所得がある場合の見方と申告書の欄は、扶養控除等申告書の書き方で扱っています。
「住民税に関する事項」欄に書く扶養親族
手引(令和8年分)によると、年齢16歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族(年少扶養親族)は、控除対象扶養親族に該当しませんが、扶養控除等(異動)申告書の「住民税に関する事項」欄の記載事項です。退職手当等の支払を受ける扶養親族がいる場合の欄は年末調整の書き方で、住民税での扱いは住民税の扶養控除で扱っています。
特定親族も、いずれか1人の所得者に限られる
手引(令和8年分)によると、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整では、特定親族とは、所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満(年齢は令和8年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族をいい、児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子を含み、配偶者及び青色事業専従者等を除く)で、令和8年分の合計所得金額が62万円超123万円以下の人をいいます。令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整では、所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満(年齢は令和8年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族をいい、配偶者及び青色事業専従者等を除く)の令和8年分の合計所得金額が62万円以下の場合は、特定親族には当たらず、特定扶養親族として扶養控除の対象になります。
2人以上の所得者の特定親族に該当する親族は、いずれか1人の所得者の特定親族にのみ該当するものとみなされます。所得者の特定親族に該当する親族が、他の所得者の配偶者特別控除の対象となる配偶者にも該当する場合は、いずれか1人の特定親族又は配偶者にのみ該当するものとみなされます。年末調整で特定親族特別控除を受けるには、扶養控除等(異動)申告書の「源泉控除対象親族」欄への記載の有無にかかわらず、特定親族特別控除申告書を給与の支払者に提出する必要があります。控除額は特定親族特別控除で扱っています。
配偶者控除・配偶者特別控除を受けられる夫婦の要件
手引(令和8年分)は、配偶者控除・配偶者特別控除について、生計を一にする配偶者であることと、所得者本人と配偶者それぞれの合計所得金額の要件を定めています。
次の表は、手引(令和8年分)が示す、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整での配偶者控除・配偶者特別控除の所得の要件です(令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じません)。配偶者は、所得者と生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしている配偶者をいい、いわゆる内縁関係の人は含まれません)で、他の所得者の扶養親族とされる人、青色事業専従者等は含まれません。給与の収入金額の列は、配偶者の所得が給与所得だけの場合で、特定支出控除の適用がある場合には、表の金額とは異なります。
| 控除 | 所得者本人の合計所得金額 | 配偶者の合計所得金額 | 配偶者の給与の収入金額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者控除 | 合計所得金額が1,000万円以下 | 合計所得金額が62万円以下 | 給与の収入金額が136万円以下 |
| 配偶者特別控除 | 合計所得金額が1,000万円以下 | 合計所得金額が62万円超133万円以下 | 給与の収入金額が136万円超207万円以下 |
手引(令和8年分)は、配偶者控除の適用を受けている人は配偶者特別控除を受けられず、配偶者特別控除の適用を受けている人は配偶者控除を受けられないとしています。また、夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることはできず、いずれか一方の配偶者はこの控除を受けられません。
手引(令和8年分)は、配偶者控除・配偶者特別控除でいう「配偶者」には、他の所得者の扶養親族とされる人、青色事業専従者等は含まれないとしています。年の中途で配偶者と死別し、その年中に再婚した所得者の配偶者控除又は配偶者特別控除の対象となる配偶者は、死亡した配偶者か再婚した配偶者のいずれか1人に限られます。
年末調整で受ける側は、配偶者控除等申告書を出す
手引(令和8年分)によると、年末調整で配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けるためには、扶養控除等(異動)申告書の「源泉控除対象配偶者」欄への記載の有無にかかわらず、配偶者控除等申告書を給与の支払者に提出する必要があります。年末調整で同一生計配偶者に係る障害者控除を受ける場合は、扶養控除等(異動)申告書に所定の事項を記載して給与の支払者に提出します。
手引(令和8年分)によると、令和9年中の毎月の給与の源泉徴収に使う令和9年分の扶養控除等(異動)申告書の「源泉控除対象配偶者」欄に書く源泉控除対象配偶者とは、合計所得金額が900万円以下である所得者と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が95万円以下である人をいい、源泉控除対象配偶者に係る控除は夫婦のいずれか一方しか受けられません。
控除額と申告書の欄は、配偶者特別控除と源泉控除対象配偶者とはで扱っています。金額は配偶者控除・配偶者特別控除の計算機で確かめられます。
要件に当たれば夫婦の両方が受けられる2つの控除
所得金額調整控除(子ども・特別障害者等を有する者等)
手引(令和8年分)によると、所得金額調整控除は、その年中の給与の収入金額(年末調整では、主たる給与の支払者から受ける年末調整の対象となる給与の総額で判定)が850万円を超える所得者が、特別障害者に該当する場合、又は年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族、特別障害者である同一生計配偶者若しくは特別障害者である扶養親族を有する場合に受けられます。手引(令和8年分)は、同一世帯の夫婦の両方がその年中の給与の収入金額(年末調整では、それぞれの主たる給与の支払者から受ける年末調整の対象となる給与の総額で判定)が850万円を超え、年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族に該当する子がいるような場合には、扶養控除とは異なり、夫婦の両方が所得金額調整控除の適用を受けられるとしています。
控除額の計算と申告書の欄は、所得金額調整控除で扱っています。
年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例
手引(令和8年分)によると、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)は、令和8・9年分について、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の控除額の計算を変えるものです。年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族を有する人が、旧生命保険料とこの特例の適用がある新生命保険料の両方を支払った場合の令和8・9年分の一般生命保険料控除の適用限度額は、6万円(改正前は4万円)です。手引(令和8年分)によると、令和8年分の年末調整では、一般の生命保険料の控除額、介護医療保険料の控除額及び個人年金保険料の控除額の合計額が12万円を超える場合、生命保険料控除の額は最高12万円が限度です。
手引(令和8年分)は、同一世帯の夫婦の間に年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族である子が1人いるような場合には、夫婦の両方が、それぞれが支払った令和8・9年分の新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、この生命保険料控除の特例の適用を受けられるとしています。保険料の金額帯ごとの控除額は、生命保険料控除で扱っています。
保険料控除の対象になる保険料
生命保険料控除
手引(令和8年分)によると、生命保険料控除の対象は、一定の生命保険契約等に基づいて本年中に支払った保険料や掛金(剰余金の分配や割戻金の割戻しを受けているときは、保険料の区分ごとの合計額からその区分に対応する剰余金や割戻金の金額の合計額を差し引いた残額)で、所得者本人が支払ったもの(給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものを含む)に限られ、保険金、共済金その他の給付金の受取人の全てが、所得者本人又は所得者の配偶者や親族(個人年金保険料については親族を除く)であることが必要です。給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものは、本人自身が支払ったものとして控除の対象になります。
社会保険料控除
手引(令和8年分)によると、社会保険料控除の対象は、所得者本人又は本人と生計を一にする親族の負担すべき社会保険料で、所得者本人が本年中に支払ったもの(給与の支払者が負担した社会保険料等で給与として課税されるべきものを含む)に限られます。社会保険料には、健康保険や厚生年金保険、雇用保険などのように毎月の給与から差し引かれているものと、国民健康保険や国民年金などのように本人が直接支払っているものがあり、本人が直接支払ったものは保険料控除申告書の金額に基づいて控除し、このうち国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金で本人が直接支払ったものは、支払ったことの証明書類を保険料控除申告書に添付して提出又は提示する必要があり(保険料控除申告書に記載すべき事項を電子データにより提供する場合は、証明書類の提出又は提示に代えて、証明書類に記載されるべき事項が記録された情報で電子証明書等が付されたものを電子データにより給与の支払者に提供することができる)、証明書類が確認できない場合でも、翌年1月末日までに提出又は提示することを条件として控除をしたところで年末調整を行ってもよいことになっており、国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金以外の保険料等については証明書類は必要ありません。本人が本年中に支払ったものだけが控除の対象で、納付期日が到来して本年中に支払うべき保険料であっても、現実に支払っていないものは含まれず、翌年以後に納付期日が到来する保険料を一括して支払った前納保険料は、前納保険料の総額(前納により割引をされた場合には、その割引後の金額)に、納付期日の総回数のうち本年中に到来する納付期日の回数の割合を乗じて計算した金額が本年中に支払った社会保険料になります(前納の期間が1年以内のもの及び法令の規定に基づき前納したものは、前納保険料の全額を保険料控除申告書に記入して申告した場合、その全額を本年の年末調整で控除しても差し支えありません)。給与の支払者が負担した社会保険料等で給与として課税されるべきものは、本人自身が支払ったものとして控除の対象になります。
本人と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料を本人自身が本年中に支払った場合、本人の社会保険料として控除の対象になります。一方、年金から特別徴収された介護保険の保険料及び後期高齢者医療制度の保険料は、支払ったのが年金の受給者自身となるため、その年金の受給者の社会保険料として控除します。控除額の集計と証明書類は、社会保険料控除で扱っています。
地震保険料控除
手引(令和8年分)によると、地震保険料控除の対象は、所得者本人又は本人と生計を一にする親族が所有して常時居住している家屋や、これらの人が所有している生活に通常必要な家財を保険や共済の目的とする損害保険契約等の地震等損害部分の保険料や掛金で、所得者本人が本年中に支払ったものに限られ、このほか旧長期損害保険料も地震保険料控除の対象です。給与の支払者が負担した地震保険料で給与として課税されるべきものは、本人自身が支払ったものとして控除の対象になります。剰余金や割戻金、前納保険料、旧長期損害保険料の扱いは地震保険料控除で扱っています。
住宅ローン控除の連帯債務は負担すべき割合で書く
手引(令和8年分)によると、住宅借入金等特別控除を受けようとする最初の年分(居住の用に供しなくなった後に再び居住の用に供して適用を受ける最初の年分を含む)は確定申告により控除の適用を受ける必要があり、その後の年分は、年末調整の際に住宅借入金等特別控除申告書に基づいて控除を受けられます。
手引(令和8年分)によると、連帯債務となっている住宅借入金等がある場合、最初の年分を確定申告した後の年分の年末調整で出す住宅借入金等特別控除申告書には、各年12月31日現在の住宅借入金等の残高に、その住宅の持分を取得するために負担すべきものとした割合(原則として、適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入した負担割合)を乗じて計算した金額に基づいて記載します。手引(令和8年分)は、控除を受ける人が負担すべき割合について、原則として、適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入した負担割合によると書いており、原則の外の扱いは挙げていません。
連帯債務となっている住宅借入金等について年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける人は、負担すべき割合が記載された控除証明書を添付する場合を除き、申告書の「備考」欄に、他の連帯債務者から、負担額を示す文言、住所及び氏名(他の連帯債務者が給与所得者である場合は、その勤務先の所在地及び名称も)の記入を受けます。手引(令和8年分)の記載例では、連帯債務者が、住宅借入金等の残高19,500,000円のうち9,750,000円を負担することとしている旨を記入しています。
居住日の属する年分が平成31年分以後である人に、令和2年10月1日以後に税務署から送付された控除証明書には、控除を受けるべき人が負担すべき割合が記載されています。この負担すべき割合が記載された控除証明書を添付する場合は、「備考」欄への連帯債務者に関する事項の記載は不要です。借換えをした場合の計算と、申告書の書き方は住宅借入金等特別控除申告書の書き方で扱っています。
いつの状況で判定するか
国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」によると、控除対象配偶者や控除対象扶養親族などに該当するかどうかは、その年12月31日の現況により判定しますが、給与所得者やその親族が年の中途で死亡した場合、給与所得者が年の中途で出国した場合は、その死亡又は出国の時の現況により判定します。年の途中で結婚した夫婦や、年の途中で子が生まれた夫婦も、年の中途の死亡又は出国がなければ、その年12月31日の現況で判定することになります。
扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書などを提出する際に、源泉控除対象配偶者や源泉控除対象親族などに該当するかどうかを判定する場合は、申告書を提出する日の現況により判定し、合計所得金額は申告書を提出する日の現況により見積もったその年中の金額により、年齢はその年12月31日の現況により判定します。
年末調整の計算機で、還付・不足額を確かめる- 二以上の所得者の扶養親族に該当する人は、いずれか一の所得者の扶養親族にのみ該当するものとみなされ、共働きなど同一世帯に2以上の所得者がいる場合、いずれの所得者の扶養親族等とするかは、その所得者が提出した扶養控除等申告書等に記載されたところによる
- 所得金額調整控除(年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人が対象)と、年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例(それぞれが支払った令和8・9年分の新生命保険料に係る一般生命保険料控除)は、年齢23歳未満(年齢はその年12月31日の現況で判定し、所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合や所得者本人が年の中途で出国して非居住者となる場合は、その死亡又は出国の時の現況で判定)の扶養親族である子がいるような同一世帯の夫婦の両方が適用を受けられる
- 連帯債務の住宅借入金等は、控除を受けようとする最初の年分(居住の用に供しなくなった後に再び居住の用に供して適用を受ける最初の年分を含む)は確定申告により控除を受け、その後の年分の年末調整の住宅借入金等特別控除申告書に、12月31日現在の残高に、その住宅の持分を取得するために負担すべきものとした割合(原則として、適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入した負担割合)を乗じた金額に基づいて記載し、負担すべき割合が記載された控除証明書を添付する場合を除き、「備考」欄に他の連帯債務者から負担額を示す文言、住所及び氏名(給与所得者である場合は勤務先の所在地及び名称も)の記入を受ける
よくある質問
共働きの場合、子はどちらの扶養に入れますか?
国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」によると、共働きなど同一世帯に2以上の所得者がいる場合、扶養親族等はどの所得者の扶養親族等としても差し支えなく、いずれの所得者の扶養親族等とするかは、その所得者が提出した扶養控除等申告書等に記載されたところによります。二以上の所得者の扶養親族に該当する人は、いずれか一の所得者の扶養親族にのみ該当するものとみなされます。
共働きでも、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられますか?
国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」によると、令和8年12月1日以後に行う令和8年分の年末調整では、配偶者控除は、合計所得金額が1,000万円以下の所得者が、生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしている配偶者で、他の所得者の扶養親族とされる人、青色事業専従者等を除き、該当するかどうかはその年12月31日の現況により、給与所得者やその親族が年の中途で死亡した場合又は給与所得者が年の中途で出国した場合はその死亡又は出国の時の現況により判定)で合計所得金額が62万円以下の人を有する場合に受けられ、配偶者特別控除は、合計所得金額が1,000万円以下の所得者が、同じ範囲の配偶者で合計所得金額が62万円超133万円以下の人を有する場合に受けられます(令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じません)。配偶者控除と配偶者特別控除の両方を受けることはできず、夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることはできません。配偶者特別控除の対象となる配偶者が他の所得者の特定親族にも該当する場合は、その配偶者は、これらの所得者のうちいずれか1人の配偶者特別控除の対象となる配偶者又は特定親族にのみ該当するものとみなされます。年の中途で配偶者と死別しその年中に再婚した所得者の配偶者控除又は配偶者特別控除の対象となる配偶者は、死亡した配偶者か再婚した配偶者のいずれか1人に限られます。
配偶者が契約している生命保険の保険料は、どちらの申告書に書きますか?
国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」によると、生命保険料控除の対象は、一定の生命保険契約等に基づいて本年中に支払った保険料や掛金(剰余金の分配や割戻金の割戻しを受けているときは、保険料の区分ごとの合計額からその区分に対応する剰余金や割戻金の金額の合計額を差し引いた残額)で所得者本人が支払ったもの(給与の支払者が負担した保険料で給与として課税されるべきものを含む)に限られ、保険金等の受取人の全てが所得者本人又は所得者の配偶者や親族(個人年金保険料については親族を除く)であることが必要です。
夫婦の連帯債務で住宅ローンを借りている場合、年末調整の申告書はどう書きますか?
国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」によると、連帯債務となっている住宅借入金等がある場合、最初の年分を確定申告した後の年分の年末調整で出す住宅借入金等特別控除申告書には、各年12月31日現在の住宅借入金等の残高に、その住宅の持分を取得するために負担すべきものとした割合(原則として、適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入した負担割合)を乗じて計算した金額に基づいて記載し、「備考」欄に他の連帯債務者から負担額を示す文言、住所及び氏名(給与所得者である場合は勤務先の所在地及び名称も)の記入を受けます。負担すべき割合が記載された控除証明書を添付する場合は、「備考」欄への連帯債務者に関する事項の記載は不要です。
出典
国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」と「令和8年分 源泉徴収のあらまし」の原文を読んで確認。
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」 Ⅲ 年末調整のしかた(扶養控除等(異動)申告書、配偶者控除等申告書、特定親族特別控除申告書、所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書の内容の確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」 昨年と比べて変わった点(年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収のあらまし」 第2 給与所得の源泉徴収事務(所得控除、控除の対象になるかどうかの判定時期等)
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。特定の人がどの控除を受けられるか、夫婦のどちらの申告書に書くかは、その人の所得や家族の状況、申告の内容ごとに判断されます。具体的な対応は、税理士または所轄の税務署にご相談ください。